+プロローグ+煙の臭い。赤い空。怒号と叫び声。あちこちから滴る血。見るもの、聞こえるもの、感じるもの、全てが恐ろしかった。どうして生きているのかも不思議なくらいで。もう、死にたかった。でも、生きたかった。そんな矛盾を抱えながら、名の無い少女はひとり、うずくまって嗚咽を漏らしていた。ーー懐かしい記憶。