コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: あなたの物語。 短編集 ( No.4 )
- 日時: 2017/03/14 14:24
- 名前: アリン (ID: qlQjtvRq)
**.告白取り消し side 愛音里.**
7月 10日 15時21分
好きです。
好きな人に送ったメール。
ただそれだけしか書かれていないシンプルなメールを画面に出したままジッと見ていた。
(メール…まだ来てない………)
何分くらい経っただろうか。自分自身もう1時間は経っていると思いながら、時計を見た。
「15時32分……」
まだ10分くらいしか経っていなかった。
なぜ返信をくれないの、と思いながら、近くにあった大きいクマのぬいぐるみを抱いた。
「……わたしが…もっと気長に待てばいいのかもしれないな………」
メールがきた!メールがきた!
すると突然音が聞こえた。
その音はメールの受信音だった。
(きた!!!)
持っていたクマのぬいぐるみを急いでそばに置いて、メール文を読む。
「……え」
7月 10日 15時35分
告白を取り消して
「…告白を取り…消して………?」
(どうして?わたしが聞きたかったのはYesかNoだったのに…)
「そんなに嫌だったってことなの………?竜……」
今、わたし…失恋しました。
**.この物語は、失恋した少女と世界をかえる戦いをする少年少女たちのリーダーになる前の少年の最近の話である。.**
「おはよー!……って、愛音里!?」
「お、おはよぉ、永海……」
永海(なみ)の前にいたのは、赤く充血した目と目の下をクマにした愛音里だった。
「………どうしよう、わたし……失恋しちゃった…」
「え?!」
愛音里(あんり)の話を聞くと昨日、メールで告白したら『告白を取り消せ』というメールが返信されてきたらしい。
「えっと…それって本当に失恋なのかな…?」
「え…?」
キョトンと顔をした愛音里に永海から思ったことを言ってみた。
「なんていうか、直接な感じじゃないじゃん?『付き合えない』て言ってる感じしないもん」
「…じゃあ、どういうことなのかな…?」
そこは自分で聞きなさい、と永海に言われてしまい、竜が一人になるのを伺っていたのだが…。
(ぜっんぜん一人にならない…)
「もうメールで呼んだら?」
隣で見ていた永海が愛音里のポケットから携帯を取り出す。
「はい。そーしん、と!」
「ちょ、えぇええ!?」
はい、と渡された携帯と永海を交互に見る。
そしてすぐにメールが届いた。
7月 11日 11時10分
昼休み、あの木で待ってる
「竜…」
(今度はちゃんと口から言おう。断られてもわたしの恋は中途半端で終わらせたくないから!)
何かを決意するかのように携帯を握る愛音里の姿を見た永海は、自分は応援することしかできないなと思った。
「愛音里…とびっきり可愛くして行こ!」
「…うん!」
(ありがとう、永海)
昼休み
「よーしっ出来た!」
満足気にメイクも髪型もバッチリにした愛音里に手鏡を渡す。
「わぁー!さすが永海!」
ナチュラルに仕上げられたメイクの自分が少し信じられない。
「……いってくる!!」
座っていた椅子から勢いよく立ち上がり、“あの木”へ急いで行った。
*.**°**.**°
入学式から10日後
「〜♪」
木の上で少年は片耳で曲を聴きながらリズムにのって鼻歌を歌っていた。
「誰かいるの…?」
「え?!」
片耳から聞こえた少女の声にびっくりして少年は体勢を崩してしまった。
「うわあ!!」
「きゃっ」
とっさに頭をかばった少女は目をつぶりながら数秒固まっていた。
「………?」
数秒経っても何も起こらないことに気がついて上の少年を見上げた。
「あっぶねー…」
「だ、大丈夫?!」
「なんとか…」
体勢を整えながら少年は少女にそういった。
「とぉう!」
まるでヒーローが高いところから飛ぶときのように、木から飛び降りた。
「いやーさっきはマジでビビったぁ、で名前なんていうの?」
サラッと人の名前を聞いてくる人だな、と思いながら自分の名前を言う。
「愛音里…美川 愛音里!」
「あんりだな!俺は神江 竜!」
(りゅうか…)
「よろしくな!あんり!」
*.**°**.**°
淡い記憶。
わたしの初恋の始まり。
まだ、あの時は好きだって気づいていなかったな。
「…愛音里」
“ あの木 ”とは、初めて愛音里と竜が出逢ったところ。
「……竜」
まだ少し冷たい風が吹いて愛音里の髪で遊ぶ。
「…告白を取り消してほし」
「いやだ!」
竜の言葉が終わる前に愛音里は叫ぶように言っていた。
「どうしてなの?どうして取り消さなきゃいけないの…?」
「愛音里……」
少しずつ何かが愛音里の中で壊れていくのがわかった。
「愛音里…聞いてほしいことがあるんだ」
竜が愛音里に一歩近づいたのと同時に愛音里は一歩退いた。
「いやだ…」
とっさに耳を塞ぐ。
「愛音里」
「いやだ!!」
「愛音里!」
竜の伸ばされた手が愛音里の手を握った。
目を開けると竜の真剣な目が見える。いつもは見せない真剣な目。
「好きだから…好きって俺が先に言いたかったから!」
「竜…」
「先に言うなよな…普通、男から言うのが先だろ」
「ねえ、竜……わたしも好きだよ!」
「うん」
少年と少女の物語。
そして、少年の新たな試練の物語。
どもアリンですシュー =⊂(⊂ 'ω')
いやー今日は、なんと体調を崩してしまい、学校をお休みしているんですが、この小説はどぉおーしても今日投稿したかったんです(´・ω・`)
ですが、作者はどうにもあっさりと話が終わってしまったと思ったのですが、『短編集なんだからいいじゃないか』という悪魔の囁きに負けてしまい、投稿してしまいました。
お詫び申し上げますm(_ _)m
少年・竜なのですが
今書いている長編の小説の中の主人公なのです。
短編集しかしない、と言っていたのに作者の勝手な思いで、すみません。
題名はまだ未定なのですが、何かいいタイトルが思いついた!っていう人は言ってくださると嬉しいです。
何回かに分けてその設定を話していこうと思いますので、ご協力いただけると嬉しいです。(。-_-。)