コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 『R−18』 ( No.29 )
- 日時: 2018/11/17 23:42
- 名前: 彩都 (ID: 5TWPLANd)
椎名、アキナの両名は周防 佐々(すおう さざ)の邪魔が入ったが、先に進んでいた、進むは『統一軍の社』、そこのみだ。
そんな『統一軍の社』に向かっている途中、二人は森の中に侵入していた、そう、『進入』ではなく、『侵入』だ。
「……緑色の葉っぱばっかでつまらん」
そんな事を言う椎名に対し、アキナは『知るかばか』と、思いながら、椎名より少し後方に離れて歩いていた、つまり椎名は囮だ、アキナにとって、『能力者が現れた場合、真っ先に椎名を見た方が良い』という判断である。
だが、歩いても、走っても、『森林は抜けるどころか、段々と深く感じてきた』、……多分光の影響だろう、少し光が遮られてるから、そう思うだけ、アキナはそんな事を思いながら、唾を飲み込むと、『んっ?』と、素っ頓狂な声を出す椎名、一体どうしたのだろう?アキナはそう思いながら椎名に聞いた。
「ど、どうしたの?」
そう言うアキナに対し、椎名が『いや……俺達、『迷って』ね?』と、少し驚いた表情で言った、迷った? そんな筈は無いだろう? だって、『迷っているのなら、こんなに暗くなり続けるなんて、有り得ない』だろう、アキナはそう思いながら、『そうかなぁ?』と、少し不思議そうに言う。
「そ、それじゃあ、足跡でも、気に跡でも作る? そうしたら迷っていないのが分かるよ?」
そう言うアキナ、すると椎名は『成程、そういう判断が出来るか』と、呟いて、ズボンの中から、人差し指サイズレベルの果物ナイフを取り出し、気に『バーカ』と、削る。
「……椎名お兄ちゃんってさぁ? 馬鹿なの?」
アキナが不思議そうに言うと、椎名は『違うわ!』と、叫ぶ。
「馬鹿なのはこの森だ! 何なんだよ!? 迷うような森にしやがって! もっと見通しの良い森にしろってんだ!」
椎名はぷんぷん怒りながら、先に進む、そんな椎名に対し、『ガキだな?』と、呆れるアキナ。
そして二人は更に奥へと進んだ──と、椎名は『えっ!?』と、驚いたような声を出す、一体何なんだ? そう思い、『どうしたのー?』と、言うと、『あ、アキナちゃん? 見てくれよ……』と、木を指差す。
すると木に『バーカ』と、書かれていた、その文字を見て、『迷ってる!? いや、同じ道を歩いている!?』と、判断するアキナ、すると『気付くの遅いなお前等ぁ!?』と、驚かれたような声が上からする、続けて、『せやなぁ! せやなぁ!』と、関西弁口調の女の声が聞こえた。
「よっと? よぉ、初めまして? ワイの名前は久上、好尚 久上(こうしょう くじょう)、『迷路を作る能力』や、アンタ等はワイ等を倒すか、殺すかしないと、迷路を脱出出来へんでぇ?」
「そうやでぇ? アンタ等は私達の『森林迷宮劇場(シアター・フォレスト・ラビリンス)』から脱出出来へんでぇ!!」
そう言って、椎名とアキナの前に二人の男女が現れた、アキナは『能力者が二人……!?』と、身構える、だが、よくよく考えて、『何だ、『迷路を作る能力』なんだよなぁ? だったら、対処は簡単だ』と、思うが、椎名の発言を聞いて、アキナは衝撃を受ける。
「おい! そこの女も能力者なのかよ!?」
「せやで? 私は『植物を生長させる能力』や、この二つを使用して、私達の『森林迷宮劇場(シアター・フォレスト・ラビリンス)』は完成する! この『森林迷宮劇場(シアター・フォレスト・ラビリンス)』は、『脱出不可能の迷宮』なんや! 久上兄貴と、私のコンビは最強やでぇ!」
「なっ!? 『植物を生長させる能力』だって!?」
アキナはその発言を聞いて、『だから奥に進む度に光が少なくなっているんだ! 『生長している』から、木々が生い茂って、光が少なくなっているんだ!』と、判断する。
「くそっ……兄貴だって? 兄妹の能力者かよ……!?」
椎名はそう言って、額の汗を拭う、アキナは二人を見て、『くそっ、無能力者椎名を背負って、私は戦わなくては鳴らないのか!?』と、思いながら、息を荒くする、歩いて体力を消費したってのに、此処で私の頭脳戦を行わなければならないなんて……! 苦行かよ!? どんな苦行だよ!? アキナはそう思いながら、『椎名お兄ちゃん? どうする?』と、問う。
「……どうしよう? とりあえず、男は俺が倒す、女の方はアキナちゃんに任せたいけど、アキナちゃんのサイズだと、勝てる可能性は少ない……」
椎名はそう呟いて、久上に指差して、『てめぇ!』と、叫ぶ。
「木から降りて来いよ? 俺がお前を倒す!」
「ほう? 中々に威勢が良い男やな? えぇで? 降りたるわ」
椎名の発言を受け、久上は仕方なく降りようとする、だが、『久上はターザンの様に降りて、椎名の顔面を両足でぶつける』、まさかの出来事に『ぶっ!?』と、大声を出し、久上はそのまま手を離し、地に足を着ける、だが、椎名は左半身を地につけていたが。
「て、てめぇ……!」
横目で睨む椎名だが、久上は椎名の頭を踏みつけて、『降りてやったぞ都会もんが?』と、邪悪な笑みを作る久上、『コイツ!?』、アキナは久上を見て、激怒する、仕方無い、椎名お兄ちゃんが気絶する迄、待つしかない……そして気絶した後、コイツを倒せば良い、アキナはそう考えて、唇を噛んで、椎名、久上を見つめる事しか出来なかった──椎名は久上に頭を踏まれ、『ぐあぁぁぁ……』と、苦しみの声を出していた──