コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 『君の゛笑顔゛が好きだった。』 ( No.35 )
- 日時: 2016/07/16 17:42
- 名前: K(*^▽^*) (ID: 4PEXSotl)
《第七話》
入学式から二週間、騒がしくも落ち着いてもなく普通のクラスで安心した。
中学の生活にも慣れて里穂や琴葉達と楽しく過ごしている。
最近は図書室にいるのが習慣だ。
騒がしい学校で唯一静かな場所なので嬉しいと言えば嬉しい。
昼休み、お弁当を食べ終えた後は必ず図書室に行く。
ぽかぽかして良い天気だし、今日は平和だなぁ。
「、、はぁ」
素敵だなぁ、この話。
人が住んでいた古い洋館でのミステリー小説。
入り口からは見えない長机の端で一人、想像をしてため息をつく。
いけない、鐘が鳴っちゃうや。
今日はこれを借りて帰ろ。
椅子から立ち上がり、カウンターへ向かう。
「あ」
図書委員さん来てる。
さっき来てなかったのにな、気づかなかったや。
その図書委員さんは頭の上に本をのっけて机に突っ伏している。
だ、誰?
「あ、あのう」
寝てるのかな?
背が高くもないから、一年生?
どっちにしろ起こさなきゃダメだよね。
肩に触れようとした時、本が音をたてて落ちた。
「わぁっ!」
驚いて出しかけていた手を引っ込めて後ろに下がる。
「ん?、、って水原じゃん」
「へ?」
私の目の前にはいるはずのない松田がいた。
何というまぁ、まぬけな声を出してしまったのだろう。
「、、敬造だったんだ」
「何だよ。そ、そのポーズ」
敬造が私を見て噴き出したので我に返る。
「そ、そっちこそ誰かと思ったよ」
「俺が入った時、人がいないからラッキーと思ったのに」
「本棚で見えないからね」
なるほど、と言いながら眠そうにあくびをしている。
集会の時みたい。
思わず笑ってしまうと、何かした?と首を傾げている。
「あ、あの本借りたいんだけど」
「えー水原やっといて」
「え?な、何で?」
「面倒だから」
「何それ図書委員でしょーが」
「ならいー「分かったよ!やれば良いんでしょ」
また寝ている敬造の横でマウスを動かす。
えーと、借りるんだから、ここかな?
「あ、あれ?できない」
「ん、どうした?」
寝ていた敬造が起き上がりパソコンを覗く。
『カチッ』と言うクリックの音と、お互いの肩が当たった。
近、近っ//
マウスの上の私の手に何か触れた。
、、え。
「おし、できた。水原できた、、水原?」
「おい、水原?」
「////えっ、あ、ありがとう」
敬造が差し出してきた本を受け取り顔を隠す。
絶対、絶対顔赤い。
「お前、むっずかしそうな本読むなぁ。俺無理だわー」
『夢』みたい、なんて思ってしまうのは。
「あ、時間ないや。本ありがとねっ」
何でだろう、この変な気持ち。
何でこんなにも緊張するんだろう。
もう決めたのに。
『諦める』って
- Re: 『君の゛笑顔゛が好きだった。』 ( No.36 )
- 日時: 2016/07/25 09:29
- 名前: K(*^▽^*) (ID: iuj9z/RI)
「、、、、。」
授業中、さっきまで胸に抱えていた本を机の中から出す。
き、緊張した、、////
こんなことって、、考えられる?
つい、三分くらい前。
階段を二段とばしで駆け抜け、教室に入り誰かに声をかけられる前に机に座った。
「こーとーみー」
「!」
「ど〜こ行ってたの、、ってどうしたの?」
「べっ別になんもない!」
挙動不審になってしまい里穂達には不思議がれた。
まさか、、敬造が図書委員なんて。
シャーペンの芯が足りないことに気づき、筆箱の中を漁る。
でもアイツ、小学校でもやってたっけ。
いつもからかってきて、机の下から頭出して。
「、、変わってないな」
相変わらずアイツも、本好きなんだ。
『中学生』になってから関係なんてただの知り合いだと思ってた。
松田、なんて友達の前で言うのもだけど。
敬造とは小一以外は小四までずっと同じクラスが続いた。
また?とお互い会って呆れたっけ。
そんでもって、番号が近いからいつも初めは隣。
クラスが離れてから、二年たった小六の冬。
隣のクラスから里穂が聞いたこと。
『後悔』なんてしない。
したくなんかない。
聞かなければ良かった、なんて。
思っても意味無い。
あー、、戻りたい。
『敬造、つき合ってるんだって』