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Re: 『R−18』 ( No.27 )
日時: 2018/09/15 22:12
名前: 彩都 (ID: ???)  

「うぅむ……もう、朝か……?」
 睦月はそう言って、目を指で擦る、そんな睦月に対し、メアリーが『あぁ』と、返答する。
「ほう……つまり、もう朝ご飯、と?」
「そうだぜ?」
『そう』
 睦月の発言に十夜、長月が返答する。
「へぇ……じゃあ、もう食べようか」
 睦月がそう言うと、ロバートが『待て』と、発言する。
「葉月が来ていない」
「えっ? 葉月ちゃんが? 珍しい、何時も早起きして、外の掃除をしているのに? ……って、そういえば、『今日はまだ見ていない』わ……ねぇ、アキナちゃん、十夜君?」
「えっ? ……そう、そうだな……確かに見ていないや」
「そう、だね……?」
 急に話を降られた二人は戸惑って言葉を濁す、いや、知らねぇよ? 十夜はそう思いながら返答していた。
「だよねぇ……じゃあ、何処に行ったのかしら……?」
 原理が首を傾げ、『ふぅむ……』と、悩んでいると、玄関から『うわっ!? 何だこれ!?』と、卯月の声が聞こえた。
「ど、どうしたんだ?」
 十夜がそう言って立ち上がる、するとロバートが『十夜君は座ってて? 私が確認する』と、言って、玄関へと向かう。
 い、一体どうしたんだろう? 十夜はそう思いながら、椅子に座る、すると、『何だこれは!?』と、ロバートも叫んだ。
「……アキナ、確認しにいこう」
「えっ? で、でもお兄ちゃん、足は……」
「関係ない」
 十夜は息を飲み込んで立ち上がり、松葉杖で玄関へと向かう、その後ろ姿をアキナは静かに見続ける。
 すると、二階の階段から降りてきた、目を擦る椎名と出会う。
「んー? 君はアキナちゃんじゃないか? どうしたんだ? アイツは?」
「アイツ?」
「あぁ、十夜の事だ」
「あぁ、お兄ちゃんなら、玄関に」
「玄関? 玄関に行くって、どういう事だ? よし、太陽の日を浴びる序でに向かうか」
 椎名はそう言って、首を鳴らした後、玄関へと向かう、アキナも仕方無いなぁ、と、思いながら、玄関へと向かった──

「畜生! あの『西』め! 今度は私達か!」
「…………」
「どうしたんですか? 西?」
 卯月、ロバートがポストに投函された紙を確認する、そんな二人に近付く十夜、するとロバートが『全くだ』と、溜息を吐いていた。
「前に君の足を折った存在、西の地区長が葉月を誘拐したってさ? やれやれ? 『西』のやる事は逐一理解出来ない? もしかして『R−18統一』を行おうとしているのか? だが、それは無理だ、ニホンの戦国時代を確認して欲しい、『どれだけの血を、人が死んだ』か? つまりはそう言う事だ、『R−18内でも死人が出る可能性が有る』と言う事だ、だからこの島を統一する事は不可能だ」
「西……」
 十夜はロバートの台詞を聞いて、自身の足を確認する、自分の足を折った存在、椛 白樺、そいつはあまりにも強く、あまりにも、強者だった、勝てない、否、『勝つ事が出来ない人間』の一人だった。
 見た目はほぼ同一の感じなのに……腹が立つ、とても、とても……! 十夜はそう思いながら、『ロバートさん、紙を、貸して下さい』と、発言する。
「えっ? あ、あぁ、いいよ?」
 ロバートはそう言って、十夜に紙を渡す。
『ロバートへ
葉月 新田奈を誘拐した、返して欲しければ、西の地区長率いる『統一軍の社』に来い。
来なかったら、葉月 新田奈の命は無い
『R−18』統一軍より』
 紙にはこう書かれていた、その文を読んで、十夜は紙を思いっきり地面に叩きつけて、叫ぶ。
「巫山戯るなよ! お前等ぁ!! なぁにが、『R−18』統一軍だよ!? 統一!? 巫山戯るなよ! 出来っ子ねぇだろ!? ……ロバートさん!」
 鬼気迫る顔でロバートを見るが、ロバートの顔は雲行きが怪しくなるだけだった。
「…………」
「行きましょう! 此処に! ご丁寧に裏に地図も書かれてらぁ! だから、葉月を取り返そう!!」
 叫ぶ十夜だが、ロバートは『無理だ』と、端的に言う。
「どうして!?」
「そうやって、無闇矢鱈と突撃して、君が死んだらどうする? いや、発言を変えようか? 『敵の数が分からないのに、突撃するバカがいる』か? 今は相手の状況が分からない、だから、偵察軍をこっちは作らなければならない、だが、『此処に投函した』って事は『此処のメンバーの顔は割れている』に等しいだろう? だから、十夜君の家のメンバーを、偵察に使えるメンバーを呼んで、偵察にしてくれないか? 相手の方に十夜君の家のメンバーの顔が割れているとは限らないからね?」
「…………確かに」
 ロバートの発言を受けて、祐介は静かに頷く、そして十夜は背後から走ってくるアキナに言う。
「アキナ、一緒に家に戻ろう、そして、偵察軍を作ろう!」
「えっ? どういう事?」
「簡単だよ? こっちの顔は割れているから、俺達以外のメンバーで偵察軍を作って、相手の偵察をするんだ、それがロバートさんの話だ」
「……成程、じゃあ、『私が行く』よ、お兄ちゃんは満身創痍、おまけに体が軽いのは私、偵察してて、相手に見付かっても、逃げるのは、容易でしょう?」
「で、でも!?」
「お兄ちゃん? 少しは人に頼れよ?」
「!」
 アキナは急にもう一つの人格を使用し、十夜を圧倒させる。
 うぅむ……仕方無い、今のアキナにとって、正論を言っている、だからアキナに行かせるか、でも、一人は心配だしなぁ? 十夜がそう思っていると、ロバートが『一人では危険だ、椎名、一緒についてくれないか?』と、発言する。
「えっ!? 俺!? ……まぁ、いいけれど? じゃあ、偵察する場所は何処だ?」
「此処だ」
 十夜はそう言って、椎名に地面に投げた紙を渡す。
「裏だ」
「ほぉーん? 成程ねぇ? ……へぇ、文はこうか、『葉月さんを誘拐した、返して欲しかったら、『統一軍の社』に来い』ってか……しゃぁねぇなぁ? 行こうぜ? アキナちゃん?」
「成程、お兄ちゃんの説明が少なかったから、困ったよ」
「うぐっ……」
「よし、それではロバートさん、行ってきます」
「あぁ、危険だと思ったら、途中で逃げてくれ、いいな?」
「はい」
 椎名はそう言って、頭を下げた後、一人で走って『統一軍の社』へと向かう、アキナも後からついていく──椎名、アキナの二人は『統一軍の社』に滞在するメンバーを知る事が出来るだろうか? それはまだ分からない──