コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 『R−18』 ( No.22 )
- 日時: 2018/04/14 21:57
- 名前: 彩都 (ID: HBvApUx3)
「……さて、それじゃあ」
原理はそう言って、静かに立ち上がり、十夜に言う。
「それじゃあ、私は家の中に入るけど……二人共入る?」
「あっ、入ります、朝の運動も終わったし」
「へぇ、お兄ちゃんそんな事をしていたんだ、まぁ、私も入るけどね?」
「そう、それじゃあ、アキナちゃんは十夜君の支えを」
「はい」
原理の発言を受けて、アキナは十夜の左手に肩を掴ませ、一緒に歩く、そして家の中へと入る。
「ふぅ……中々に暇ね、朝過ぎるからかしら?」
「それもあるけれど……そもそも皆、いや、この家の面々はこんな朝早くから行動していないだけじゃね?」
「……それもそうね、それにしてもユキタニの家って早起きなのね」
「えへへ、ユキタニの場合、『早起きは三文の得』を信じているからね? 皆早起きさ」
「へぇ……中々に面白いわね、ユキタニは……」
原理はそう言って、静かに飲み物を飲む、そして十夜に言う。
「……そういえば十夜君、貴方の苗字って、どんな苗字かしら?」
「えっ? あぁ、俺の名前は日下部、日曜にの日に、下腹部の下、そして部屋の部で、『くさかべ』って読むんだ」
「……中々に難読ね、私の師走もそうなんだけど……」
「…………」
二人の会話を聞いていて、一般的な名前であるアキナは少し無言になった、すると原理が無言状態のアキナに発言する。
「そういえばアキナちゃんの苗字はどんな感じ?」
「えっ!? わ、私ですか!? 私は……朝倉、朝食の朝に、倉庫の倉で、『あさくら』です……」
「……一般的ね」
「そうだよなぁ」
「煩い! 一般的じゃないアンタ等に言われたかねぇよ! ってか、普通、『田中』とか、『朝倉』、『佐藤』、『斎藤』とかが普通なんだよ!? 普通じゃないアンタ達に言われたかねぇ!」
「一般的じゃないって!? 流石に師走は知らんが、俺は普通だと自負している! 日下部は簡単に書けるから覚えやすいだろ!?」
「私も覚えやすいわよ!? 十二月の師走って覚えれば!」
「じゃあ、私も覚えやすいよな!? ってか、お兄ちゃんの場合、初見で読めない!」
「うぐっ! た、確かにそうかもしれないけれど、逆に師走の方もだろう!? 師走って、ニホンの昔の暦だしぃ!師匠で師を『し』で読める可能性はあるが、『走』を『わす』って読めないでしょう!?」
「いや、読めない可能性もあるけれど、『日下部』よりかはマシよ!? そもそも『日下部』って、『日』が『くさ』って読めないし! 『下部』で『かべ』とは読めるけど!」
「何だと……!? じゃあ、『師走』、『朝倉』、『日下部』の内、『日下部』が読みにくいだと……!?」
驚愕する十夜、そして十夜はもう一つの事を思い出し、原理にぶつける。
「だ、だけど! 娘の名前に『原理』ってつける奴は可笑しいだろ!? 俺やアキナは簡単だ! だけど、娘に『原理』はない!」
「あら? それはどうかしら? ニホンでは『キラキラネーム』っていう、他との個性をつける為に奇妙奇天烈な名を付ける風習が残っている、『原理』って名前にすると、『唯一の名前』っぽく感じるから、両親がつけたかもしれないわよ! ってか、逆にアキナちゃんはどうなのよ!? アキナ、私はどんな漢字か知らないわよ!?」
そう言う原理、するととばっちりを受けたアキナが驚愕する。
「えぇっ!? 私に飛び地!? いや、飛び火!? 何で!? 何で私!? ……仕方無いなぁ、私の名前は、『安芸菜』、安い、芸の、菜っ葉の菜で『安芸菜』だよ」
「…………」
「…………」
十夜と原理はアキナの漢字を聞いて無言状態になる、無言状態なので、アキナが怒鳴る。
「おい!? 何で黙る!? 安芸ってのは、昔のニホンの知名だぞ!? カッコいいだろ!?」
「いや、流石にそれは無いな、まず、昔の地名をつける両親が凄い」
「だよねぇ、原理や十夜より怖い」
「うぉい!? お前達!?」
原理と十夜、二人の発言に驚くアキナ、そして原理、十夜が言う。
「ていうか、ずっと、アキナアキナって聞いていたから、春夏秋冬の秋に、大きいに示すの奈を思っていた」
「私は明るいに菜っ葉の菜で『明菜』と思っていたわ」
「うぉい!? 特にお兄ちゃんにはアキナって名前を覚えて欲しいよ!? 何年貴方の隣にいると思っているの!? 三年以上だぞ!?」
「いや、それもそうなんだが……口頭だけだから、案外漢字って忘れやすいんだなぁ……」
「だよなぁ」
「えぇっ……二人共、それは酷いよ! 流石に……人の名前を差別するなぁ!」
アキナが原理、十夜の二人に向かって、大声で叫ぶ、すると原理、十夜、アキナの前に、ロバートを取り合う二人の女性と椎名が現れて、女性二人がハリセンで原理の頭、アキナの頭を、椎名が十夜の頭にハリセンを当てて怒鳴る。
「お前等うるせぇ!」
「眠いんだから大声で起こすな!」
「睡眠妨害!」
「あだぁっ!?」
「いてぇ!?」
「ひぎぃ!?」
原理、十夜、アキナの三人は頭を叩かれて、その場で悲鳴を上げる──そして原理、十夜、アキナの三人の頭を叩いた女性二人、椎名の三人は『ふぅ、やれやれだ……』と呟いて、ハリセンを床に落とし、三者共、寝床がある場所へと戻って行く──