コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re:  不思議な世界に迷い込んだ者  ( No.2 )
日時: 2016/07/16 21:28
名前:  ほのあ  ◆m6TQrJ6eSA (ID: frNsUPKP)

 * 第1話 迷い込んだのは、不思議な異世界。 * 

 「 ……今日も楽しくない1日だったな 」 

 誰に聞こえているのかも分からずに、私は暗い声でつぶやいた。 
 物で散乱した自分の部屋 私の目に映る景色は、ゴミだらけで誰もが汚いと思える部屋が目に見える。 





 _____どうして、こうなっちゃったんだろうね? 



 私の名前は、佐藤 恵美 “めぐみ” って読む人が多いみたいだけど、実は “えみ” って読むんだ。 
 ごく普通…… いや、みんなとはちょっとだけ違う、中学3年生の女子。 どこが普通じゃないって? それは______自分でも、言いたくないよ 考えたくもないよ…… 


  ……だって、 
 学校では私だけがいじめられ、お母さんとお父さんは喧嘩をして出ていってしまい、運悪く喘息持ちだから今も苦しい。 
 そのせいで不登校気味になり、家も貧乏で友達もいない 私は最低のクズ人間だ 子供なのに鬱になり、誰も信じられそうにない。 


 _______あぁ、今思い出すだけでもイラつく。 
 あいつ……!! 自分だけ頭がいいからって、調子のんなよ……!! 私はちゃんと勉強してるんだよ……!!! なのにお前は勉強もしないくせしていい成績ばっかとってさぁ_____!!! 


 ……ごめんね なんか、愚痴っぽくなっちゃった。 
 いつもこう、嫌なことを思い出すだけで煽るようになっちゃうんだよね…… はぁ。 




 でもね…… 私には、2人だけ信じられる人がいるの。 それは誰かって?
 ……それは____





 “おじいちゃん” と “おばあちゃん”。 
 いつでも私を優しく受け入れてくれて、私も心が安らぐんだ。 私がいじめられたのを話すと、ちゃんと話を聞いてくれたり、先生に言ってくれたりするんだ。  
 _______安心する おじいちゃんとおばあちゃんと、一緒にいると…… 


 ……でも、おじいちゃんはもう死んじゃってる 1年前に…… 
 それに、明日にはおばあちゃんも死んじゃうって、病院の人に言われたんだ……

 おばあちゃん、病気なんだって。 
 もうお年寄りだから、寿命が尽きたのかな…… でも、そうしたら私、“1人ぼっち”になっちゃう。 


 「 おじいちゃんに…… 会いたいな…… 」 

 会えないよ、戻ってこないよ…… きっともう一生会えない おばあちゃんにも、今日で最後なんだ。 なのに、私の目からは冷たい涙が止まらない。  
 ぽろぽろと溢れ落ちる涙は、布団の毛布に染みていく_____ 
  下を向いて泣けば、私のボサボサの髪の毛が目に映り、涙が黒髪に付いた。 ……そろそろ寝る時間だったから、ロングヘアだったんだっけ まぁ、普段は黒髪のロングヘアで、時々ポニーテールとかツインテールをするときもあるけれど…… “かわいこぶってんじゃねーよ! っていう理由で、またいじめられると思うから、あまりやっていない。 

 ……おばあちゃん。 
 せめて、おばあちゃんだけでも死なないでよ! 死んだら、私はどこに行くの? 施設に入れられるの? 
 どうせ、施設に行っても私はいじめられるに決まってるよ……!! そんなの、分かってるんだ…… 私が、こんなんじゃ施設に行っても________ 



 ______もう、寝よう。 
 おじいちゃん、おやすみなさい おばあちゃん、さようなら おやすみなさい。 
 もしも、おじいちゃんとおばあちゃんが生まれ変わったら、また私と遊ぼうね……? 


 私はそんな気持ちで毛布の中に入り込み、そのまま眠りについた。 




「……ん?」

 目を覚ますと、いつもの起きると目に見える、貧乏臭い木の天井じゃなかった。  
 それに、寝ているところも、綺麗でふかふかなベッド。  

 ここ…… 私の部屋じゃない 一体どこなの? 起きて部屋を見渡したとき、一瞬にして悟った。 
 そこは青や水色、とカラフルな色を使った部屋が目に映り込み、ゴミで散乱した私の部屋とは大違いの部屋だったからだ。 


 って……!!この部屋、よく見たら男の子の部屋!? 

