コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: この思い、届いてください【コメ募集中】 ( No.6 )
- 日時: 2016/09/13 23:17
- 名前: 心里 ◆AG5AfKu9Dk (ID: QYM4d7FG)
- 参照: 菊本未湖(きくもとみこ)先生
「「少しでも近づけたい距離」」
_______________
「それでは早速ですが・・・学級委員長を決めたいと思います」
「えー」
「わー、お前なれよ」
「は?嫌だし」
「じゃあお前やれよ」
「いや自分でやればいいじゃん」
ちらほらそんな声が聞こえてくる。
と、その時、一人の女の子が手を上げた。
「先生、あたしやります」
そう言った。
この子は、柚橋美玲さん。
完璧主義者で、リーダー格がある。
でも完璧すぎて、友達がいないらしい。いつも休み時間は一人。
ちなみに美玲さんは小学生からの友達。
でもみんなが疎遠するから私もそれにつれて離れてしまった。
中学生なんだし、もう一度頑張ってみよう。
「副委員長は男女各1人・・・誰かなってくれないかなー?」
「なあ、もか、やろうぜ」
「へ?」
「俺も副委員長なろうと思ってるから・・・女子はどうせ中々決まらないだろ」
そう、私のクラスの女子は・・・決め事があまり早く決められない。
一緒に・・・一緒に、なら・・・やってもいいかも・・・。
いや、やる。こんな機会、ない。
「お、松宮くんと・・・千堂さんね、皆おっけー?」
「いいと思いますー」
「うん、いいよね、リーダー格ありそう」
「いいよー」
ほっとした。何か言われたらどうしようかと思った。
副委員長・・・一緒になっちゃった・・・!!
- Re: この思い、届いてください【コメ募集中】 ( No.7 )
- 日時: 2016/09/17 21:42
- 名前: 心里 ◆AG5AfKu9Dk (ID: QYM4d7FG)
「それじゃあ、さようならー」
「さようならー」
学級長や副学級長が決まり、その後はもう下校時間だった。
「もか」
「・・・っは、はい!?」
突然話しかけられ、驚いた。
「何そんなびっくりしてんだよ・・・」
「いや、い、い、・・・いいじゃん」
「悪くはねーけど」
「あ、そう・・・何?」
「これお前のじゃねーのか?」
差し出された手。その上には、消しゴムが置いてあった。
それは確かに私の消しゴム・・・いつ落ちた?
「あ、あ・・・り、がと」
「ん」
返事はそれだけだった。
「‥ば、ばいばい」
「・・・」
眞城くんは少し赤くなりながら、手だけ振ってくれた。
「・・・フッフフーン」
「え?」
振り返った先には、茉里が居た。
篠木茉里。小学校の時にモテまくっていた子。
唯一私の好きな人を知っている存在なのだ。
まあ、何人かに勘付かれてる気はするけど・・・。
「ふふ、良かったね、副学級長」
にやにやしながらそう言ってくる。
「ま、まあよかったけれども・・・」
「けれども?」
「・・・あ、あんまり冷やかさないでよね、てか私眞城くんに誘われただけだし」
「それって、脈ありなんじゃないのー?」
違うと思います。
私の一方的な片思い。
__だって、眞城くんは・・・。
- Re: この思い、届いてください【コメ募集中】 ( No.8 )
- 日時: 2016/09/14 19:05
- 名前: 心里 ◆AG5AfKu9Dk (ID: QYM4d7FG)
- 参照: 次は好きになったきっかけ。
「付き合って、ください・・・」
茉里と別れてから、そんなことを呟いてた。
絶対、言えない・・・反応が怖い。
「それが言えれば‥いいのに・・・」
どうして、言えないんだろう。
もっと・・・仲良くしたらいいんだろうか。
でも私、そんな勇気はない。
もっと‥茉里だったら・・・。
好きになった男の子とすぐに付き合えるんだろうな。
いつも笑顔で可愛い茉里。
私とは比べ物にならないくらい。
低身長だといじられながら、いじり返す。
挙句の果てに自分の椅子を持ってきたりしてぶん殴ったりしようとする。
怒らせたら怖いパターン・・・。
ちなみに、柿崎くんはその被害にあってしまった・・・。
無意識に歩いていた。
家に着く。
「・・・ただいま、お母さん」
「おかえり」
お母さんは私が小さいころ、お父さんと離婚した。
もう私はお父さんの顔を覚えていない。
「・・・はあ」
ため息をつく。
「私の初恋・・・叶うのかな」
そう。これは私の初恋。
小学校の時はよく男子と遊んでいた。そのたびに「付き合ってるのー?」などと冷やかされていた。
でも私はそんなこと気にしなかった。違うものは違うから。
何で、どうして何回もそのようなことを聞くのかが分からなかった。
でも6年生の体育祭。
私は初めて、「恋愛感情」というものが分かった・・・。
- Re: この思い、届いてください【コメ募集中】 ( No.9 )
