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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 今、好きな想い ( No.15 )
- 日時: 2017/02/26 22:43
- 名前: アリン (ID: qlQjtvRq)
*.* 恋人以上恋人未満 *.*
「ふんっ……っ……ああぅ………。」
『もう泣くなよー、まやね。』
今真山秋斗の隣で泣いているのは、永井まやね。
なぜ泣いているのかというと好きだった先輩に告白して振られてしまったというのだ。
「好ぎなびどがいるんだっでぇー……。」
泣きながら言うまやねの背中をさすりながら、聞いていた。
まやねと会ったのは中学一年生の時だ。
趣味が似ていたため、すぐに仲良くなった。
ある日のこと。
一緒に帰るために下駄箱前で待っていたらまやねが泣きながらこちらにやって来た。袖や手が涙で濡れていた。初恋の人にフラれたと帰り道に教えてもらった。
あの時からだった。
まやねの慰めるのは俺の役目になっていた。
人のためになるのは嬉しい。だけど、今の俺にとってはよくないことなのだ。
「ぐすっ……秋斗くん。聞いてくれてありがとう。やっぱり持つべきは友達だな。」
流していた涙を自分のハンカチで拭きながら言った。
まだその目には涙が残っている。
『いいよ。……友達……ね。』
その言葉はまやねには届かなかった。
──恋人以上になりたいのに、いつもキミからの言葉は恋人未満で……。この気持ちをキミに言ってしまったら、この関係が壊れてしまうんだろうな。
今にも出て来そうな気持ちを飲み込むように言葉を重ねた。
『帰ろっか。まやね。』
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