コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: ビスケット便利屋__何でもお申し付け下さいまし!__ ( No.6 )
日時: 2016/07/08 19:27
名前: ミカズキ (ID: StvfWq.v)
参照: http://固定ハン無くしました

それを聞いて、真っ先に琴音が不満をあげた。

「えええ、仕事ぉ!?もういいわよぉ、どうせまた雑用なんでしょ、ざ、つ、よ、う!!」

「雑用?とんでもない!! これはいい仕事よ!」

咲が胸を張って、興奮したようにまくし立てた。

「__写真の個展の、受付係!!
しかも、お駄賃もかなり貰えるわよ!!」

「…え〜…少し怪しくない?その話」

「大丈夫よ! その個展の出展者の人と電話で話したけどね、すごく良い人そうだったし。
まだ売れてない写真家で、きちんとした人を雇う余裕がないんですって。

__でも、私達には充分すぎるくらいの額はくれるわ」

咲は不安げな声を上げた胡桃にそう言った。
そして、手に持っていたメモを僕らに見せる。

そこには、僕らのお小遣い何ヶ月分か、というような金額が書かれていた。
胡桃は、まぁ、と小さく声を漏らす。

「私、やる!受付係でしょ?
ニコニコして立ってれば終わりだもんね?」

「僕もやる。こんな額、なかなか貰えないからね」

早速、胡桃と、ずっと考えてた様子だった秋が食いつく。


__僕はというと、うだうだと迷っていた。

…だって、怪しいじゃないか。
こんな無名の僕達に、受付係なんて普通任せる?
いくらお金が無いにしろ、おかしくないか…?

しかも受付係っていったらそれで個展の印象が決まったりもしちゃうじゃないか!
…その人、ちょっと頭が軽いか、なにか企んでるんじゃないの…?

「…ねぇぇ、太陽はどうする?
私ぃ、写真とか興味無いのよね…」

琴音がつんつんと僕の腕をつつく。
どうやら彼女も決めかねているようだ。

…もっとも、琴音は危ないんじゃないかなんて1ミリも考えてないだろうけど。
仕事がしたくないだけだろう。

「ねぇ、琴音?
安藤さんはね、できれば私たち全員に来て欲しいって言ってたわ。
だから、やりたくないなんて言わないわよね?」

「…はぁい」

……ほらね。
咲が強く言ったらすぐ折れる。

「…で、太陽は?モチロン、NOとなんて言わせないけど」

「……うん…」

まあ僕も、咲に歯向かえやしないけど。

…あーあ、結局咲の思い通りになっちゃうんだから参っちゃうよな。


ああ、僕はみんなで雑用を出来ていれば満足だったのに。
無事に終われば、いいんだけとなぁ…