コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: premier amour【コメ募集中】 ( No.40 )
- 日時: 2016/10/22 23:36
- 名前: 心里 ◆AG5AfKu9Dk (ID: QYM4d7FG)
「「一瞬」」
__それは一瞬の出来事だった。
腕組みをしながら、近くの壁に寄りかかっている美千保。
その目つきは真剣で、どこか・・・懐かしみが。
ずっと真面目だった。
近寄りたくないとも思っていた。
小学校の頃、悪印象・・・というか、堅苦しい印象しか抱いていなかった美千保と仲良くなれたのは、卒業式の後だった。
私が、美千保と一回でも話したい・・・と、思ったとき。
当然美千保はそのとき、鋭い目つきで私を睨んできた。
『・・・何で?意味がない・・・時間の無駄』
『でも・・・会津さんと、仲良くなれたらもっと楽しくなるだろうなーとか・・・』
今思えばその言葉は、だいぶ適当だったなと思う。
どうして私からそんな言葉が発せられたのかは分からない。
『え・・・』
意外そうな顔で私を見てきた。
私は言った言葉に少し責任を感じつつ・・・俯く。
返事が、怖かった。
というのが、そのときの正直な感想だった。
でも美千保は苦笑いしていた。
『そ・・・まあ、このままじゃ駄目って私も危機感覚えてたからね・・・いいよ』
その言葉を聞いた瞬間、私は強すぎる力で美千保と握手した、ということを今でも鮮明な記憶で覚えている。
- Re: premier amour【コメ募集中】 ( No.41 )
- 日時: 2016/10/22 23:44
- 名前: 心里 ◆AG5AfKu9Dk (ID: QYM4d7FG)
「ねえ、どうなの?」
美千保の声で現実に戻る。
さっきまで何を考えてたんだろう・・・。
「ん・・・」
眞城くんが頭をかきながら考え込んでいた。
何で・・・そんなに考える必要が・・・?
「恋愛感情はその・・・んー・・・」
気を遣ってくれているのだろうか。
私が・・・眞城くんのことが好きって気付いているのだろうか。
___そんなまさか。
「おい真っ赤だぞ」
後ろから柿崎くんが茶々を入れつつも、眞城くんはそんな柿崎くんを突き飛ばして考え込んでいた。
「いって!!ひどい!眞城ひどい!!」
わざと大げさに言っているようで、笑みがこぼれる。
柿崎くんはマイペースなところもあるけど、こういう恋愛の話が好きらしい。
バスの途中で突っかかってきたのも柿崎くんだったし・・・。
「てか眞城って前にもか・・・いや灯香のことが好きっていってなかったっけ?」
「え?」
意外すぎる柿崎くんの言葉に、驚きが隠せなかった。
向かい合っている眞城くんと私の間に、風が走る。サワァ_と、木が揺れる。
沈黙が続いた。
- Re: premier amour【コメ募集中】 ( No.42 )
- 日時: 2016/10/23 09:29
- 名前: 心里 ◆AG5AfKu9Dk (ID: QYM4d7FG)
「そ、そのー・・・何というか」
私と同じように焦っている眞城くんが意外すぎて俯きながら笑ってしまう。
正直いつも格好良いなーと思っていたところが可愛いなー・・・と。
「嫌いではないんだけど」
好きというか・・・。恋愛感情は微妙。
と、眞城くんは切り捨てた。
また、強い風が吹く。
「ふぅん・・・眞城くんはそう思ってるんだ・・・」
私は・・・微笑みながら__
心の中では泣いていた。
そっか。好きではないのか、と・・・。
でも周りを見ると、茉里、美千保、柿崎くんがにやけている。
茉里には、笑顔が戻っていた。
さっきまで交通事故があったのが嘘みたいに・・・。
救急車の音が鳴り響く。
正直、うるさい。ムードぶち壊しだよぉお!!
何人かけがをした人が連れて行かれていた。
- Re: premier amour【コメ募集中】 ( No.43 )
- 日時: 2016/10/29 19:06
- 名前: 心里 ◆AG5AfKu9Dk (ID: QYM4d7FG)
あっという間に夕食がすぎ、私は秋華ちゃんと外を眺めていた。
「もう明日の朝で終わりだね」
「うん・・・あっという間だったよねー」
「何かもったいない・・・」
あの後茉里とはちゃんと話し合い、きっちりと仲直りした。
そのとき茉里は・・・あの人は違う、うれしさの涙を流していた。
『本当に灯香ちゃんは・・・優しい、ね』
私は特に何とも言っていない気がするけど、こんな言葉を言っていた。
あれに何の意味が・・・?
まあ、いいや。
考えれば考えるほど眠たくなってくる。
「・・・たこ焼き美味しかったね」
結局静香ちゃんが拒否ってたけど、たこ焼きになった。
そしたら如月さん__実留ちゃんが料理上手くて手際よすぎて。
ほぼお任せ状態になっていた。
「何か盛りだくさんだった、な・・・」
「なにそれ灯香ちゃん、もう学校生活終わりみたいだよ」
口に手を当てながら秋華ちゃんが笑っていた。
でも、秋華ちゃんも同じ気持ちだろう。
少し悲しそうな表情・・・だよ。