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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: *再恋華*(実話) ( No.21 )
- 日時: 2016/07/29 22:57
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: u5JYbeHw)
- 参照: 今は当たり前なんて思わない
第十六話『欲張る想い』
昨日のLINEの出来事から一夜明け。
少しでも好意に気付いてくれるよう、壱と目を合わせようとするが——……。
全 然 合 わ な い
ずっとこちらに背中を向けて、楽しそうに男子と話している。
あぁぁくっそ、こっち向いて! 気づいて!!
そりゃあ、私の一方通行の片想いなので上手くいかないのは当たり前だけど。
……当たり前、だけどさ……。
欲張りになりかけている、私が居る。
**
あれから何度も奮闘したが、結局なんの進展もなく。
気付いたら、もう六時間目になってしまった。
今日の六時間目の授業は体育。
六月にあるマラソン大会に向けて、男女ともに学校の周りを外周しているのだ。
今日もいつものように外周をしていると——……。
「……やー、疲れた!」
「もうちょっとだよ」
ちょうど私の前に、美々ちゃんと春ちゃんが居た。
女子の最後尾は私で、後ろを見ると男子が来ていた。
すると春ちゃんは、チラチラ後ろを見て——……。
「……やばい、目合った」
美々ちゃんに向かって、そう嬉しそうに呟いた。
そして笑顔で背中を叩く美々ちゃん。
私が慌てて後ろを見ると、壱らしき人がいた。
……うぉぉぉお?
やっぱり、春ちゃんは——……。
「——水城依麻、もうゴールなんだから走れ!!」
体育教師がそう言い、私は我に返る。
ゴールまでもう少し。
私は春ちゃんと美々ちゃんの背中を追う様に、走り出した。
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