コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 『R−18』 ( No.23 )
- 日時: 2018/05/19 22:20
- 名前: 彩都 (ID: sFi8OMZI)
「何だい何だい? って、三人共、どうしたの?」
走って駆けて来たロバートが言う、そしてロバートは冷や汗を流しながら、十夜、アキナ、原理の三人に言う。
「お前を狙う女二人」
「と」
「椎名にやられた」
「あっ……うん、あの子達と、椎名君かぁ……確かにあの三人、低血圧だからなぁ……」
ロバートはそう言って、頭を掻いて、首を傾げる、そして三人を寝転んだ姿から、直角に座らせて、発言する。
「まぁ、三人の気に障った事でもしたんだろう? こちらから謝っておくよ、でも、原理君は毎度の事だから許されるかどうかは分からないけれどね?」
「えぇっ……」
「マジかよ……」
十夜とアキナはそう言って、横目で原理を見る、すると原理は舌を出して、『てへっ!』と、言う。
「……原理君は反省の色なしかぁ」
「ありますあります! 反省していまぁす!」
「はぁ……君と言う奴は……」
ロバートは頭を抱え、静かに呆れる、そしてロバートは立ち上がって、三人に言う。
「あー、後、もうすぐ朝ご飯だから? 早く来た方がいいよ?」
「あっ! そうなのか!? 有難う、ロバートさん!」
「サンキューです! ロバートさん!」
「…………」
ロバートの発言に対して、十夜、アキナが返答する、『元気だなぁ』と、少し半笑いのロバート、そんな中、原理だけが無言だった──
「……、どう、しよう、かな、……」
霜月 海棠(しもつき かいどう)は玄関前の十夜、原理、アキナを見て、その場で立ち続ける、すると十夜が霜月を見て、反応した。
「あっ、霜月さんじゃないか」
「ひゃう!? って、私、の、名前、を、覚えて、くれた、の!?」
名を呼ばれ、驚く霜月、そんな霜月に対し、十夜が言う。
「んー? そりゃそうだろ? だって、こんなに可愛いのに、忘れる訳無いだろぉ?」
そう言う十夜に対し、顔を赤らめる霜月。
「そ、そんな……可愛い、だなん、て……と、十夜、君? そ、そう言う、のは、隣、の、アキナちゃん、や、原理、さんに、言うべき、だと、思う、んだ……」
「えっ? どうして? 可愛い人には可愛いって言わなきゃダメじゃん? そうやって、自分を卑下しなくても良いんだよ、霜月さん? アンタにはアンタなりの『可愛い』ってのがあるんだよ、だから、そうやって、引っ込まずに前に出ようぜ?」
「……、十夜、君は、優しいんだね……、こんな、何も、出来ない、私に対して、優しく、言葉を、投げかけてくれる……、まるでロバート、さんの、ようだ……」
「そ、そうかぁ? 俺は俺で、普通の事を言った気がするんだけどなぁ? だって、人には、千差万別の種類があるんだからさぁ? 俺は俺で、アンタを『可愛い』って思ったから、『可愛い』って言葉を発しただけだぜ? 俺はあんまり霜月さんと仲良くないから分からないけれど、霜月さんと付き合っていると、『可愛い』以外の言葉も見つかるかもな?」
「……え、えへへ……、何だか、照れる、なぁ……」
もっと顔を赤らめる霜月に対し、十夜が『そうか! 照れるって事は良い事だぞ!』と、十夜が言う。
「は、はぇっ? ど、どうして、照れる、って事は、良い事、なの?」
「んー? だって、可愛い人がもっと可愛くなる、カッコいい人が可愛く見える、どんだけ凄い人でも、『可愛い』は見つかる! そういうもんなんだよ! 『可愛い』ってのは!」
十夜はそう言って、親指を立てる、『可愛い』、ねぇ……霜月はそう思いながら、にやり、と笑って、『うん!』と、元気に言う。
「有難う、十夜、君……!」
霜月は十夜に近づいて、十夜の頭を撫でる、十夜は、少し照れ臭そうに、『なっ、何なんですかぁ!? 恥ずかしいです!』と、発言する、そして霜月は『この子、こういう所、可愛いなぁ?』と、思った──
「…………」
珍しい組み合わせだ、否、初めて見る組み合わせだ、水無月 音塚(みなづき おとづか)は、そう思いながら、霜月の背後で十夜と霜月を見る、そして目を下にやると、頭を押さえる椎名と原理の姿が。
よくよく見ると、十夜の頭にも少しだけ膨らみがあった……何だ、男の子特有の膨らみじゃないのか、水無月はそう思いながら、『何してんのぉ?』と、二人に言う。
「んー? あっ、水無月さんだ」
「えっ? あっ、水無月、お早う?」
「えぇ、貴方の姉の水無月よ? 霜月、お早う?」
元気に挨拶する水無月に対し、霜月が問う。
「で、どうし、たの? こんな、朝、早く、から?」
「んー? ただ単純に目覚めただけよ、ただ、ね?」
「へぇ……」
「それで? 貴方達は何の会話をしているの?」
首を傾げる水無月に対し、十夜が言う。
「『可愛い』の話」
「……はぁ? か、可愛い……? け、結局どんな話なのよ……?」
水無月がそう言うと、霜月が言う。
「た、単純に、言えば、『どんな、人でも、可愛い!』って話」
「…………うーん、良く分からないわね? 理解力が少なくてゴメンなさい?」
「いや、良いんだよ、私が、説明、したから……」
そう言って、頭を垂らす霜月、水無月は『アンタの所為じゃないわよ……』と、助け舟を出して、『それじゃあ、私は朝ご飯だから』と、言って、十夜、霜月の前から離れる──あぁ、そうだ、ロバートさんが朝ご飯の事を言っていたなぁ、と、十夜は静かに思い出して、自分もじきに行くかぁ、と、考える──