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Re: 雨のち晴れの恋愛模様。 ( No.35 )
日時: 2016/07/11 16:01
名前: ももたん ◆hjAE94JkIU (ID: RKif8kSb)

晴れの章 2『あとすこしふみだせばきっと』

「さようならー」

帰りのあいさつをして、みんなが教室から出ていくのを見ながら、私も教室から出る。

けれど、向かう方向は違う。私は今から裏庭へ向かう。



「…よしっ」

我ながらベタな告白考えたなぁ…と思いつつ、気合を入れる。

丁度その時、こっちへ向かってくる足音がした。

はっと足音がするほうを向くと、居たのは私が呼び出した人。

「あ、美月さん。待たせてごめん」
「いやいや!私だって今来たばっかりだから。大丈夫。…急に呼び出してごめんね。大丈夫だった?その…時間とか」
「ああ、うん。水城先輩…あ、ほら、うちの部活のマネやってるから、あの人。直ぐオッケーもらえたし。むしろ『早く行ってらっしゃい!』って言われたくらいだから」
「そっか。それなら、よかった」

大きく、静かに息を吸う。

「あのね、井上君」
「うん?」
「私…私、井上君のことがす——「まって!」

言葉をさえぎられる。

「あっ、ごめん。でも、それは俺に言わせて」
「…うん。私も井上君から言ってもらいたい」

次は、井上君が息を吸う。

「俺は、美月さんのことが好きです。付き合ってください!」

「っ…はいっ!」

二人で笑って、二人で抱き合って、二人で同じ喜びを共有する。

奇跡は小説だけじゃない。

現実にも、あるんだ。

—happy end—