コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: スイーツゲッター ( No.2 )
- 日時: 2016/05/19 21:30
- 名前: 瀬緒川 (ID: tcaX5Vvk)
一章二話
「さようなら」
学級委員が号令をかける。
それに続いてみんなが「さようなら」と言い礼をする。
顔を上げると僕はすぐに教室を飛び出した。
廊下をどんどん走る。
曲がり角になるとぶつかって「ごめんなさい!」と言った。その後先生に注意された。それも「ごめんなさい!今回だけは見逃してください!」と言ってまた走り続けた。
学校を出ると家を目指す。
学校から家の距離は遠くない。むしろ近い。
だから頑張れ僕。と、走り続けた。
そして家についた。
今日も親はいない。
何も言わず部屋を目指す。
そしてパソコンの電源を押すと、「はぁぁ〜」と声が漏れた。
パスワードを入力してネットを開く。
そこに、「すいーつげったー」と打ち、カタカナに変換する。
「あった…」
聞いた事はあったが、検索した事はなかった。
だから、そのサイト件数に驚いた。
「10000!?」
ここの地域だけだと思っていたのに
、もしかして全国とかもあるのか。
でも、その全ては「正体の予想してみよう」や「今わかってることまとめ」といって、全然情報は得られなかった。
その中でも一番正体について詳しく書かれていたのはまとめサイト。
やっぱりまとめサイトはすごい。1人で感心した。
まとめサイトでは本当に見たことがある人がコメントしていた。
「はっきりとは見えませんでしたが、高校生くらいでした。性別は女性で…。これしかわかりませんでしたが、有力な情報ですよね?」とコメント。
本当かわからないが、これが本当なら有力な情報だろう。
情報が書かれているのはこの一件くらいだったからか、閲覧数も1番多かった。
その後も僕は探すが、いい情報もなく諦めてしまった。
最低でもどこで会えたかとかわかるだろうと考えていた自分が甘かった。もっと現実見ろ。
パソコンの電源を切ると、横になった。
女子高校生という情報だけからのスタートか。これは結構辛い。もしも県外とかだったら地獄だ。街をうろうろする男子高校生がいます。と、不審者情報が出るんじゃないかと思うと本当に辛かった。
もうこれ以上は深く考えないでおこう。スイーツゲッターが見つかるといいな。程度で頑張ろうと決めた。
でも、どうしてこんなに必死になってるんだろう。
今日の僕はおかしい。スイーツゲッターの事だけ考えてる。
もしかして、これって…。
「いや、ないな」
目を瞑って頬を叩いた。
スイーツゲッターを好きになるなんておかしい。
15年間生きてて恋を一度もしていないからわからないが、好きになるのは話したり、会ったりしないとならないんじゃいかと思っている。
スイーツゲッターとは会った事はない。もちろん、話した事も。
だから、これは恋じゃない。
ただの興味だって。