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Re: 『R−18』 ( No.20 )
日時: 2018/02/17 22:48
名前: 彩都 (ID: ???)  

 い、一体何が起きている、と言うんだアキナの体では……十夜はそんな事を思いながら、松葉杖を持ち、耳を傾ける、するとあまりにも無理な姿勢をしていた為、十夜は横に倒れてしまう。
「うわっと」
 そう言って、十夜は倒れ、原理、アキナに正体を知られてしまう。
「あらら、鼠が一匹紛れ込んでいたようね」
「なっ……!? 十夜……!?」
 焦るアキナに対し、静かに言葉を発す原理、そして十夜が口を開いた。
「あいたたた……お、おい、どういう事なんだよアキナぁ? お前……『能力者』なのか……?」
「…………」
 無言で返答するアキナに対し、十夜はアキナを見つめ続ける事しか出来なかった、そして、アキナが静かに言葉を発す。
「……あぁ、そうだよ、それがどうかしたの? 幻滅した? こんなクソ小さい体に『大人の意識』があるって?」
「幻滅? 何で幻滅しないといけないんだ? 俺はお前に幻滅するポイントなんか無いぞ?」
「は、はぁ? あ、アンタ、自分で何を言っているか、分かっているのか?」
「分かっているも何も、『アキナ、お前が『能力者』かどうかは俺にとってどうでも良いんだ』よ、それを俺に言っていないから怒ろうとしているんだ、だってお前は『俺の妹』なんだから、そう言う秘密を言ってくれれば協力出来たのに……」
 そう言う十夜に対し、少し焦るアキナ、コイツ、頭大丈夫か? と、思いながら、冷や汗を拭う。
「お前……」
「ハッ! これが兄である俺の行動だ、それに対し、妹のお前はどんな返答をするか? どんな行動をするか?」
 十夜はそう言って、腕を組んで、仁王立ちで発言する、そんな十夜に対し、妹であるアキナは静かに腕を組んで、考える。
 ……果たして今の十夜を信用しても良いのだろうか? い、いや、信用出来ないって訳じゃないんだが、何と言うか……『その場で思い付いた嘘を発言している』ような感覚に私は陥っている……うぅむ、適当にこっちも返答するか……アキナはそう考えて、十夜に返答する。
「うん、有難う十夜お兄ちゃん」
「おっ? そうかそうか、そう言う返答かぁ、俺は嬉しいぜ」
 十夜はそう言って、アキナを抱き締める、アキナは『何で抱きつくんだ?』と少し呆れる、すると原理が静かに発言する。
「えー、お取り込み中申し訳無いけれど、私とアキナちゃんの会話が終わっていないわ、だから十夜君は離れて?」
「えっ? あっ、はい……分かりました……」
 十夜は原理の発言を受けて、抱き締めるのを中止し、アキナから離れる、アキナは『やっと離れたか……』と思いながら、原理を見つめる。
「それで? 協力の件はどうなったかしら?」
 そう言う原理に対し、アキナは静かに返答する。
「…………お断りします」
「なっ!?」
「だって、私には何のメリットも起きないし? じゃあ、アンタと協力して私に何のメリットが生まれる?」
「そ、それは……じょ、情報の共有よ! 貴方の過去を知る存在を私は見つけれるかもしれないし! もしくは貴方宛に色々な本や物を送り付けて、自身の過去を調べ上げる事が可能だし!」
「そんなんどうでもいいんですよ、私は……私が知りたいのは『どんな人間だったか、どんな能力だったか』ってだけです、私の過去はある程度覚えている──朧気ですが──だから、『過去を知る気は無い』ですよ、私は」
 そう返答するアキナに対し、静かに歯軋りを行う原理、そして原理は静かに二人に言う。
「そう、ね……分かったわ、それじゃあ、これ以上アキナちゃんに首を突っ込むのは止めておくわ」
「あぁ、その方が嬉しいですね」
 アキナはそう言って、頭を下げる、するち原理が返答する。
「こちらこそゴメンなさい? まるで押し付けるように言って」
「いえ、良いんですよ、話は終了したので」
「あら? 本当にそれでいいの? まぁ、良いけれど……それじゃあ、解散しましょうか?」
「えぇ、そうですね」
 原理とアキナの会話は少し話し合った後、お互い背を向いて、別れる。
 そしてアキナは十夜に肩を貸しながら、家の中へと進入する。
「はい、これでお話は終了だよ? さぁ、今日はもう時間も遅いし、さっさと寝ようか、お兄ちゃん?」
「あ、あぁ……」
 十夜は未だに信じられなかった、『こんな小さい体に大人の時の記憶がある』だなんて……十夜は静かに介護されながら溜息を一つ、吐いた──

 そして十夜達は主役だが、『眠い』と言う事で、先に寝かせてもらう事にした、アキナと十夜は隣同士で布団が敷かれている。
「さぁ、寝ようか……」
「うん、そうだね……」
 十夜はそう言って、布団にダイブするように寝転がって、『ふぅ……』と息を漏らした、今日は色々な事があったなぁ、結構色々な事があった、本当、『忘れられない』日になりそうだ、十夜はそんな事を思いながら布団の中に潜り込んで、隣に寝るアキナに言う。
「それじゃあ、アキナ、お休み」
「あっ、うん、お休み……」
 まさか私のもう一つの記憶の事を言われるかと思った……アキナはそう思いながら、内心ドキドキしていた。
 こうして、ロバートの家に滞在して、一日目が終了した、二日目以降は一体どうなるのか、十夜とアキナには分からない──