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Re: 『君の笑顔は変わらなくて。』 ( No.7 )
日時: 2016/05/03 12:54
名前: K(*^▽^*) (ID: rBo/LDwv)

《第三話》

「なんっであんたが隣なのよ!!」
騒がしい放課中の教室で里穂の怒鳴り声が響く。
「神田ね、覚えた。えっと俺は田中幸樹、よろしくな」
幸樹が神田君の席の前で自己紹介を始めた。
「どうも」
神田君は無愛想に答えたけど、私には少し嬉しそうに見えた。
「水原琴美です、隣は宮内里穂。里穂達とは小学生からの友達なんだ、どうぞよろしく」
「、、うん」
遡るは三十分前、教室に入ると里穂の隣がなんと、神田君。
「宮内、自己紹介ぐらいしろよ。せっかく友達に「なってない!」
「あのなぁ」
幸樹が呆れてため息をする。
「中学生だったんだ」
その神田君の一言に幸樹と私が停止する。
「中学生だわっ阿呆!」
ぎゃあぎゃあと喧嘩が始まり幸樹と顔を見合わせてため息をする。
「あ、あの子」
席の一番、前の子の顔があの一つ結びの子に似ている気がする。
「幸樹っ」
「ん?どうした?」 
里穂をまぁまぁと宥めていた幸樹がこちらを振り向いた。
「あの一番前の子の名前、知ってる?」
「一番前?」
すると幸樹は目を細めてジーッと見た。
「知らないけど、何だ?知り合いか?」
「ううん、今朝ちょっとね。ありがと」
知らないのか、、、話しかけに行こうかな。
「水原」
「へ?」
すると幸樹はニカッと笑って前を指さした。
「話しかけてきたら?」
「よ、よしっ」
自分から話しかけよう。
近づけば近づくほど本を読んでるその子の横顔は間違いなくあの子だった。
まさか同じクラスなんて、こんな偶然あるんだなぁ。
やっとその子の席の後ろまで来て深呼吸する。
「あ、えっと」
声、裏返った!馬鹿だ。
「ん?あ、今朝のっ」
その子の目がパアッと輝く。
「同じクラスと思わなかったから驚いちゃって。名前、、長谷川さん?」
「あ、あぁ。私は長谷川琴葉!えっと、、」
すると下を向いて私の名札を見たので咄嗟に自己紹介をする。
「水原、水原琴美っ」
「そっか。なら琴美ちゃんって呼んで良い?」
嬉しさと感動して目が熱くなった。
「あ、琴美で良いよっ。なら私も琴葉ちゃんって呼んで「琴葉で良いよっ」
「、、プッ」
二人で顔を合わせてプッと噴き出し笑い合った。
「あははっ、分かった。琴葉ちゃ、、琴葉!」
すると琴葉は笑って手を差し出してきた。
「よろしくっ。琴美!」