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- Re: 恋する乙女。 【短編集 リクエスト募集中】 ( No.11 )
- 日時: 2016/07/22 17:48
- 名前: ももたん ◆hjAE94JkIU (ID: ze9J8nGv)
*12年ぶりに奇跡の再会*
これは、俺が5歳の時の記憶。
「引っ越しても、絶対にゆーくんのこと忘れないから!」
「僕だってしずちゃんのこと忘れないよ!」
そういって、ついに引っ越してしまった幼馴染。
確か名前は…静香だったかな。
分かれて1年くらいは手紙を書いたりしていたけど、それもいつの間にか途絶えていた。
もうきっと会うことのない幼馴染。
「っ…やったぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
高校2年の俺は、今日やっと「年齢=彼女いない歴」から解放された!
放課後に校舎裏に呼び出されて、「まさか、この流れは…!」なんて思ったけど、本当に告白されるなんてなぁ…。
今さっき、彼女を家まで送って帰ってきた。
ふ…親に会わせたらなんていうかな…喜ぶかな…。
なんてったって、美人だからな…!
「ごめんな…急に」
「いいよいいよ。私もご両親に挨拶はしたかったし」
昨日、両親が帰ってきてから彼女ができたことを報告すると、「会いたい!」とすごい勢いで言われたため、彼女にそのことを伝えたら、まさかの「いいよ!明日の学校帰り?」という返事。
で、親もその気になってしまったから、本当に今からうちに向かう。
「まるで結婚のあいさつじゃねぇか…」とか浮かれる気持ちを抑えて、玄関のドアを開ける。
「ただいまー。彼女連れてきたよ」
「あら、お帰り悠。あら、美人な彼女さんねぇ…。初めまして」
「あっ、初めまして。岡野静香です」
彼女が名前を名乗ったとき、母が言葉は発さなかったが、反応した。
「岡野…静香ちゃん?」
「あっ、はい。そうですけど…」
と、母の顔がほんのりピンク色に染まる。
「やだぁ!ちょっと悠、静香ちゃんと付き合うんだったら言ってくれたらよかったのに!」
「えっ、ちょ、は?何言ってんの」
俺の母は何を言ってるんだ…。
目で彼女に「ごめん」と送る。
「何言ってんの、じゃないでしょう。静香ちゃんって、5歳の時引っ越しちゃったお隣さんじゃない!あんなに仲良しだったのに、忘れちゃったの?」
「…っあ!」
俺より先に、彼女が思い出した。
「そっか、ゆーくん!なんか見覚えあるなって、なんか聞いた覚えあるなって思ってたんだ!」
「…そ、その呼び方…。思い出した、しずちゃん!?」
と、そのとき父がやってきた。
「お前ら、玄関前で何を…。って、静香ちゃんじゃないか!大きくなったなぁ、何年ぶりだ?じゅう…に、くらいか」
12年ぶりに奇跡の再会。
これは、君と僕の人生最大の奇跡。
END