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「「校外学習」」
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「来週校外学習だよね」
「早いよね〜」

学校が始まって1週間ちょっと。
もう来週は校外学習らしい・・・。

暇か！

「1泊2日で・・・夜ご飯は班で買ってきて自由に作るんだって」
「調理実習みたいだよねー」

班は・・・秋華ちゃんと一緒。

仁科秋華ちゃん。現職子役でファッションモデルにもなっている。
超大金持ちで超羨ましい・・・。

実は私も秋華ちゃんとテレビに出たことがある。友達役で。


秋華ちゃんは2組であんまり話す機会もなくなってきていたけれど、班が一緒になれたのは嬉しいな。

「・・・美千保とは別の班だね」

何でかそんな言葉が出てきてしまった。

「そだね、灯香は1班で・・・私は7班か」
「何を基準で決めたんだろ・・・」

美千保はだいぶ料理が上手い。
私もバイトしてるから、そこそこ出来る。
確か秋華ちゃんはあんまりできなくて、茉里は別の意味で凄いことになっていたはず・・・今はどうなのか知らないけど。

「(眞城くんとは別の班なんだよね・・・しかも美千保が眞城くんと同じ・・・)」

「それではー、班で分かれてください」
「はーい」

1班は・・・1組教室か・・・。
ああ・・眞城くんと同じ班になりたかったなぁ・・・。

その時

＿＿ドンッ

何かとぶつかった。


「わ、ごめんなさい・・・」
「こちらこそ・・・あれ、灯香ちゃん？」
「え？・・・秋華ちゃん！」

あれ？2組の教室からだったら逆方向なのに・・・。
何でこっちに・・・？

「1組の教室って・・・2組から左隣じゃない？」
「え、そうなの？迷っちゃって・・・それで灯香ちゃん探してて」
「そ、そう・・・か」
「(え、何その返事・・・あたしのこと邪魔だって思ってるの‥？まあ、そうだよね・・・)」
「ん？どうかした？」
「あ、いや・・・行く？」
「うん」
「(もう少し反応あってもいいじゃない‥・困る・・・)」

秋華ちゃんは・・・何を考えてるのか時々わからない。
友達曰くネガティブらしいからもしかしたら私のことも悪く思ってるのかも・・・。
だったら困るよな・・・私は秋華ちゃんのことを親友だと思ってるし。

「唯さん・・・菜穂さん・・・実留さん・・・希央さん・・・静香さん・・・か」

班のメンバーは秋華ちゃん以外誰も知らなかった。

「あ、もしかして・・・あなた千堂さん？」

突然、班のメンバーの静香さんに話しかけられた。

「え？・・・あ、うん」
「千堂さんってさ、全国陸上大会で1位だったんでしょ？確か」
「あ、そうだね・・・6年生の夏かな・・・」
「すごいよね〜、今年も陸上部？」
「その、つもりだよ」

静香さんは私のこと知ってるんだ・・・。

「実は静香ね、その大会で4位だったんだけど・・・知ってる？」
「え？・・・あれ、もしかして松橋小学校の・・・佐渡さん？」
「そうそう！佐渡静香って言うの！中学校で会えると思ってなかったな〜、よろしくね！」

元気そうな人だな・・・。
友達になれるかな。

握手を求められる。
私はその手を握り返した。

「よろしく・・・私千堂灯香」
「静香のこと、気軽に名前で呼んでね」
「あ、こちらこそ・・・」

「私は保住唯・・・」
「あたしは、東条菜穂！」
「如月実留」
「千賀希央という・・・」
「って、言うの！仁科さんも、千堂さんも、よろしくね」

・・・言おう。

「私のこと・・・名前で呼んで、ほしいな」

何とか・・・上から目線にならずに言えた・・・。

「あ、あたしのことも秋華って呼んでくれないかな？その方が親近感湧くな〜」

やっぱり、これがテレビ慣れだろうか‥。
あまり顔見知りじゃない人ともこんなに堂々として喋れるなんて。

「・・・じゃあ、灯香ちゃん、秋華ちゃん！」
「絶対良い合宿にしよう！」

菜穂ちゃんの掛け声に合わせて、小さくだけど「おー」と言った。

私からも。

良い合宿になるといいな・・・。

「でも、何作る？」

不意に唯ちゃんが口を開く。

「とりあえず男子に相談する？」
「頼りなさそうだけどな」
「そうかな〜、まあ聞くだけ聞いてみよ？」
「まあそうだな・・・」

この二人の掛け合い、合ってるなあ・・・。


「・・・女子で決めてくれよ」

「はぁ〜？せっかく聞いてあげてるんだから候補くらい出してよ」
「んじゃあ、た」

「却下」

即却下草不可避・・・。

「おい、候補出しただろ、た」

「却下」

「だからた」
「却下」
「こ」
「却下」
「や」
「却下」
「き」
「却下・・・じゃなくてたこ焼き？・・・たこ焼き・・・」

「いいね採用」

「何で最初却下してたんだよ」

「もう下校時間か・・・」
「最近勉強ないから短く感じるよね〜」
「あ、美千保・・・どうだった？そっちの班」
「あんまりまとまらないかな〜、一応、現時点で焼きそばってなってる」

大体決まったんだな‥。
私の所は結局決まらなかった。

「灯香の所は？」
「決まらなかったかな・・・」
「そっか、まあ明日もあるんだよね」

「部活何にするの？美千保は」
「私は手芸部にしようかなと」
「へえー、私は陸上部だよもちろん」
「そうだよね、速いしねー‥」

静香ちゃんともそれがきっかけで話せたんだしね。


＿＿＿眞城くんは何部なんだろう＿＿＿

ふとそう思った。
すると後ろから声を掛けられた。



「・・・美玲さん？」