コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 『R−18』 ( No.9 )
- 日時: 2017/03/18 16:20
- 名前: 彩都 (ID: ???)
急いで勝たなければ……十夜はそう思いながら椛に対し、走って飛び蹴りを食らわせようとした、だが椛は十夜の蹴った足を握り、膝と肘を使用し、足を挟んで骨折させる。
「!?」
骨折させられ、驚く十夜、それよりも折られた部分が大変だった、その部分は脛(すね)──所謂『弁慶の泣き所』──だった、脛を折られて、相当でかい痛みが足から脳に伝わる。
「うっ……がぁぁぁ……!!」
あまりの痛みにその場で呻いてしまう十夜、何とか勝ったな、と思い、椛は十夜に近付いて、頭を足で踏もうとし、片足を上げる、すると十夜は椛の上げていない片足を薙ぎ払い、椛はその場で倒れてしまう、十夜は急いで起き上がって、椛の膀胱の部分を肘で攻撃する、すると膀胱が押し出されて、椛の下着は尿で濡れて、その場で少し漏らしてしまっている雰囲気にも見えた。
「こんの……クソガキがぁ! よくも私の下着を濡らす様な一撃をぉぉぉ!!」
「うっせぇ! 俺は『家族』全員の気持ちを背負っている、こんな柔な攻撃だけで済まねぇよ!」
十夜は叫ぶ椛にそう言うと、十夜は何とか椛の体に座り、馬乗りになる、十夜は椛の顔面を何度も何度も殴る、マウントポジションを取られ、椛は両腕で防御するしかない。
「謝れ! 謝れ! 謝れ! 謝れぇぇぇ!」
十夜はそう言いながら殴る、だが椛は両腕で防御する、早く顔面を殴りたかったが、まずは両腕を壊さないと意味が無い、十夜はそう思いながら何度も何度も両腕を攻撃する。
「はぁはぁ……くっそぉ……」
十夜は息を漏らしながら、拳を打つのを止める、もう体力が気持ちより追いつかないからだ、もっと攻撃がしたいのに……体力や筋肉が動いてくれない……十夜はそう思いながらその場で後ろ向きに倒れる。
「な、何とか助かった……」
椛はそう言って起き上がって、十夜の腹部を何度も何度も蹴っては蹴ってを繰り返して十夜に向かって言う。
「中々強かったな、もしもお前と次、戦う時があるのなら、私は負けているかも知れんな」
椛はそう言って、十夜の顔面をサッカーボールの様に思いっきり蹴った──
「…………」
無言のまま鼻血を出す十夜、負けた……負けてしまった、『家族』の思いが背中に乗っている、というのに……! 何で!? 何で負けたんだよ!? 十夜はそう思いながら左腕で涙を拭う──
「泣いていても強くはなれないよなぁ……もっと、もっと強くならなきゃ……もっと……!」
十夜はそう思いながら立ち上がろうとするが立ち上がれない、えっ? 何で立ち上がれないんだ? そう思いながら上半身を起こすと、自分の足が折れている事に気付いた、あっ、戦って足の痛み以外分からなかった、折れているから、馬乗りだったのか、と判断して、少し顔から血の気が引いていく。
これ、どうやって『帰る』んだ……? 十夜はそう思いながら必死に焦る、まずこんな所、誰も通らないし、『家族』だって追いかけて居ないだろう、だから、此処を通るのは……『今の所、誰もいない』のだ……どうする!? どうすれば良い!? 上半身を駆使し、何とか移動するか? いや、それをした所で、『家族』の居る場所迄何時間、いや、何日経つか分からない、まさか此処で野垂れ死に……? いや、流石にそれは厭だ! 流石に生きたい! アイツを倒す迄死にたくねぇ! 十夜はそう思いながらゆっくりと動く、だがあまり前にも後ろにも進まない、すると急に聞き慣れた声が聞こえた。
「お兄ちゃん、大丈夫?」
その言葉を聞いて、十夜は驚いた、その声はアキナだった、何でこんな所にアキナが……? 十夜がそう思いながら背後から聞こえたアキナを見つめる、すると十夜を担いで、急速に移動するアキナ。
「ちょちょちょ!? 早い! 早過ぎるって! アキナ、低速で、低速でぇ!」
十夜が情けない声を出す、だがアキナはそんな話を聞きもしない。
「お兄ちゃん、少し黙って、黙らないと治療しないよ?」
「はい……」
流石に治療されないのは困るので、黙る事にした、それにしても偶然アキナが居て助かったな、と思いながら心の底から安堵して、息を漏らす──
「あー、助かった」
十夜はそう言って、ユキタニに骨折した足の治療を受ける、十夜が帰ってきた後、拳骨を貰ったのはいう迄もない。
「本当に壮絶な戦いだったんだな、肉体の傷がそれを良く語っているよ」
ユキタニはそう言って十夜の背中を叩く、あまりの痛みに『ぐぇっ』と呻き声を出す十夜だが、何とか家に帰ってきて、内心安心していた。
中々大変な戦いだった、十夜はそう思いながら『もっと、もっと強くなる』事を思いながら十夜は寝室に向かう。
「やっと寝れる……多分今日は相当熟睡だろうなぁ、熟睡し過ぎて朝食を忘れたくは無いけれど……」
十夜はそう呟きながら布団を体にかけて、目を閉じる──十夜はすやすやと寝ている、そんな姿を見て、ユキタニはにやりと笑って微笑む。
「何とも気持ち良い寝姿だ……それにしても十夜を追跡して助かったよ、骨折位しそうだったし、十夜なら」
ユキタニはそう言ってアキナに言う、そんなアキナは少し笑いながらユキタニに言う。
「フフフ、まぁ、お兄ちゃんなら、命を懸けて迄戦う、と思っていたからね、これ位普通だよ、それじゃあ私も寝る事にするよ、ユキタニも早く寝たら? 肌が荒れるよ?」
アキナがそう言うとユキタニが頭を掻いて呟く。
「ハハッ、アンタも言うねぇ、何処でそんな言葉覚えたさ?」
ユキタニがそう言うと、アキナは簡単に答える。
「ん? 何処で覚えたって? そんなの簡単さ、『ニホン』だよ」
アキナはそう言って、布団の中に潜る、ユキタニは溜息を吐きながら一人ごちる。
「はぁ……『ニホン』、か……アンタ、何で『18歳以上しか存在しない『ニホン』』の言葉を出したんだい? まぁ、今はそれを探っても意味が無いか、さて、私もちゃんと寝ないとねぇ」
ユキタニはそう呟いてから、布団の中へと潜る、アキナの『ニホン』発言にユキタニは少しもやもやしながら睡魔に襲われる──