コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ボヌールカフェ ( No.3 )
- 日時: 2016/03/21 22:47
- 名前: 赤猫。 (ID: mwz5SFMT)
ヒーローズ
———ここはある平和な国の王宮。
その奥に位置する王は赤く染められたマントをはおり、金箔を豪奢にあしらった椅子に腰かけている。
王は肘掛けに両肘をつき、両手を顔の前で固く握りしめている。
その面持ちは非常に深刻そうで、眉間に皺寄せ、唇はきっと横に結ばれている。
その理由は先日、隣国にこの国を襲われたことによるものだ。
人々の心は荒み、犯罪件数は例年を上回った。
そう、今まさにこの国は危機に瀕している。
よって、王はこの国の命運をある男たちに託すことにした。
今、王の目線の先、甲冑を身に纏った2人の家来が扉を開く。
その中から、5人の男たちが姿を現した。
深紅に染められた絨毯の上を、彼らは歩み始める。
彼らは王の前にひれ伏した。
「君らにこの国を救ってほしい」
王は膝の上に両手を乗せ、しっかりと彼らを見定め、言い放った。
「君らも知っている通り、一昨日、隣国に我が国を襲撃された。
そして、奴らは忌々しきことに、あの財宝を根こそぎ奪い取っていった!」
王は肘掛けを右の拳で強く叩いた。
王の怒りが突き出た骨々に強く表されている。
「それは我が国民の生活に潤いをもたらし、長年儂の心を癒しておった。
あれが無ければ、儂は生きてはいけぬ……!
さあ、主らに『宝石マカロン〜魅惑のひととき〜』を取り戻してきてもらおう!」
「「「「「はっ!仰せのままに!」」」」」
彼らは面を上げ、自信に満ち溢れた表情で言った。
「よし、お前らやることは分かっているな」
「ああ」
「ふっ、やっとこのときが来たか」
「鍛えぬいた右腕が疼くぜ」
「やろうか、皆」
「いくぞ!男気じゃんけんじゃんけんポイ!!」
「うおっしゃー!!!1位抜け!!」
「2回戦!じゃんけんポイ!!」
「うおおおお!!」
省略
「ふはははは!俺様がレッド!鍛え抜かれた上腕二頭筋がチャームポイントだぜ!!」
「はっ、俺が静寂と孤独に満ち溢れたオーシャンブルーか……。悪くない」
「絶対アイドル!皆の心を真っ白に!さあ一緒にレッツホワイトニング!!」
「あ、報酬貰えるって聞いたんで来ましたー。えー、担当カラー?じゃ緑でよろしくー」
「うわわわわわん!ワン!!わわわん!!!わーーーおーーーんーーー!!!!」
果たして、つっこみ役不在の彼らの旅は上手くいくのか?
この平和な国で最も暇なワースト5の戦士たち(笑)が、隣国から王のおやつを取り戻すため、今、戦う———!
かもしれない。
———to be continued……?