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Re: 俺達は人生ゲームの敗北者 ( No.9 )
日時: 2016/06/11 13:59
名前: 雪姫 (ID: 5YBzL49o)







番外「魚谷 亮也の外の世界では…」






 同日同時刻 二年二組 教室にて


「ねねっ、昨日の『五十嵐にしあがれ!』見た?」

「見たっ見たっ」

「まっちゃんチョーかっこよかった♪」

「えぇー桜木くんでしょ?」

「いやいや大原クンでしょっ、ここは。リーダーだし」

「相方や三ノ宮もよかったけどね〜」

「「いやっ、なんで呼び捨てにしてんのっ?!!」」

あはははっと女子生徒たち(ジャニ系ファングループ)が机に腰かけ楽そうにしゃべっている。

「やっぱ、まりりんだろっ!いやっソレしかねぇ!!」

「おれ的にはサッピーもアリだと思うんだけどなー」

「っつかさぁー」

「あ?」

「ぶっちゃけ、サッピーって可愛い?」

「「………」」

「いやっっっ、か、カワイイダロ?」

「なんでカタコトになっとんねん」

「うっせバカやろー」

「わっ!?やめろってー」

「やれやれー」

ぎゃははと取っ組み合いじゃれあう男子生徒たち(48人アイドルファングループ)

どの時間軸の世界、国、宇宙でも当たり前に見られる、休憩時間の教室

…に一人の女子生徒が

「ごっめーん、リョウいるー?」

ドアの外からアホ毛を…じゃなくて顔をのぞかせた。

「ん?あ、尾久村さんだ」

「えっ?りんちゃん?「「わーりんちゃんだーヤホー♪」」

「ヤホヤホー♪」

二組にやってきた女子生徒の名はアホ毛…が特徴の尾久村 隣。

「笑顔がよく似合う二年のダントツ可愛い子」とサチ高のちょっとしたアイドル的存在

…な彼女が探しに来た「リョウ」とは?他の生徒たちは皆、会話をやめザワザワとしはじめる。

「でさぁリョウって誰?」

「あぁそっか。あだ名で言ってもわからないよね、ごめんっごめん。テヘ」

「「おおおおっ」」

「見たか今の!?見た見たっ!かわいかったなぁ」と男子生徒たちが一斉にザワめく。

それを見た女子生徒たちは、はぁ〜と大きなため息をつき男子ってほんっっっと馬鹿ばっかと思うのであった。

「えーと、リョウってなんて名前だったけ…」

んーんーと、左右にアホ毛を揺らし、しばらく考えた後、アホ毛がピーンと立ち上がり

「…あ、魚谷 亮也だっ」

「ハ?うおたにりょうやぁ〜?」

今度は聞いた女子生徒は首をかしげる。

「知ってるひとぉ〜」

「「だれ?そんな名前の奴うちのクラスにいたか?さぁ?」」

皆口々に「知らない」といい首をかしげる。

「えぇー、一緒に登校したからいるはずなんだけどなー」

「「(いっしょに登校しただと……)」」

男子生徒たちに殺意の種をまきつつ、隣は仲を見まわしてみる。

「んー……あー!いるじゃん、あそこに♪お〜い、リョウー」

隣は窓側の一番奥の席にいた男子生徒の元へ近寄っていった。

その男子生徒は異様な姿をしていた。

別に服装が変とか、髪型が変とか、そうゆう問題ではなく

頭にフードをかぶり、国語の教科書を立てそれを抱えるようにうつ伏せに顔を伏せているのだ。

彼を初めて見た生徒達は「「だれあいつ?あんんあやついた?いやぁ〜キモイ〜」」と小声でヒソヒソとざわつく。




                           + + +







 同日同時刻 二年五組 教室にて


「奏クンってマジパネェ」

「うんうん」

「いやそんなことないって。俺なんて、まだまだだよ。先輩たちの足元にもおよばない」

茶髪の男子生徒を中心に三人の男子生徒たちが楽しそうに喋っていた。

「ほんと金元君って全然、自分の才能を鼻にかけないよね」

「そこがまた憧れる、尊敬しちゃうっス。ってヤツだよネー」

「か、からかうなよ。そうゆう真田だって前回は、大活躍だったじゃないか」

「オレっちなんてまだまだ、奏クンの足元にもおよびまっシェーン」

「いやそれさっき俺が言ったヤツじゃないか」

「「あはははっ」」

輪の中心の男子生徒の名は金元 奏。

サッカー部にエースで人当たりよく誰に対しても優しい、爽やか系のクラスの人気者。

「あ」

「ンー?どうしちゃった?猫やん」

「次の授業、移動教室だよ。そろそろ移動しないと」

「おっマジだー。奏クン、イクイクッイク〜〜〜」

「わざわざ、いかがわしい言い方すんな」

「イテッ」

「「はははっ」」

「ねぇーかなでくぅん」

巨乳の女子生徒が胸を強調させ、友達と移動しようとしていた奏の腕をつかみ呼び止めた。

「?」

「次の授業の教科書〜、持ってきてる〜?わたしぃ〜忘れちゃった〜」  

「あ、ヤべ。オレっち、持ってくんの忘れたシ」

「僕は持ってきたよ」

「おっさっすが猫やん。見せてっチョ」

「うん、いいよ」

割って入ってきた二人にチッと一回舌打ちをした後

「ねぇーかなでくぅんは〜〜?」

上目づかいでもう一度アタック

「えっ?俺……?」

奏は自分の鞄の中を探してみるが

「あ……」

「どぉしたのぉ」

「……わすれた」

「「えぇーーー!!?」」

その時クラスにいたすべての生徒たちは驚愕した。あの「金元 奏」くんが忘れ物をしただってぇぇぇぇ。



                           + + +





(豚)


いやぁ……今更なのはわかってはいたけどさ、でもさ
みんな主人公のこと知らないってヒドくね?
だってヒロインすらも知らないんだよっ!?ヒドすぎるとね!??ありえなくないっ!?
つーかナニしに来たんだよ、ホントに。あー気になるわー。





キニナルヒトは休憩時間の潰し方 後半戦へGO!