コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: スイーツゲッター ( No.3 )
- 日時: 2016/05/24 16:08
- 名前: 瀬緒川 (ID: tcaX5Vvk)
一章三話
「う…」
重くなったまぶたをゆっくりと開ける。
時計を見ると針は6時を指している。
宿題に夕食作り、風呂に入ったり歯磨きしたり小説の返信したり…。する事はたくさんあるのに1時間ほど昼寝していた。
「やっばいなぁ…」
あいにく、今日の宿題は多い日。数学のプリント2枚とワーク、それと英語の単語調べと予習だ。ちなみに英語は苦手である。
僕は勉強机に向かった。まず宿題を少ししてからご飯を作ろう。
そう思って数学のワークを開くと、黙々と問題を解いていく。
数学は得意だ。だから、ワークとかプリント2枚も余裕。
ミスってても「一応頑張りましたしー?、何もしてこない人よりはマシだと思うんですけどなぁー」って言えば「そうだな」で解決するだろう。
これは最高の方法だ。
まぁ、一応頑張って解いているからこの方法は使わないのだが。
この方法使いたい人いるなら使ってよし。さぁ、許可は出したぞ?
「やっぱ僕すげーわ。ナイスアイデー…」
「お兄ちゃん!」
窓が勢いよく開いた。
感心していた独り言が聞かれた…。かもしれない。
目はうるうるとして、今にも泣き出しそうな顔をして言った。
「うあああん!明、テストで0点取っちゃったよおお!」
大きな声で明はわんわん泣いた。テストで0点取ったから。
でも、これも遺伝なんだろう。
僕も今までに何度も0点という文字を見た。
だから、笑う事もない。新田家は0点を取るものなのだ。
「ふう」と息を吐いて明に尋ねる。
「明、何の教科だったんだ?まぁ、な?あれだろ、英語」
僕のあれとは、僕の大の苦手でもある英語だ。
明は体を少し跳ねさせた。あ、これは。
「図星か?」
「ギックーん!」
なぜか擬音。
そして、時間が止まったかのように動かなくなった。
けど、明は悪くない。
励まそうと言葉をかけた。
「まぁ、僕も英語は0点だからな。そのー、外人に話しかけられない限り英語は使わないんだ。英語は授業を受ける必要はない」
僕も明も英語は0点だ。教え合う事もできないからもう諦めるしか選択はないのだ。
最高の励ましができなかったお詫び的な感じで、明の頭を撫でると「えへへ」と無邪気に笑った。
「お兄ちゃん、新田家英語終わってる!」
明と今日も、英語を教え合う事はなかった。