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第29話


「ごめん、雪帆・・・1人にさせて」
「・・・ぅ、ん」

涙目の雪帆は病室を出た。

「(私だって出たい・・・どうして今・・・何で部活・・・無理してやったんだろう・・・)」

足が痛いってこと、自分でもわかってたのに。

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「(どうしてあたし・・・椎菜ちゃんを休ませなかったんだろ・・・足引きずってたのに・・・！)」

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「時間・・・巻き戻したい・・・どうして私・・・こんな・・・」

時間が巻き戻せるなら＿＿＿

この事故と・・・お姉ちゃんの事故・・・巻き戻したい。

「うぅ・・・お姉ちゃん・・・陸上部で優勝するからって・・・約束したのに・・・」
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『お姉ちゃん、惜しかったね・・・でも2位じゃん！』
『もうちょっとだったね・・・去年も2位だったんだよなぁ』
『引退試合なのに、優勝できなかったね・・・でも、気に病むことなんてないよ』
『私・・・成長できなかった・・・』
『・・・お姉ちゃんの代わりに、私が陸上部に入って、優勝してあげるよ！』
『椎菜・・・ありがと』
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「椎菜ちゃん」

「・・・」

「きっと・・・椎菜ちゃんなら出られるよ！」

「・・・何で」
「え？」

「お姉ちゃんも、同じだったんだよ！」

「・・・え？」