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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 今、好きな想い ( No.7 )
- 日時: 2017/01/05 14:17
- 名前: アリン (ID: qlQjtvRq)
*.* 消えなかった想い *.*
『彩音。……おれたち別れよう』
君が突然言い放ったその言葉は一瞬で私の心に大きな穴を開けて行った。
キミにそう言われたのは、ちょうど今日みたいな季節に天気だった。
まだ桜の咲いていない春で少し雲の多かった日。
一年半経った今でも君を忘れられなくて思い出しては泣いてしまう日がある。
── あの頃は楽しかったなぁ。……どこで間違っちゃったんだろう。
「ねぇ、翔太……会いたいよぉ……」
机に飾ってある可愛らしいアンティークの入れ物を手に取る。
フタを開けると、
「誕生日にもらったネックレス。クレンゲームで頑張って取ってくれたぬいぐるみ。渡しあった手紙たち。……全部翔太とのじゃん」
その場で泣き崩れる。
未だに捨てられないこれらはもう翔太に忘れられているかもしれないけど、捨てようとするたびに思い出が蘇ってしまって、それから捨てられないまま残してある。
「どうして……! こんなにまだ好きなの! ……翔太」
そう言うのと同時にベッドの上に放り投げてある電話が鳴った。
見ると知らない電話番号だった。
「誰よー……」
涙を拭きながら、電話を取る。
知らない人ならすぐに切ればいいと思った。
画面の通話ボタンをタップする。
「もしもし」
『もしもし。彩音?』
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