 そう思うと、突然身体中に鳥肌がたつ だって、私は男の子が苦手だから。 
 理由は、学校で私をいじめているのはほとんどの人が男の子で…… だから、男の子が怖いの。 

 「 どどど、どうしよう…… 」

 思いっきりベッドから飛び起きて、1人であたふたと慌てていると、どこからか ガチャガチャ!! と鍵を使って扉を開く音が耳に入った。 
 もしかして、この家の人なのかな……? 変な人じゃなければ良いんだけど…… 

 「 ただいまー! お母さーん! お腹空いたよー! 」
 「 おぉ、おかえりー! おやつは部屋に置いてあるから、食べてきな! あと、宿題もやりなね! 」 
 「 えー…… 宿題? 分かったよ…… やればいいんでしょ、やれば! 」 

 と、親しく会話を交わす声が聞こえる その会話は、まさに親と子供の会話だった。 きっと、子供が学校から帰ってきたのかな? 
 なんだかなごむなぁ…… って!そんなことより、足音がどんどんこの部屋に近づいて来るんだけど……!? 

 どうやら、帰ってきたのは私くらいの中学3年生くらいの男の子らしい 子供っぽくて、明るい声で分かった 私にも、こうやって明るくて無邪気な頃があったのかな、と自分の比べる。 
 ……ってか、こんな比べてるよりも……!! こんなところにいたら、完璧に不法侵入だと思われちゃうよ! 

 「 よーし! まずはおやつを食べてから…… えぇ? 」 
 「 あっ…… 」  

 ついに、その男の子が扉を開けて入ってきて、私はその男の子に見つかってしまった。 
 男の子怖い! ひいいぃ…… その前に不法侵入で捕まる! どうしよう……!! 

 「 ……えーとですね…… 迷い込んだのかな? 君は 」  
 「 い、いや…… あの…… 気付いたらここのベッドで寝てたと言うか〜なんと言うか…… 」  
 「 じゃあやっぱり迷い込んだんじゃん! 」 

 男の子の言っていることが、意味分からない。 その男の子の髪型は首くらいままでのショートヘアをしており、私とおんなじ中学3年生くらいの男の子。 
 っていうよりも…… 気付いたらこのベッドで寝てたんだよ……!! ほんとに、これ信じてくれないと困る…… 
 それと迷い込んだってなに!? 私、どこも迷ってないのに! 私は迷える子羊ちゃんじゃないからね! 恋してないから!!

 「 迷い込んだって…… どういうこと? 」 
「 ……あぁ! 確かにそれを説明していなかったね! 僕は馬鹿でクソだ! うわああぁぁ! 」  

 と、自分の頭を自分でボカボカと殴っている ……変な人…… 
 でも、なんだか親しみやすい男の子だった 私が想像していた人とは全く違い、とても優しくて純粋な子。 
 中学3年生とは思えないほどアホでおっちょこちょいだった。 

Re:  不思議な世界に迷い込んだ者  ( No.3 )
日時: 2016/08/12 15:31
名前:  ほのあ  ◆WyQmVByYqM (ID: Pc6mtJtj)

 よく状況が整理出来なかったが、この男の子の話を聞くと、どうやらここは現実世界からは遠く離れた異世界だという。 
 今私がここにいるところは、寿命を尽きた人・病気で亡くなった人・優しい人…… 天国って言うのかな? 男の子の話によると、そんなところらしい。 
 名前はハッピータウン なんだか明るい名前で、ファンタジー小説とかに出てきそうな名前。
 
 それと、ファンタジータウンだけじゃなくて、もう1つの異世界があるらしい。 そこも、現実世界とは遠く離れたところ でも、ファンタジータウンそは違い、地獄みたいな場所 ちょっと危ないところなんだって。  
 ファンタジータウンからはそんなに遠くないみたい 名前はミステリータウン。  
 ミステリータウンには、 犯罪・自殺・心が汚れている人…… が住んでいる場所だから、結構嫌味な人たちが住んでいるらしい。  
 
 
 そして私みたいに迷い込んだ人は、 人生が嫌になった人・死にたい人…… が、ここに来てしまうらしい。 
 ……つまり、現実世界が嫌になって、ここに迷い込んだってこと。 私、結局は現実世界から逃げて来ちゃったってこと…… なのかな?
 その迷い込んだ人は、よくこの男の子のところのベッドで寝てるらしい 私もその1人だ。 
  
 これで、なんとなくは説明出来たよね。 
 ……あ…… そういえば、まだこの男の子の名前聞いてない それに、 私のことも言ってなかった。  
 
 「 自己紹介がまだだったけど…… 君はなんて言うの? 」  
 
 私が言おうとしたけれど、偶然にも男の子から先に言ってきた  おぉ……私の思ってる事を先に言う!  そこにしびれる憧れ…… ってこのネタはいいよ!  
 