- 日時: 2016/09/15 00:03
- 名前: 心里 ◆AG5AfKu9Dk (ID: QYM4d7FG)
- 参照: 過去。
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『あーあ・・・何で男子と一緒に徒競走なのー?』
『それは自分の速さを恨んでほしいな・・・』
美千保と体育祭の時、そんな話をしていた。
その時は、眞城くん、滝沢くん、津崎くんというメンバーだった。
『眞城くんとかめっちゃ速いもんねー、徒競走は』
『徒競走は、な』
そう、徒競走は速かった。
他のスポーツは全部そこそこだけど、走るのだけは速かった。
『よーい・・・ドン!』
走り始める。
私はぶっちぎりでトップだった・・・。
『青、白、赤、黄の順番だね』
青組は私。白組は眞城くん。
『はぁ・・・はあぁぁもか速い気持ちわ・・・すごい』
『おい待て何つった』
『いやぁぁいやいやぁすごいなって!』
『その前』
『いやいやぁすごいって!』
『だからその前‥』
そんな感じだった。
走り終わってから少し時間があった。
『それにしてももか、すげーな、俺そこそこ自信あったんだけどなー』
微笑みながらそう言った。
私は今もその顔が忘れられない。
『あー、先生タイム測ってたんだってね』
『え、まじ?後で聞きに行こうぜ』
『そだね』
ちなみに私のタイムは15秒01、眞城くんは16秒10だったらしい。
『すげー・・・』
私はさっき微笑みかけられたとき、完全に恋に落ちてしまった・・・。
あの顔。もう一生忘れられないよ・・・。
- Re: この思い、届いてください【コメ募集中】 ( No.10 )
- 日時: 2016/09/17 11:28
- 名前: 心里 ◆AG5AfKu9Dk (ID: QYM4d7FG)
「・・・土曜日か」
あっという間に休日。
「バイト、行こっと・・・」
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「おはようございます」
私は中学生。でも私の家はあまりお金がなく、中学生でもできるバイトを紹介された。2月から働いている。
普通有り得ないけど・・・。
私がバイトしているのは、喫茶店。
社長に私の紅茶の入れ方が気に入れられ、そのまま入れてもらえた。
「あ、千堂さんおはよう」
「北橋さんおはようございます」
正社員の北橋さん。
仕事もできていつも明るく、私の目標。
「着替えよ・・・と」
ここの制服は、白いブラウスにチェックのネクタイ、青いスカート。
年代別にスカートの長さが決まってくる。
中学生〜高校生は膝上のスカート。
__カチャン
「いらっしゃいませー」
「いらっしゃいませ!」
あ、常連客の人だ。
「ご注文をお伺いします」
「いつもので〜」
「かしこまりました!」
お客さんの前では必ず笑顔。
そう北橋さんに言われ、そのことを何があっても守っている。
「いつもの・・・ロイヤルミルクティー・・・」
ブレンド茶葉に、お湯を注いで2分20秒。
この時間が一番私に合っている。1か月で習得した技だからあまり凝ってはいないけど・・・。
「5分の2の分量・・・ミルク・・・」
今でもそう呟いていないと間違えてしまうけど、このミルクティーは案外評判が良い。
一日5回くらいかな・・・。
- Re: この思い、届いてください【コメ募集中】 ( No.11 )
- 日時: 2016/09/17 14:18
- 名前: 心里 ◆AG5AfKu9Dk (ID: QYM4d7FG)
「お待たせ致しました、ロイヤルミルクティーです」
「ありがと〜」
次の注文は何かな・・・。
今日は土曜日ってこともあって、大盛況。
いつもの倍くらい。
学校が始まってしばらく休んでいたけど、久しぶりに来たらこんなに来てるなんて・・・。
__カチャ
「いらっしゃいませー」
「いらっしゃいませ〜」
私も声を出した。誰だろう、と思って見てみると・・・。
__柿崎くんだった。
「(うわ、まじか!?)」
クラスにバイトしてることは内緒。
ばれたらやばい。
私はいつもくくっている髪の毛を下ろした。
注文を取りに行くべきか・・・。
しょうがない、これだとばれないだろうし・・・行こう。
「お客様、ご注文を・・・お伺いします」
自然に。笑顔を向けろ・・・。
「あ、じゃあこの・・・イチゴオレで」
あ、そういえば・・・柿崎くんってコーヒー飲めないんだった、かな。
てか苦いものが苦手だとか。
見た目も可愛い感じで中身も可愛いとかいう・・・。
「かしこまりました、少々お待ちください」
軽く頭を下げ、小走りで逃げた。
「はぁあぁああ〜・・・」
「どうしたの、千堂さん?」
「クラスメートが来てたんです・・・」
「あはは・・・それは大変ね・・」
「お待たせ致しました、イチゴオレです!それではごゆっくり」