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＊. * 1年ぶりの再会 * .＊


『お久しぶりです。彩音店長』
「あれ！？ 隆くんだ！ 久しぶりだね〜」

山川隆は真山彩音が営んでいる花屋の“シャイニングフラワー”へ訪れた。
店の雰囲気はあの頃と全く変わりがない。そんな安心感が隆を包みこむ。

「そっか……また一年経ったのね」

その一言は隆の周りの空気を少し重くした。
あれから四年経った。鳥のように愛奈さんが
居なくなって四年。早いようで長かった今日は毎年、雨が降っていない。

「今日はどんなお花にする？」
『……そうですね。去年はカタクリの花束だったので、今日はスターチスの花束をお願いします』
「スターチスか……。相変わらずロマンチストね」

彩音は手際よくスターチスを紙に包んだ。
鮮やかな紫がよく映える。

「お金はいいわ。私の分まで拝んできてちょうだい」
『いつもありがとうございます』
「……また顔を見せにきてね」

隆は穏やかな笑顔で頷いて、店を後にした。


『……久しぶりだね、愛奈さん』

山川家之墓と刻まれている墓石にスターチスの花束を置いた。

『また彩音店長が綺麗に作ってくれたよ』

それを喜ぶように風が吹く。
紫は愛奈の好きな色だった。よく紫の花柄のワンピースを着て、一緒に出かけたのを覚えている。

『やっぱり愛奈さんには紫が似合いますね』






カタクリの花言葉
「初恋」「寂しさを耐える」

スターチスの花言葉
「変わらぬ心」「途絶えぬ記憶」