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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 約束の剣Ⅰ ( No.1 )
- 日時: 2016/03/18 18:22
- 名前: アウリン (ID: cx1920xY)
〜#1〜
——マッドサイエンティスト。
それがどれほど恐ろしい存在なのか、私はまだ知らなかった。
私は勇者と出会う『運命』であり、その中で死ぬ『設定』だった。
私は『いくつもの記憶』を持っている。そして何故か何度も時は戻り、同じ結末を招く。
変えることのできない運命。
それ以外にどんな言葉が当てはまろう?
そう、私は『作られたのだ』。始めは私も生きる事に必死だった。短い命だったから。それでも、運命は変わらなかった。だから、いつしか私は運命と、そう思い、諦めていた。
そしてそこに現れたのが『彼女』。
『彼女』は私が知らない人だった。
つまりそれは、何かが原因で運命の歯車が回り始め、自分の将来への道が開かれたのかもしれないという事。
私は希望を持った。そして、生きる事を感じた。生きているとそう思う事が出来た。
私のもとにやってくる勇者様達は少し特殊だ。
馬鹿も子供っぽい子も、男も女も、私のもとにやってきた。しかし、その容姿は全て似たり寄ったりで数パターンしかなかった。でも、『彼女』は今までの誰とも違う、お茶目な美少女だった。
「また、生きられる」
私はいつか死ぬのかもしれない。また、今までと同じように。
けれど、生きたい。今の私には護りたいものがある。
だから私は笑う。
——たった一人、主と決めた人のために——
——————————
プロローグです。この語り手はしばらく出てこないかと思います。
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