コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

とある双子の姉と弟は、異世界へ落ちてしまったようです。 ( No.6 )
日時: 2016/07/11 17:14
名前: ももたん ◆hjAE94JkIU (ID: RKif8kSb)

ひぇぇぇぇぇ、こ、怖い!
突然現れた大きな穴に落ちていることはわかる。
けど、落ちている穴の先が!暗すぎて!底がどこなのかわからない!

「ったぁ…!」

ん、下のほうから姉さんの声?
穴の底に着いたのかな。ってことは、僕も落ち——

ドンっ

「いった…!」

…やっぱり。こうなると思ってた。

「あ、レン!大丈夫?ケガしてない?」
「僕は全然。姉さんこそ大丈夫?落ちてどこかぶつけたりとか」
「私も大丈夫よ。それにしても、このお屋敷…すごいわねぇ」
「え…?」

姉さんが見たほうを向くと、そこには大きなお屋敷があった。
それほど古くはないが、新しいというわけではない。
如何にもお嬢様お坊ちゃまが住んでいるようなお屋敷だ。
お屋敷というより、豪邸と言った感じか。

「ねえ、入ってみましょうよ!」
「ええ!?そ、そんな。少し周りを見てから」
「見たわ。でも、ほら。石の壁があってどうしようもないでしょ?進めるのは、このお屋敷だけなのよ」
「う…。わ、分かった。行こう。用心して」
「分かってるわ。…じゃ、開けるわよ…」

姉さんが扉を押すと、ギギィ…という重い音を立てて扉が開く。
そぉっと扉から中をのぞいてみる。誰もいない。

「入る?」
「うん。入らないと進めないんだろ?」
「そうね。じゃ、行きましょ」

入ってすぐには靴箱が。
中には白でそろえられたスリッパがずらりと並んでいる。
スリッパに履き替えて、玄関とロビーの境目の小さな段差を上る。

ロビーのちょうど真ん中の天井には、大きなシャンデリアがあり、キラキラと輝いている。
そして、奥には3手に分かれる階段。
ロビーは、広いだけで特に何もない。じゃあ、階段を上ってみたほうがいいな。

姉さんも同じことを思ったらしく、僕に目配せをして階段を上っていく。僕も、そのあとに続く。