コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 華龍学園の平凡な日常 ( No.12 )
日時: 2016/07/29 13:54
名前: 花子 ◆jNtKvKMX4g (ID: XL6hbgia)

第2章、吾輩は猫である 1

吾輩は猫である、名前はまだない。
なんでも暗いところでにゃあにゃあ鳴いていたのだけは覚えている。

まぁとにかく猫だ。

あ、JK。仕方がない、戯れてやるか。
スペシャルなサービスだ、受け取れ(ドヤァ)

「猫だっ!可愛い!」
「でも野良でしょ。汚いよ」
「うちお母さん猫アレルギーだ」
「寄生虫とかいたら気持ち悪いよぉ」

………まぁ猫の見方には賛否両論ある。
これは致し方ない。
野良猫というのは打たれ強いもので、ここら辺は特に傷付かない。

……と、1人の女子高生がフイに挙動不審になった。?どうしたんだ?

「あっ!あそこにドーナツ屋さんっ!?」
「えっ!うそっ!?行こっ!!」
「わー!やっとだぁ」
「あっみんなまぁってぇ〜」

………これは傷つく。
打たれ強いからと言って、傷付かないと思ったら大違いだ。吾輩の思いとしては………

最後に挨拶ぐらいしてからドーナツ屋行けやゴラァ!というかまずそもそも吾輩よりドーナツ屋でどういう基準やねん我傷ついとるんじゃおい!

こんな具合に傷付く。

………とにかく吾輩は猫である。

Re: 華龍学園の平凡な日常 ( No.13 )
日時: 2016/07/29 13:56
名前: 花子 ◆jNtKvKMX4g (ID: XL6hbgia)

また2人のJKが吾輩に近づいてきた。1人は小柄ながらもものすごい美少女だ。例えるならプリンセス……。

仕方がない、戯れてやろう。

「でね、咲ちゃん……その俺様キャラがぁ」
「ごめん、ナノ。その話聞いたんじゃなくて私は現実世界のこと聞いたつもりだったんだけど」
「まぁ良いじゃん?で、その俺様がぁ」
「どれだけ俺様キャラの攻略に手こずってんのよ」
「だってどれだけプレイしてもendが回収できずにゲームオーバーになっちゃうんだもん!」
「ヤンデレ君への熱はどうした」
「攻略したら冷めちゃった☆」
「………ナノ、お前そろそろ現実に目を向けろよ。学園一可愛い顔って言われてんだから」
「………じゃあ咲ちゃんが私のお婿さんになってよ!」
「私は女子なので無理です」
「そんな正論で返さなくてもぉ〜」

小柄な方が肩を落として大袈裟に悄げくれた。昔人間の本で読んだことがある。

傷ついた時に声をかけると惚れやすいんだとか。

………今でしょ。

「ニャァ〜んニャァ〜ん」

Re: 華龍学園のgdgdな日常 ( No.14 )
日時: 2016/07/29 18:24
名前: 花子 ◆jNtKvKMX4g (ID: XL6hbgia)

「ニャァ〜んニャァ〜ん」
「でさ、俺様キャラの話に戻るんだけど!」
「聞いてないってば。それと私、俺様よりクール眼鏡の方がタイプなんだよね」
「咲ちゃん!?クール眼鏡は1番攻略しやすいキャラだったのに!?」
「知らないよその情報」
「ちなみに毎回難しいのはおネェなんだよねぇ。オネェはどれだけやっても破産endになるんだよねぇ」
「それはやり方が悪いだろ。というかオネェって攻略できんのかよ」
「乙女ゲーならではの特権ですよ!」
「………おい」

クールな方が冷ややかな視線を送り、送られた本人はそれに気づいていないようで明後日の方向を見て頷きまくっていた。

というか吾輩のこと完璧にスルーだった。
猫語で「大丈夫か?」と伝えたはずなのだが。

恐ろしき人間。この吾輩の魅力に釣られないとは………

にしてもさっきから何の話なんだ?「攻略」?「おネェ」?「クール」?「俺様」?「乙女ゲー」?

