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Re: 『R−18』 ( No.19 )
日時: 2018/01/13 21:24
名前: 彩都 (ID: eldbtQ7Y)  

 原理さんにそう言われ、十夜はビクビクしながら時は過ぎ、時間は夜になった。
 今日の昼も歓迎パーティを行ったのに、またも歓迎パーティとは……何回歓迎パーティをすれば気が済むのだろうか? と静かに思いながら十夜の目の前には色々な料理が置かれている、そして十夜の対面には原理さんがいた。
「…………」
「…………」
 得も言われぬ原理さんの雰囲気に十夜は気圧されていた、そしてロバートさんが大声で言う。
「さぁ、今日は十夜君とアキナちゃんの歓迎パーティだ! 皆して楽しもう! それでは、かんぱぁい!!」
 ロバートさんの言葉に十夜の周りのメンバーは『かんぱぁい!』と叫ぶ、う、うーん、こういうノリはあまり好きではないが……こう言う時にはノっておかないとなぁ……と思い、十夜も『かんぱぁい!』と叫ぶ。
 アキナも当然『かんぱぁい!』と叫んで、目の前の料理を食べ始めた。
 アキナがご飯を食べているのを確認し、十夜も目の前の料理に手をつけた、うん、美味い、十夜はそう思いながら目の前の料理にむしゃぶりついた──

 そして十夜は目一杯料理を平らげた、こんなに美味しい料理があったなんて……十夜はそんな事、一つも考えなかった。
「美味しかったぁ……」
 十夜がそう言うと、ロバートさんが言う。
「アッハッハッ、確かにそうだねぇ、だってアキナちゃんが料理を手伝ったからね! そりゃ十夜君の好みの味だろうさ!」
「た、確かにそうともいえますね……」
 十夜はそう言って、ロバートに頷く、するとアキナが言う。
「そ、そうかなぁ……照れるなぁ」
 顔を赤らめ、頭を掻くアキナにロバートはアキナに抱きついた。
「うーん! 感動する! 同じ『家族』の十夜君の為に……! 素晴らしい『家族愛』だな!」
「あ、アハハ……」
 ロバートの行動にアキナは静かに笑うしかない……すると、原理が立ち上がって、手を挙げてアキナに言う。
「ねーねー、アキナちゃんって、何処の国の生まれなの? ニホンにしては、顔が整っているようだけど……? もしかしてロバートと同じハーフかもしれないわね?」
 原理の発言にアキナは顎に手を当てて考える、そしてアキナが言う。
「……どうだろう? 私、生まれも育ちも分からないからなぁ」
「成程、それじゃあ、こっちにおいで? 人間の人種の本を読ませるから、案内してあげるわ」
「人間の人種……? 何それ?」
 アキナが原理の言葉に反応すると、原理が静かに説明する。
「そうねぇ……この世界には色々な人間が居るのよ、肌が黒い『黒人』という存在、肌が白い『白人』という存在、肌が黄色い『黄色人種』──因みにロバートは白人と黄色人種のハーフよ──アキナちゃんは一体どんな種類なのかしらねぇ……?」
 そう言う原理に対し、アキナが言う。
「わ、私は多分黄色人種だと思うなぁ、だって周りの皆と肌が同じだしさぁ……?」
「あら? 実はハーフでしたーっていう話かもしれないわ? とりあえず、ついてきて?」
 得も言われぬオーラを出しながら話す原理にアキナは根負けして、渋々ついて行く──原理は一体私に何を言いたいのか? アキナは静かな思いで原理について行く──

 そして原理についていくと、原理は外に出始めた、まだこの自宅の内部を知らないアキナは『外に本があるのか』と判断していた、なので、アキナも靴を履いて、外に出た。
 そして小さな広場に原理は立ち止まった、アキナも静かに立ち止まった、そして、原理はアキナに言う。
「…………不思議ね」
「……? 何が?」
 アキナがそう言うと、原理がとんでもない事を言った。
「『だって、意識だけの大人がこの小さな体の中にある』と言う事が」
「!?」
 原理のまさかの発言にアキナは静かに身構えた、続けてアキナが言う。
「……アンタ、私の過去を知っているのか?」
「さぁ? どうでしょうねぇ? 貴女ももっと、素を出してよ? 生憎此処は『私と君以外いない』んだからさ?」
「……あぁ、分かった」
 原理の発言にアキナは静かに素の自分へと戻す、こんなクソガキの姿で素の自分がバレたのは初めてだ、アキナはそう思いながらその場で溜息を吐く。
「……はぁ、んで、『何時私の正体に気が付いた』んだ?」
「……そうね、『ついさっき』よ、『貴女から不思議なオーラを感じた』からねぇ?」
「……へぇ、成程、それで? 私の情報を十夜君にバラすとかするのかい? もしくは脅しか?」
 そう言うアキナに原理は静かに口の端を歪ませる。
「ウフフ……違うわよ、『お互い、協力しましょう』って話よ、『同じ『能力者』同士』で……」
 そう言って、原理は両手を広げる──そんな中、十夜は松葉杖を使用し、一人でアキナの背後に近付いていた。
 一体どんな話をするのか? 少々気になったからだ、そしてアキナと原理が外に出たのを確認し、扉の近くで背中を預けた。
「…………不思議ね」
「……? 何が?」
『不思議』? 原理さんは一体何を言っているのだろう? と十夜は思う、すると原理はとんでもない事を言った。
「『だって、意識だけの大人がこの小さな体の中にある』と言う事が」
「!?」
 原理のまさかの発言に十夜は意味が分からなかった、『意識だけの大人がこの小さな体の中にある』……? それはどう言う事だろう? 『意識だけが急成長した』と言う事なのだろうか……? 十夜はそう思いながらアキナと原理の会話を聞き続ける──アキナは一体何を隠しているのか? 十夜には分からない──