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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 雨のち晴れの恋愛模様。 ( No.26 )
- 日時: 2016/06/30 17:06
- 名前: ももたん ◆hjAE94JkIU (ID: y47auljZ)
雨の章 2『なんでこころはいたがるの?』
「…付き合ってるのかな」
沈黙を破ったのは、私。
「そ、そんなことないよ!ほら、自信もって「だって」…」
「だって…あの会話、絶対に…」
机にしずくが垂れる。
「の、乃愛…」
なんで、こんなに心が痛いんだろう。
「だ、大丈夫…。なんで…泣いて…っ」
後からあとから涙が頬を伝って流れ、机に落ちていく。
お箸を持ったまま動けない。
そんな私の顔を、明里は優しく拭いてくれた。
心配してやってくるクラスメイトや、ほかのクラスの子を「大丈夫だよ」と言って、私のところに集まらないようにしてくれる。
5分くらい泣いていたんだと思う。やっと涙が収まったとき、顔は乾いていた。
「顔洗ってくる」
「私も行くよ」
明里と二人で洗い場へ向かう。
「ありがとう、色々と」
「いいの。あんなの普通だよ」
「そうかな。でも、まあ、ほんと、ありがとう」
「もういいって、ほら、顔洗って」
パシャパシャと顔を洗う。
「まだ時間あるね。ゆっくり食べよう」
「そうだね。時間あってよかった」
「ま、時間なくてもどうにかなってたでしょ」
教室に戻り、ささっとお弁当を食べ、片づけて二人で話す。
やっといつもの乃愛に戻った、と明里から言われた。
戻れたのかな。
戻れたのかもしれない。でも。
でも、心の痛みは、収まらない。
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