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Re: 『R−18』 ( No.15 )
日時: 2017/09/16 21:15
名前: 彩都 (ID: 1Fvr9aUF)  

「それじゃあ、皐月、次はお前だぁ!」
 椎名の大声を聞き、口にマスクをつけている少年がゆらぁり、とゆっくり現れる。
「……皐月、皐月 朋肥(さつき ともこえ)、宜しく……俺は病弱なんだ、だからあまり外には関わりたくないから、俺と遊びたいなら室内で……」
「お、おぅ……そうか、宜しく皐月君」
「うん、十夜お兄ちゃん」
 皐月はそう言って、右手を前に差し出して、握手の形をする、十夜はそれを受け取り、右手を出して握手する。
「よぉし、それじゃ、次は 水無月姉さんだぁ!」
「えぇ、私かぁい? まぁ、いいけれど……私は水無月 音塚(みなづき おとづか)って言うの、宜しくね十夜君?」
 人ごみの中から巨乳の女性が現れる、そして自分に握手を求める。
「お、おぅ、宜しくな」
「うん……力仕事は任せてね? お姉さん力あるから……」
「へぇ、それは頼もしいぜ、足が骨折している俺にとっては最高の相手だ」
「ウフフ、それは嬉しいわ……お姉さん頑張っちゃうわ!」
 水無月はそう言って朗らかな笑顔をする、すると椎名が説明する。
「水無月姉さんは俺よりも年上のお姉さんなんだ、因みにこの家で五番目の年長者だ」
「へぇ……残り四人が気になるが、まぁ、いいか──水無月、これから宜しくだぜ?」
「うん、宜しく」
「ふむ、それでは『ふーちゃん』だな! ふーちゃん! 出て来い!」
 椎名がそう言うと、身長80cm程度の少女が現れる。
「初めまして、私は文月、文月 吻合(ふみづき ふんごう)と言います、以後お見知り置きを」
「……えっ? 『ふーちゃん』……? こんなこじんまりしたのが?」
 不意に本音を言う十夜、すると十夜の口を塞いで椎名が言う。
「『小さい』、『こじんまり』とか、ふーちゃんの前では禁句だぁ!」
「禁句……? 何でだ?」
 十夜が椎名の話を聞いて不思議がると、椎名の後ろで筋肉質の存在が現れる。
「誰が『こじんまり』ってぇぇぇ!?」
「ふえぇっ!? 何だこれ!?」
「ふーちゃんは体が小さい事がコンプレックスなんだよ! だから体が小さい事を言われると『能力』で体を大きくして、驚かせるんだよ!」
「えっ!? って『能力』……? 何だよそれ?」
 いきなり現れた筋肉質の存在に驚くと椎名が体が大きいのは文月の『能力』の所為だ、と説明する、だが十夜は『能力』の事を知らずに椎名に聞き返す。
「えっ……? こんな年になってるのに『能力』を知らないのか……!? 全く……説明するのも面倒だ……」
 文月はそう言って肉体を元のサイズに戻し、『能力』について説明する。
「『能力』というのは、『神様が私達にくれた特殊な力』の事を言うんだよ、『昔は『能力』を持つ『能力者』ってのが大量に居た』らしいんだけどねぇ……今では千人に一人レベルらしいよ?」
「……へぇ、そういう奴等がいるんだな、初めて知ったぜ……んで文月、アンタはどんな『能力』を持っているんだ?」
 十夜が文月から『能力』の話を聞いて、納得し、文月に『能力』の名前を聞く、『ふむ』と言って、文月は簡単に答える。
「そうだな……簡単に言えば『体を大きくする『能力』』だ」
「……へぇ、それだけなのか?」
 十夜がそう言うと、椎名が十夜の頭を叩く。
「馬鹿じゃねぇの!? 『能力』は一人につき一つなんだよ! 『能力』ってのは便利な反面、肉体に負担が掛かる! だから二つ『能力』を持っている人は早死にしやすいんだよ! この『R−18』にも『能力』を二つ持つ者が居たらしいが……その人達は長くても十歳で死んだらしいぜ?」
 椎名の話を受けて、へぇ、と思う十夜、そして十夜は文月に言う。
「……椎名の話は本当か?」
「まぁね」
「ふぅん……」
「おや? 反応が薄いね、誰も彼も『能力』の事を聞いたら驚くのに」
「別に? だって複数持ちの存在が死ぬんだぜ? 一つだけだったら生きる事が出来るのに……何だか可哀想に思ってね」
「……君の感性は面白いね」
「ん? そうか……それじゃあ椎名、次の相手を」
「ん? あぁ、忘れてたぜ、それじゃあ葉月だな!」
「えっ? 僕ですかぁ? 仕方無いなぁ……僕は葉月 新田奈(はづき あらたな)と申します、ふーちゃんと違って『能力』は持っていないです」
「へぇ、そうなのか……本当に『能力』って限られた存在にしか持っていないんだな」
「アハハ……まぁね、でも昔のニホンでは『カセット』という物を使用して、『能力』を使えない人でも『能力』を使えるように出来る機械が開発されていたって話は聞いた事があるね、でも何故か世間に発表する事は無かった、多分資金難とかかな?」
「へぇ、それじゃあ『全世界の人間を『能力者』にする』って事も出来たかもしれないのに……資金難とかだったら悲しいな」
 葉月の話を聞いて成程な、と思う十夜、そして椎名に言う。
「お前だったらどんな『能力』がいい? 椎名」
「えっ? 俺か? 俺なら……『モノを透かせる『能力』』かな?」
「へぇ、それはどうして?」
「だってその『能力』を使用すれば『服の中が透ける』んだぜ!? 金持っている奴を『能力』で発見して、カツアゲ出来るじゃねぇか!」
「…………聞いた俺が馬鹿だったぜ、今の話は忘れろ」
「えっ? 何でだよぉ? おい、十夜ってばぁ?」
 椎名の話を聞いて呆れる十夜、そして十夜は次の自己紹介を待つ──