コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: *再恋華*(実話) ( No.20 )
- 日時: 2016/07/29 22:57
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: u5JYbeHw)
- 参照: 今は当たり前なんて思わない
第十五話『小さな行動』
五月になり、ゆるゆると時間が過ぎて行った。
学校は相変わらず平凡で、毎日同じことの繰り返し。
壱を意識し始めてかれこれ二週間が経とうとしているが、相変わらず進展はナシのままだった。
そんな中あっという間にGWに入り、私はカレンダーを眺める。
去年も一昨年も、GWは何かがあった気がする。
だから今年は何が起きるのか、少し不安だった。
まなは壱に『依麻のことどう思う?』など色々聞いてくれているらしく、壱は『考えとく』と言ってくれているみたいだ。
それは嬉しいけれど——……。
『君の視線をくぎ付けにする』
壱のLINEの一言が、これに変わっていることに気付いた。
君の視線をくぎ付け?
君って誰? もしかして……。
……ほんの一瞬だけ嫌な予感がしたが、気のせいだろうと誤魔化して頭の中から消した。
でも、もしかしたら壱は好きな人がいるのかもしれない。
そうだとしたら、立ち止まってる訳にはいかない。
私は携帯を取り出し、LINEの画面を開いた。
『いーち(*・ё・*)
世界史の②やった?(笑)』
GWの間の宿題。
私はそれを話のネタにし、壱にそう送った。
「なんてくるかなー!」
私は携帯画面とにらめっこし、一人でそわそわしていた。
返事を待って、待って待ち続け——……。
三十分後、やっと返事が来た。
『まだなんもやってない(笑)
やんないとまずいっす』
久しぶりの壱とのつながり。
二年前はこれだけで精一杯だった。
今でも文章を打つだけでドキドキするが、昔と今とではもう違う。
私は気合を入れて、返事を送った。
『やばいね(笑)
急いでやらなきゃ┌(┌^o^)┐!
私、世界史だけ終わってないから
色んな人にきいてるんだけど
誰も終わってない(笑)』
『まじか(笑)』
「……む」
ここで私は、頭を抱えた。
多分壱は、昔と変わらず携帯をあまりいじらない人……だと思う。
だから私は文章をどうするか考えながら、とりあえず最初だし会話を終わらせた方がいいかな……と色々計画を練っていた。
『世界史やっと見つかった(^ω^)
お互い頑張るべし(笑)』
悩んで悩んで考えた結果、会話が終わってもいいやという覚悟でこう送った。
これできっと、LINEをぶちられるだろう。
私がそう考えていると、
『りょうかい(笑)』
ま さ か の 返 事 が き た
嬉しくて返事を返そうと思ったけれど、ここでしつこくするのも駄目だよな……。
「……よし」
二年前も少しずつ頑張ってきた。
だから今も最初は少しずつ、少しずつ前進だ!!
私はそう考え、携帯を閉じた。
私の知らない間で色んな事が起きているなんて、知らずに。