コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 『君の゛笑顔゛が好きだった。』 ( No.23 )
- 日時: 2016/06/10 22:51
- 名前: K(*^▽^*) (ID: KG6j5ysh)
《第六話》
春風が頬を撫でて音をたてずに消えてゆく。
「里穂ー、、」
「ん?どした?」
里穂は、好きな人とかいるのかなぁ。
「、、琴美?」
「あ、あれ!」
「えっと、中間テストもうすぐだね!」
「そんな話題今出さなくても良くない?」
隣で数学の先生の愚痴を言っている里穂を見てハハハ、、と笑う。
「琴葉とどこで待ち合わせ?」
「学校の曲がり角の交差点」
あーあそこね、と頷く里穂にまた笑ってしまう。
入学式から一週間。
立派に咲いていた神社の桜はもう緑色の葉が生い茂っていた。
中学校生活にも段々慣れて何気なーく過ごしている。
あ、そういえば。
「部活、吹奏楽部の入部届。持ってきた?」
くるっと隣を振り向くと里穂が顔を青ざめた。
「、、、、あ、は、はは」
「里穂、忘れたの、、?」
「はい」
、、、あちゃー
「どうしよう!琴美!世界の終わりだ滅没だぁ、、!」
「大丈夫だよ、大丈夫!」
頭を抱える里穂を苦笑いで宥める。
「あー散々だなぁ」
周りの草花は昨日の雨のせいか水滴が反射してキラキラと光っていた。
「良い天気だねぇ」
すん、と空気を吸うと春の匂いがする。
今日は空は真っ青で虹でもかかってそうな晴天だ。
「ね。昨日どしゃ降りだったもんね」
信号が赤に変わり、二人で並んで空を見上げる。
「、、飛行機雲だ」
「ほんとだ!長いね〜」
真っ白な飛行機雲がスーっと真っ直ぐに映っていた。
「何かあったよね?飛行機雲がどうなってるかで明日の天気が分かるヤツ」
里穂が空を指差して私に問い掛ける。
「あー、あったあった!」
えーと確か、、思い出した!
「飛行機雲が空に澄んで見えているときは、明日の天気は雨」
突然、後ろから声がして二人同時に振り返る。
- Re: 『君の゛笑顔゛が好きだった。』 ( No.24 )
- 日時: 2016/06/05 14:10
- 名前: 麗娃 (ID: S8b9wYSL)
めっちゃ面白いです♪
- Re: 『君の゛笑顔゛が好きだった。』 ( No.25 )
- 日時: 2016/06/05 19:09
- 名前: K(*^▽^*) (ID: GlabL33E)
麗娃さん
‾‾‾‾
面白いと言ってくださってとても嬉しいです(T▽T)
また、続きを書くので良ければ見てください♪
コメント、ありがとうございました(^o^ゞ
- Re: 『君の゛笑顔゛が好きだった。』 ( No.26 )
- 日時: 2016/06/10 22:39
- 名前: K(*^▽^*) (ID: KG6j5ysh)
「俊介君。」
「わっ、、ビックった。何?ストーカー?」
里穂がじりじりと俊介君に近づいて睨む。
「アホか。俺もここ通るんだよ、ってか入学式でぶつかってきたのお前だろうが」
「わ、分かってるし!そんなことっ」
信号が青に変わり里穂と私の後ろに俊介君も一緒に歩く。
「じゃあ、明日は雨かぁ」
こんなに良い天気なのに。
「俊介君、物知りだね」
「、、偶々知ってただけ」
「そんなこと無いよ。ね?里穂、勉強になったね」
「別に、わ、私は知ってたし?」
里穂がそっぽを向いて言ったのでつい、噴き出してしまった。
俊介君。
頭良いんだなぁ、、前から頭良さそうだなぁとは思ってたけど。
想像通りだったなぁ。
「二人は、、小学からなの?」
俊介君が珍しく話題を出したので少しの間私と里穂は固まってしまった。
「え、あ、うん。四年生の頃に音楽部で知り合って同じクラスが続いたから」
私が言うと里穂もそうそう、と頷いた。
俊介君は一言ふうん、と言ってまたスタスタ先を歩き出す。
「俊介君、部活入らないの?」
先を歩いていた俊介君の肩がビクッと揺れた。
「?」
あれ?