人間とは分からないものだ。

Re: 華龍学園のgdgdな日常 ( No.15 )
日時: 2016/07/29 23:01
名前: たま ◆vMNtRRLXtI (ID: bP2agIo1)

私は乙女ゲーd((

Re: 華龍学園のgdgdな日常 ( No.16 )
日時: 2016/07/30 01:16
名前: 花子 ◆jNtKvKMX4g (ID: XL6hbgia)

「はっ!今誰かが乙女ゲーのことを侮辱した気がする!?誰っ!」
「そのセンサーなになの」
「まさか咲ちゃん!?」
「いや、違うし」

あっぶなっ!?何あの美少女!?人間にしては鋭すぎるぞ!?

吾輩が思っていたことを当てただと!?
怖すぎるぞ!吾輩猫だぞ!?おい!?

「気のせいかぁ〜マジでかぁ〜」
「ナノのオタク度を知らない世の中の男子達は嘆き悲しむな」
「えぇ〜?何で男子が悲しむの?っていうか俺様が……」
「それ聞き飽きた」

えー!っと言って小柄な方がジタバタする。クールな方はツンとして前だけを見ていた。

吾輩は次なる第二ラウンド、2人をどうやって振り向かせるかを考えていた。
ムムムムムムムム………アッ!

「もう咲ちゃん!聞いてよ!」
「この間私の『寝ろ』という掛け声全無視したのにそれ言えるのか?
「ウッ!す、鋭い!」

小柄な方がギクッとした。いや、あれは鋭いと言えるのか。

「まぁ聞いてやるが」
「さっすがぁ!!」

小柄な方が両手を使ってガッツポーズをした。実によく動く人間だ。

Re: 華龍学園のgdgdな日常 ( No.17 )
日時: 2016/07/30 01:19
名前: 花子 ◆jNtKvKMX4g (ID: XL6hbgia)

吾輩は決心して、今までいた場所から道の真ん中へ出た。これなら2人の人間の目につくはずだ。

きっと「猫ちゃんかわいー!」とか言って寄ってくるはずだ。そうしたらすぐに逃げてやろう。翻弄するのも気まぐれな猫の特権だ。

「あ、猫だ」
「えっ!?ネコ!?」
「ミャ〜お」

来たっ!一応可愛い声出して、駆け寄ってきたら逃げる、という小悪魔作戦だ。もう吾輩は既に背を抜けている。
…………?

あれ?来ない?なんで?
吾輩が疑問に思いながらゆっくり人間の方を振り返ってみると…………

「おおおおおお追い返してこここごめん咲ちゃんわわわ私ネネネネネコアああああアレルギギギギーなななのててててで」
「動揺しすぎだろ。というかめっちゃ不思議そうな目でこっち見てるぞ」

鞄を手に持ち頭に当ててしかもしゃがんで完全防御形態(?)になっていた。

というか足が変な方向に曲がっているし顔は青ざめているしクールな方と全く同じ意見だ。見てて面白くなるポーズだ。

それより……猫アレルギー………?

まじ……………で……………?

「ニァア?」
「お前………猫でもナノに惹かれるのか?」

クールな方が意味深に吾輩に向かって言う。吾輩は意味がわからずに小首を傾げる。
なんのことを言っている?

吾輩の無言を肯定と受け止めたのか、クールな方はため息をついた。

Re: 華龍学園のgdgdな日常 ( No.18 )
日時: 2016/07/30 01:20
名前: 花子 ◆jNtKvKMX4g (ID: XL6hbgia)

吾輩の無言を肯定と受け止めたのか、クールな方はため息をついた。

「………そうか。まぁナノは猫アレルギーなんだ。残念だが諦めろ。そろそろ爆発するぞ」

そう、クールの方が言った矢先、

「ごめんねぇぇえええ!先に寮戻るねぇぇえええ!?」
「あっ!待てっ、ナノ!」
「ごめんねぇぇえええ!」

ナノ、と呼ばれた小柄な方は吾輩と真逆の方に、ダッシュして逃げていった。なんともすばしっこい。

吾輩は、驚いて黙っていた。だがすぐに気を持ち直した。

広いとはいえ、華龍学園内。吾輩にも、待っていたらチャンスはあるだろう。

吾輩は猫である。名前はまだない。今の第一目標は、あの小柄に名前をつけてもらうことである。
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2章end。
これより3章