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第二十三話『様子がおかしい彼女』


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「——昨日、依麻の言ってた壱くん？　……だっけ？　あの春ちゃんっていう子と二人で帰ってるのみたよ」


次の日。
朝一番に、廊下で真枝にこう言われた。


やっぱりもうそこまで来てるのか……あはは。
そう思いながら真枝と別れ、自分の教室へ向かう。


「……はぁ」


授業がはじまってもいつも以上に頭に入らなくて——。
ブレザーのポケットから携帯を取り出し、SNSを開く。


『春なんかいなくなればいいのにー』


春ちゃんのそんなつぶやきが目に入り、私は一瞬驚く。
どうせ、この呟きは壱関連だろう。
だけど、なんか……病んでる？


疑問に思った私は、授業が終わった後の休み時間に春ちゃんが来るのを待っていたが——……。


春　ち　ゃ　ん　が　教　室　に　来　な　い


「……どういうこと」


私は思わず声を漏らす。
ここ最近、毎日休み時間のたびに壱に会いに来ていたのに——。


念のために休み時間の度に教室にとどまって様子を見てみたが……。




やっぱり春ちゃんは、来なかった。






「——壱ー、どうなったの？」


ふと、男子の方面からそんな声が聞こえた。
なんか話してるけど、聞こえないし……。
どうせ春ちゃんのことだ。
だから私が気にする必要なんてないんだけれど——……。


今日は春ちゃんの様子が、おかしい。


……だから、気になってしまっている私が居た。