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Re: 君のそばにいるのも悪くない ( No.11 )
日時: 2016/03/22 17:51
名前: 小波渡未來 (ID: VNx.OVCe)

「ねぇ、君桜花南学院の生徒?」
「はい、そうですけど」
「そっか、俺も同じ学校なんだよ!」
「えっ、そうなんですか!?」
「おう!」
男の人はあまりにも嬉しそうに笑うので私もつられてニコニコしていたがなにか忘れているような気がした。何となく右手首に巻いている時計を見てみると入学式まであと10分しかなかった。
「あっ、急がないと!」
男の人は私が何に焦っているのかわからないといった表情を一瞬したがすぐ私同様に焦り始めた。
「ほんとだ、やばいじゃん!」
「早く行きましょう!」
私は急いで走ろうとしたが男の人に手首を掴まれた。
「あの、どうかしましたか?」
男の人が何をしたいのかわからなかったが私はその意味をすぐ知ることになった。
「よっと!じゃあ、行こうか!」
「あっ、あの、私一人で歩けますから!」
男の人がやりたかったのはお姫様抱っこだった。私はあまりの恥ずかしさに少しパニックになっていた。
「ちょっと暴れないで、保健室まで連れていくだけだから」
男の人はそう言うと早足で歩き始めた。私は保健室に着くまで顔を赤くしていたことは言うまでもない。

色々大変だったけど入学式は無事に終えることができた。時間がなかったので男の人の名前を聞くことはできなかったけど同じ学校の生徒だしまた会えるよね?会えたらちゃんと名前を聞こうと私は思い今日のところは家にすぐ帰ることにした。