 「 私の名前は 佐藤 恵美 あなたは? 」   
 「 え、砂糖ッ!? 」  
 「 はぁ!?違うよ! 佐藤だよ! ほら、よく名字にある…… 」 
 
 何この男の子……  まるで、私を笑わせるかのようにわざと言った感じ。 
ふざけるな! って言いたくなる。  
 
 「 ふざけないでよね! もう! 」 
 
 ついつい、心の中の声を口で言ってしまう。 
 心の中の声を言っちゃう病気! ……私もふざけるのやめようか。うん。
  
 でも、私のふざけるな! という言葉は、このあとの男の子の発言でかき消された。
 
 
 
 「 いや…… あの、今はふざけて言ったけどさ、僕も “佐藤” って名字なんだよね 」 
 「 ……えっ!? 」 
 
 
 
 
 えぇ…… マジか……  
 名字が同じって、あんまり珍しくはないけれど、それでも驚く でもさ、佐藤ってよくある名字だと、私は思う…… ……じゃあなぜ驚いたし。 

 「 でも、ほんとなの? 名字が同じって…… 」   
 「 ふぇ〜!? 僕の言葉に偽りはふぁいと思うふぉ〜! 」  
 「 口にドーナツ入れながらしゃべんな! 」  
 
 くちゃくちゃ、と音は立てていないし、口の中のものも見せていない ……だけど、私はなにか嫌なの しかも、喋りも変になってるし。  
 
 
 ……騒いでて男の子の名前聞いてなかった。 
 さっきっから男の子男の子って言ってるから、分かりづらいよね…… これ。
 
 「 聞いてなかったけどさ、あなたの名前はなんていうの? 」 
 「 ……んぐぐ…… ゴクリ…… ん? あぁ、名前ね〜! 」  
 
 ゴクリ、とミニドーナツを飲み込んでから、名前のことを話し出す ミニドーナツの袋を、ポケットの中に入れる こういうのは気にしないのか、ミニドーナツを床に溢している 私だったらちょっと気になるな…… 
 
 「 僕の名前は 佐藤 真逸 ! 恵美ちゃん、よろしくなのだよ〜! 」 
 「 真逸くん、ね! これからよろしく! 」 
 
 名前を聞いた瞬間、私は思った。 
 
 
 真逸君さ、名前はかっこいいのに、性格は子供っぽい! ……と。 
 そう思った時、真逸くんが一言。 
  
「 あっ! 今、僕のこと名前はかっこいいのに性格は子供っぽいって思ったででしょ! 」
 「 っ!? そ、そんなこと思ってないよ! 」  
 
 言われた瞬間、私はビクッ!とした なんせ、思っていたことが完全に一致していたからだ。 
 なに? 真逸くんってエスパーかなにかですか? 
 
 
 なんか、真逸くんと一緒にいると、こっちまでおかしくなっちゃいそう。 
 
 
  
 ___いや、元から私はおかしいか。 
 だって、私は…… どうでもいいいじめで、不登校になりかけてたし…… 

 「 …… 」  
 「 どうしたのだー? 恵美たん! 」  
 「 ……あ、なんでもないです。 」 

 考えごとをしていたせいで、しばらく黙っていたのか話しかけられる ついつい、敬語になる。 
 落ち込むと、誰にでも敬語になるのが私の特徴。  

 っていうか、そんなことよりも! 


 恵美たんとか言うなよおおおぉぉッ!! 
 普通に恵美で良いからあああぁぁッ!! 


「  はぁ……もう、普通に恵美で良いから 私も真逸って呼ぶから 」  

 心の中では騒いでしまったけれど、気を取り直し口を動かして話し出す。 
 
 
 呼び捨てって、年上だったら失礼だけどさ……  
 そっちの方が、 ”友達” っぽいでしょ? 

 「 ……まぁいいけどさ…… ちょっと問題が…… 」 
 「 いいならいいじゃん! 」 
 「 僕、女の子に呼び捨ては馴れていないのだよ〜…… ごめん、ちゃん付けさん付けでいいかー? 」  
 「 そうなの? じゃあ、どっちでもいいよ 」 

 だから自信無しに言ったのかぁ…… 
 ……じゃあ、男の子には呼び捨て祭りってこと!? ……人の勝手だね。