何かダメだったかな。
「別に、、部活なんて入るだけ無駄」
「そ〜んな事言って。運動、ダメなんでしょ〜?」
クスクス笑いながら里穂が俊介君を横目で見る。
「ちっ違う!」
「へぇ〜。あ、そ〜う」
「お前だって一人でトライアングルでも弾いてろ」
ぎゃあぎゃあと隣で喧嘩している二人を苦笑いで見る。
「、、元気だな。二人共」
本当に。
小学校の頃とは違って、今では楽しいより疲れる方が勝ってる。
「ん?琴美何か言った?」
「なんにも。ほら喧嘩してないで行くよ?遅刻すると怒られるよ」
- Re: 『君の゛笑顔゛が好きだった。』 ( No.27 )
- 日時: 2016/07/13 19:49
- 名前: K(*^▽^*) (ID: BDyaYH6v)
「、、、、はぁ。」
何なの、この集会は。
学校に着いたと思えば一年生だけ、いつも集会。
滑舌が悪い校長先生の話を聞きながらため息をする。
何言ってるか分からないし、、
周りの一年生も呆れた顔で突っ立っている。
ふと三組、二組、一組、と右側の列を見て小学生の顔ぶれを探してしまう。
あ。
二列右側の男子列に見慣れた横顔を見つけた。
松田、だ。
眠そうにあくびをしてる。
ははっ、前見てないなぁ、アイツ。
面白くて笑えてしまった。
変わってないなぁ。
少しの間、目を向けてしまった。
「、、、、。」
何でこんなこと思っちゃうんだろう。
『気づいてほしい』なんて
私、馬鹿みたい。
「!」
前を向きな直そうとした時、合ってしまった。
一瞬、時間が止まった気がした。
松田がこちらを見ていたから。
「、、、、///」
すぐに目をそらさずに冷静になって前を向く。
・・・
つもりだった。
すぐに首を正面に回転させて下を向く。
「っ、、!/////」
落ちつけ、落ちつけ、落ちつけ。
鼓動がバクバクと五月蝿い。
「これで話を終わります」
校長先生の話が終わって礼をする。
その間に私はすました顔を貼り付ける。
「ふぅ、やっと終わったね」
前に立っている里穂が私に小声でソッと耳打ちをする。
「琴美どうしたの?顔赤いよ?」
どうやら、貼り付けれていなかったらしい。
このすぐ顔が赤くなるのを、こんなにも恥ずかしく思ったことはない。
- Re: 『君の゛笑顔゛が好きだった。』 ( No.28 )
- 日時: 2016/06/20 20:34
- 名前: いろはうた (ID: b4ZHknAo)
- 参照: http://pixiv.me/asaginoyumemishi
Kちゃん!!
お久しぶりでーす!!
お邪魔しよう、お邪魔しようと思うものの
なかなか読みに行くことができず……
今日はまとまった時間が取れたので、
遊びに来させてもらいましたー!!
ひゅーーーー( >3<)三3☆
気付いてほしいと思っていたら、目があっちゃう。
何でもないふりをしたいのに、慌てて目をそらしちゃうとか
君たち、青春かよ!!←青春です
本当に甘酸っぱくてキュンキュンしますね……
更新がんばってね!!
- Re: 『君の゛笑顔゛が好きだった。』 ( No.29 )
- 日時: 2016/06/25 10:36
- 名前: K(*^▽^*) (ID: IvmJM/UO)
いろはうたさん
‾‾‾‾‾‾‾
わー!嬉しい、、(泣)
すぐコメント返せなくてごめんなさい、今テストの真っ最中でして、、(--;)
これならいろはさんって呼んでいいかな(^o^ゞ
また、更新できるよう頑張ります
- Re: 『君の゛笑顔゛が好きだった。』 ( No.30 )
- 日時: 2016/06/25 10:51
- 名前: 立山桜 (ID: ???)
すごく面白いです! よければお友達になっていただけないでしょうか?あ、ごめんなさい。申し遅れました。私さくらと申します。以後お見知りおきを。(._.)長文失礼しました。
- Re: 『君の゛笑顔゛が好きだった。』 ( No.31 )
- 日時: 2016/06/25 12:41
- 名前: K(*^▽^*) (ID: j0x8WVaG)
立山桜さん
‾‾‾‾‾
そんな、面白いだなんて、、(泣)
はい、是非お友だちになりたいです!じゃあ桜ちゃんって呼ぼうかな、、(^^ゞ
コメントありがとうございましたm(__)m
今夜、更新できたらします♪
- Re: 『君の゛笑顔゛が好きだった。』 ( No.32 )
- 日時: 2016/06/25 13:45
- 名前: 立山桜 (ID: ???)
>>31 Kさん わあ!ありがとうございます!あ、タメで話すね〜♪Kちゃん!これからヨロシクです♪(^-^ゞ
- Re: 『君の゛笑顔゛が好きだった。』 ( No.34 )
- 日時: 2016/07/11 22:47
- 名前: K(*^▽^*) (ID: g./NUPz6)
何時からか、松田のことを意識していた。
友達....いや小学生の頃、里穂に言われてからだろうか。
「皆は好きな人いないの?」
と女子の間で話が始まり、私にも会話は廻ってきた。
勿論「いるわけないよ」とだけ返しておいた。
里穂は昔から恋バナと言うのだろうか、こういう話が好きだ。
その話があったからだろう、その日の帰り道二人でいつもの通り並んでいると里穂が少し恥ずかしそうに言った。
「琴美、好きな人いないの?」
「へ?」
里穂からその話題が出たのは意外にも初めてだったので変な声が出てしまった。
「里穂いるの?」
「別に。私はカッコいい人が好き」
何それ、と笑うと話はそこで終わらなかった。
「松田とか、好きなんじゃないの?」
「それって、、」
敬造のこと?
「敬、、松田敬造?」
「うん。小さい頃から仲良いじゃん、琴美」
「まぁ、昔は仲良かったけど。今はそんな、話さないし」
「そんな事言って、琴美ったら顔赤ーい」
「え、う、嘘//!?」
「嘘だけど?」
あの時から変に気持ちが高ぶってしまう。
小学四年生、あれがアイツと同じクラスになった最後だった。
口では生意気言ってたけど、五年生になってからアイツとの口喧嘩が妙に懐かしく、寂しく感じた。
「琴美、同じクラスだね!」
隣で喜んでいる里穂に笑いかけながら、私はクラス表からあの名前を探していた。
廊下ですれ違っても今はもう話しかけない。
あっちも、此方も。
隣の教室からアイツの笑い声が聞こえると、少し寂しく感じる。
あの二年前がとても遠く感じて。
目が合うだけで心が明るくなったり、名前を聞くだけで頬が熱くなったり、こんなこと無かったのにね。
今なら認めてしまうかもしれない。
アイツのことが好きだって。