コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 『R−18』 ( No.8 )
- 日時: 2017/02/18 20:29
- 名前: 彩都 (ID: LdHPPNYW)
「何で止めるんだよ!? 自分は正しい事をした迄だ!」
西の地区長と呼ばれた少女が去った後、胡坐を掻きながら十夜は怒る、何故そんな行動をしたのか? 怒鳴りながら言う十夜に対し、ユキタニが静かに言う。
「アイツ等には反抗しない方が良いんだ、西の奴等には反抗するな、私はそう言いたいんだ、だから理解してくれ、十夜……」
「出来ないね、ユキタニは『家族』! だから『家族』が作った弁当を踏み躙ったんだ、これは俺が怒らないといけない事だ!」
ユキタニの言葉を切って言う十夜、そんな十夜に対しユキタニは十夜の顔面を平手打ちした、ユキタニの表情は十夜からは隠れていたが、号泣していた。
「黙れ! 西の奴等には戦ってはダメなんだ! これだけは理解してくれ十夜!」
「理解出来ない! だって『家族』を貶されたんだぞ!? これが平気でいられるか! これが平気でいられるようならソイツは『家族』失格だ! ユキタニだって分かってんだろ!? 本当は心の中で相当腹が立っている! ユキタニの代わりに行くだけだ! これは俺の意思! 俺の気持ちなんだ!」
十夜はそう言って立ち上がり、桜崖から移動する、ユキタニは『待て! 待つんだ十夜! 人の話を聞け!』と叫ぶ、だがユキタニは動こうとはしなかった、それもその筈、『ユキタニ地区の『家族』がユキタニの体の動きを止めている』からだ、身動きが取れないユキタニは叫ぶしかない、そしてユキタニ地区の『家族』は十夜の気持ちに賛同したのだった。
自分達では力が弱い、だから十夜に全て任せる、十夜なら僕達家族の『怒り』を西の地区長と呼ばれた少女にぶつけてくれる! 『家族』はそう思いながら十夜を見つめるばかりだ──
「ふむ、桜崖もガキばっかで零落(おちぶ)れたな……」
そう呟きながら西の地区長と呼ばれた少女は北に向かっていた、だが後ろから謎の唸り声が聞こえたので静かに振り向くと其処には石槍を持った十夜が現れた、西の地区長と呼ばれた少女は心の中で笑いながら戦闘態勢を取る。
「フフフ……アハハハハハ! 全く、傑作だなぁ! 弁当を貶されただけで私に歯向かうとは……中々面白い者よ!」
十夜は石槍を西の地区長と呼ばれた少女に石槍を投げる、だが石槍は細いので、案外簡単に避ける事が可能だった。
「おいおい、何ていう軟弱な攻撃だ?」
「うるせぇ! てめぇは俺を、『家族』を貶した! だから俺はキレる!」
十夜はジャンプして飛び蹴りを西の地区長と呼ばれた少女に当てようとした、だが西の地区長と呼ばれた少女は十夜の足を掴んで、地面に叩きつけ、足4の字固めをする、そして西の地区長と呼ばれた少女は思いっきり足で十夜の股間を突いた。
「お゛ぇ゛っ!?」
あまりの痛みで十夜は気絶しそうだったが、自分の右手の親指を地面に叩きつけた、『痛みには痛みで解決する』、股間の痛みよりも親指が砕ける痛みの方が強かった、なので股間の痛み等すぐに忘れた、そして十夜は起き上がって西の地区長と呼ばれた少女の腹部に自分の拳をぶつける、西の地区長と呼ばれた少女は『うぐうっ!』と呻いて足4の字固めを解除してしまう、十夜はその隙を見つけて、急いで自分の足を後方に下げる。
「ハァハァ、中々だな、お前……」
息を切らしながら言う十夜に対し西の地区長と呼ばれた少女は少し怒りを見せながら叫ぶ。
「てめぇ……ガキの癖に良くやるなぁ、驚いたよ」
「そりゃどうも──ていうか俺、アンタの名前知らねぇんだけど? 教えてはくれないか?」
「ん? 私の名前か? 確かに名乗っていなかったな、私の名前は『椛 白樺(もみじ しらかば)』だ、覚えておけ」
西の地区長と呼ばれた少女基椛白樺は十夜に名を名乗る、そんな椛に対し、十夜も名を名乗る。
「俺の名前は十夜 日下部だ、日曜日の日に上下の下、一部の部で、日下部だ、珍しい苗字だろう?」
十夜がそう言うと椛は鼻で笑う。
「別に? 白樺って名前も珍しいがな」
「それはそうだな、俺は初めて聞いた苗字だしな」
「私もだよ、日下部……二人共珍しい苗字だなぁ──さて、名も名乗った事だ、さっさと戦いを開始しようか? 私の中の闘争本能が暴走しそうだ」
「生憎それは俺もだよ──俺はお前を倒す、白樺ぁ!」
「それは私もだ! 日下部ぇ!」
二人はそう言ってもう一度ぶつかった、十夜は左手で椛の顔面を狙う、だが椛は右手で十夜の左の拳と相打ちさせる、椛の拳が強かったのか、十夜の指は少し罅がいってしまう、次に椛は回し蹴りを十夜に当てようとした、だが十夜はジャンプして椛の足に乗る、十夜は急いで両足で椛の顔面を蹴る、十夜の蹴りはクリーンヒットし、椛は鼻血を出しながら少し後退する。
十夜は右手の親指を壊した代償で汗を大量に掻いていた、急いで倒して指を治療しなければいや指が変な方向に治ってしまう、そう思いながら短期決戦を考えていた、だが椛は違う、自分で親指を折った事に対し、股間も攻撃している、両方の痛みが彼を襲っているのだ、このまま長期決戦すれば先に倒れてしまうのは奴の方だ、椛はそう考えながら、十夜との間合いを取る。
この戦い、どちらが勝つかは二人には分からない──