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Re: *あの日見た夢は* ( No.18 )
日時: 2016/07/28 16:21
名前: 陽 (ID: QYM4d7FG)

第6話:出会い


朝6時30分。

今日はいつもより少し早い。
さっさと用意しよう・・・いやその前に、熱測らないと。


__ピピピ、ピピピ。


36.6度。平熱だ。
今日は学校に行ける。


いつにも増してぼさぼさになった髪の毛をとく。
2つに結び、カバンを持った。


ドアを開ける。すると目の前を、ものすごいスピードで走って行った千奈の姿があった。

「え?千奈?」

千奈は走るのが速い。
50m7秒25とか言ってた。対して私は8秒49。
どうやったらこんなに差が開くんだろう・・・。って!


そんなことを考えてる場合じゃない・・・!
私も走る。

千奈はもう見えない。


でもあの夢は下校中だった。
さすがに登校中にコンビニに行くことはないだろう。

なら、小走りで学校に行くか。


早足で学校に向かった。




校門を抜け、校舎に入った。

1年2組の教室。
玄関からすごく近い。


___ガララッ。

扉をスライドし、教室を見る。



_千奈がいない。

教室には、高瀬、帆花、楓、それに泉 咲穂(いずみ さきほ)ちゃんがいた。


「楓」

「ん?ああ空おはよ」

「あぁ、おはよう・・・」

「どうかしたのか?」


楓は少し男口調。

「あ、いやー・・・千奈は?来てる?」

「来てたけど」

「え、じゃあどこ?」

「委員会行った、3年生の教室だろ」

「そ、っか・・・ごめんありがと」

「ん」


びっくりした。ああ良かった。
帆花と楓とで話そっと。


「帆花も楓もいつも早いね」

「でも今日は空も早かったな」

「今日は珍しく早く起きたんだよ〜」


「帆花は何時に来てたんだ?」

「あたしは6時60分」

「7時か」

「違うよ〜、6時60分だって」


いや7時じゃん。


「私は6時75分だ」


楓も気に入ってる____!!

「さすが楓ちゃんはあたしの理解者だね〜」

「ちょっと乗ってあげただけ」


乗ってあげる楓優しい。
文句言いながらも楓は優しい。




__帆花は水泳選手だ。

本名は「桐川 涼乃」(きりかわ すずの)。

佐野帆花と名乗ると追っかけられるらしい。
実際病院で「佐野様ー佐野帆花様ー?」と呼ばれると、その部屋の全員が立ち上がった、らしい。

すぐさま診察室に駆け込み、何とか無事に帰ったそうだ・・・大変だな。





時計を見た。7時50分。
もうそろそろみんな来るだろう。


__ガララッ。

その扉を開けたのは、千奈だった。
真っ先に高瀬が反応した。


「雨宮おはよ」

「うん?高瀬くんおはよう」

「雨宮今日早いな」

「でしょー」


千奈はそんなに男子と話さない。高瀬のことは何とも思っていないらしい。

高瀬の一方的な片思いだ。残念。でも面白いな。




__高瀬と千奈は、4月の入学式の日に出会った。


出席番号での席替え。今年異常にあ行とか行が少なかった。

私の出席番号は1番。千奈は2番、高瀬は8番だった。




_______________

千奈と私は小学校から友達だ。

千奈は私の後ろの席だったので、喋っていた。


プリントが配布される。

そのまま休憩時間になった。


高瀬は横の子と喋っていた。初対面っぽいけど仲良さそう。

その時、高瀬のプリントが飛んだ。
横の子と喋っている高瀬は気づかない。

なぜかめちゃくちゃ反射神経が良い千奈が、すぐさま取った。
そして私に話しかけてくる。

「何か話しづらいね・・・」

「本当だね、気づかないのかな」

「うん・・・どうしよ」

「机にこっそり置くとか」

「また飛んじゃいそう」

「よし・・・私頑張る」


千奈は立ち、高瀬に話しかけた。
机に小さい名前シールが貼ってあるので名前はわかった。


「あの・・・高瀬、くん」

「ん?」

誰、と千奈を見る。
でもそんなことは千奈には分からないみたいだ。

「これ、プリント飛んできたよ」

「え?あ、取ってくれたのか、サンキューな」

「いえいえ」

千奈はよく、知らない男子と話せるもんだな。
普通に会話して戻ってきた。

「あー緊張した」

「よく知らない男子と話せるね」

「そうかな?何か優しそうな人だった」


この頃から多分高瀬は、千奈のことが気になっていたはずだ。





_____私と千奈の出会いは_____









*続く

ここまで読んでくださり有り難うございました。

続きは今日夜か明日に書きます。


この物語が終わったら、違うの書こうかなーと考えております。