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Re: 恋花火—ひと夏の恋— ( No.8 )
日時: 2016/08/01 18:13
名前: Aika (ID: qVn3SWv8)

Episode7:七夏の決意。





「そういえば…改めて考えるとうちら、5人で出掛けるのってあんまないよね」

青葉が何気なくそう言った。
その言葉に七夏も頷いて答える。

「あっ、確かに。青葉たちはいつも部活で忙しいもんね」
「夏休み中もいっぱい部活入ってんでしょ??」

わたしがそう聞くと青葉は頬を軽くかきながら答えた。

「まぁねー…まぁ、大会もあるし仕方ない。あとさー七夏ー」
「んー??」

青葉がニヤニヤとしながら七夏に聞いた。

「いつになったら、海里に告るのかな??」
「ぶぅっ!!!??」

その言葉に七夏は勢いよく飲んでいたミルクティーを盛大に吹きだした。

「ゲホッ…あっ青葉!??突然何を仰っているのかなぁー。だっ…大体アイツこの前、他の女子に告白されてたしその子とつき合ってんじゃ」
「つき合ってないよ」

青葉の即答にわたしと七夏は目を丸くした。
それに構わず青葉は続けて言う。

「海里が他に好きな人がいるからごめんって…断ったらしいよ」

えっ…海里って
他に好きな人がいるの———??

「嘘…海里、好きな人…いるんだ」

曇りはじめる七夏の表情。
いつも明るい七夏がこんな顔、するなんて———。

よっぽど海里が好きなんだな…。

「そっ…っそれだったら、尚更海里に好きなんて…言えないよ!!好きな人がいるのに…困らせたくない」
「じゃあ…このまま平行線でもいいの??」
「っ…それはっ…」

なっ…なんか、今日の青葉はやけに七夏に厳しい気がする。
どうしちゃったんだろう…。

「たとえ駄目だったとしてもさ…好きって言えば何かが変わるかもしんないよ。海里だって七夏のこと、意識すると思うし。それに二人はお似合いだとも思うし」

青葉———。
青葉の言葉にわたしも小さく頷いて七夏と向き合った。

「わたしも告白、頑張ってほしいな。…きっと七夏なら上手くいくと思うし」

これは素直な気持ちだ。
なんだかんだで海里と七夏は二人でいるとき、楽しそうだし。
絶対両想いだと思う。

だから。





そう思っていると。
七夏が決心したように
力強く口を開いた。











「——ありがとう、二人とも。…あたし、海里に告白してみる」













この時のわたしは。
ただ、 大丈夫だろうって。自信満々にそう感じていて。
海里の方の気持ちなんか、 全く考えていなくって。













最悪の夏祭りになることを
この時は、 1ミリも考えていなかったんだ。