コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 『R−18』 ( No.17 )
- 日時: 2017/11/18 21:47
- 名前: 彩都 (ID: hxRY1n6u)
「……はぁ」
十夜は静かに溜息を吐いて、自身の足の事を考える、白樺椛との戦いで負傷した自身の脚、折れてしまうとか考えていなかったので、驚愕ものだった。
「…………」
早く骨折治らないかなぁ? と、思っていると、隣に原理が座って、話しかけてくる。
「脚、気になるの?」
「……まぁ、一応は」
「へぇ……『誰に折られた』の?」
「!?」
原理の発言に十夜は驚愕してしまう、ど、どういう事だ……? まさか原理は自分の骨折を『誰がしたか』分かるのだろうか? 十夜はそう思いながらカマをかける。
「へぇ……原理さん、どうして『誰に折られた』の? なんて聞くんです? もしかして俺の足の骨折の理由、知っていたりするのかな?」
「さぁ? どうかしらねぇ?」
カマをかけたが、原理には通用しなかったようだ、十夜は仕方なく、言葉を続ける。
「まぁ、西の地区長、椛白樺にやられたんです」
十夜がそう言った瞬間、原理は驚愕しながら目を見開いて、十夜を見続ける、そして冷や汗を掻きながら原理は十夜に言う。
「えっ? 待って? 十夜君の脚を『あの地区長』が折った? そして『生きていた』……!? これは凄い情報ね……」
「何処が凄い情報か? 俺はボコボコにされましたよ──それでも『勝てなかった』、やっぱり年上には勝てねぇのかなぁ?」
「そんな事は無いわよ! 白樺の奴に目をつけられた存在は大体が暗殺されているわ、だから貴方が『今此処で生きている』事こそ、珍しい事象なのよ!? 胸を張りなさいよ!」
「果たしてそれはどうでしょうねぇ? 椛白樺は……強い、俺の手でも勝てなかった存在だ、そう簡単に胸は張れません、『椛白樺に勝って、胸を張る事が出来る』と思うんです、だから一日でも早くこの脚を治さなければなりません」
十夜はそう言って、折れた脚を上に上げる、足を上げると、少しだけ刺激が走り、足が痛くなった。
「もう、無茶しないで?」
「でも、無茶しないと……俺の脚は治らないと思うんです、だから少しでも折れた脚でも歩ける様にしないと……」
「バカ? 折れた脚よ? 歩く度に尋常じゃない痛みが走って、歩く事なんて不可能よ?」
「でしょうね、でも、俺はその『不可能』さえ、打ち砕かなきゃならないんです、だって、俺の夢の一つに『不可能を可能にする』っていう夢があるので……」
十夜の話を聞いて、『そんな夢が……』と思う原理、原理は十夜に『夢の続き』を聞く事にした。
「ねぇ、十夜君? 出来ればで良いんだけど、『不可能を可能にする』夢の後、何か夢はあるの?」
「ん? あぁ、ありますよ、その夢は……」
原理の発言に十夜は一拍置いてから言う。
「この『R−18』をぶち壊す事です、こんな巫山戯たもん、自分がぶち壊す、だから……この夢を自分は叶えないと、色々な子達が両親に会えないと思うんです、両親だってそうです、『18年間も息子娘に会えない』だなんて、巫山戯ている、だから俺が壊さないと……!」
「でも、逆にDV──家庭内暴力の事よ──の被害は減った、と聞くけど……?」
「…………」
原理の発言に十夜は黙ってしまう、確かにそれは……だけれど、十夜はそう思い、言葉を紡ぐ。
「でも、そんなの、『両親が悪い』じゃないですか? 『そんな事』をする両親が、ね……」
「まぁ、確かにそれは有り得るわね、でもどうするの? DVの被害を最小限に抑えなければならないし?」
「それはその時ですよ、今考えても無駄です、何故なら今の俺の頭は小学生ですし……何より、『そんな事を考える脳が無い』です、だからその問題は何時か解決しないといけないですね」
十夜はそう言って、松葉杖を使って、ゆっくりと立ち上がり、原理に言う。
「それじゃあちょっとトイレに行ってきます」
「えぇ、トイレの場所分かる?」
「え、えぇ、一応は、ね……」
どうせ、男性女性のマークに『トイレット』とか、書いているだろ? と、十夜は思い、家の中へと入り、トイレを探す──
「ウフフ、アキナちゃん、手が器用ねぇ? これじゃあ私達の料理方法がパクられちゃう?」
「アハハ、そうねぇ……」
「えへへ……そこ迄褒められると、嬉しいなぁ……」
アキナは二人の準地区長にそう言われ、少し照れる、そんな三人の女子達をロバートは見つめていた。
此処でいい所を見せてケッコンするんだ、此処で少年少女達が好きってアピールをする事で、ケッコンするんだ、二人の準地区長はそんな事を思いながらアキナと共に餃子の皮を包み込む。
そんな場面を十夜は確認し、四人の許に向かう。
「あれっ? アキナ、何をしているんだ?」
「んっ? あっ、お兄ちゃんだ、今は餃子を作っているんだよ、この二人って凄いんだよ! 餃子の皮を一から作っているんだ!」
アキナの発言を受けて、十夜は『へぇ』と思う。
「成程、餃子ねぇ……と言う事はそれが今日の晩御飯?」
「えぇ、そうですよ十夜君」
「そうね」
二人の準地区長の返答を聞いて、十夜は少し喜ぶ、餃子はパリパリの皮が美味しいんだよなぁ、と思う、するとロバートが十夜に言う。
「それで? 『君はどうして此処に来た』んだい十夜君?」
「えっ? あぁ、トイレに向かおうと思って……そしたら、アキナの姿が見えたので……」
「成程、妹の姿を見に来た、と言う事だな?」
「いえ、血は繋がっていませんが」
「あれま、そうだったのか」
ロバートはそう言って、十夜に続けて言う。
「ふむ、トイレに向かおうと思っていた、か……よし、この家のトイレを案内しよう」
ロバートは立ち上がって、十夜の腕を引っ張って、案内する──そして十夜はトイレに辿り着き、やっと用を足す事が出来る、ほっ、何とかトイレに辿り着いた、トイレを探す為に東奔西走していたなんて、誰にも言えない……やっぱり原理さんに案内されときゃ良かった……十夜はそんな事を思いながらトイレの中で溜息を吐く──