コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: ジュエリータウンの平和な日常 ( No.2 )
日時: 2016/09/25 20:54
名前: カノン ◆cjuVBCszjg (ID: niONRc09)

〜みんなで楽しくお買い物!〜


ユリア「ふんふんふ〜ん♪今日はみんなとお買い物に行く日!楽しみだな〜!」

上機嫌に鼻唄を歌いながら独り言を言っている少女、ユリア・ダイヤモンドは、ごく普通の小学五年生の女の子。
明るくて、誰とでも仲良くできるのですが、少しおっちょこちょいなところな一面も。

そのユリアは、今日友達と買い物に行く予定があるのです。
今日は学校のない土曜日なので、昨日の金曜日の学校帰り、ユリアから友達に「一緒に買い物に行こうよ!」と誘いました。


そのことで、今ユリアは上機嫌なのです。

ユリア「久々にお買い物に行くんだから、ちゃんとオシャレとかしないと…!」

そう言いながら、ユリアはひとりでクローゼットの中を漁っていました。
そんな時、ユリアのポケットの中から、お母さんから借りているスマホの音がしました。


ピロロロロン♪ピロロロロン♪
きっと、この音は誰かがユリアのスマホに電話をかけたのでしょう。
ユリアはクローゼットを漁るのをやめ、スマホを取ろうとポケットの中に手をつっこみ、電話に出ようとします。

ユリア「はいは〜い!誰ですか〜?」
???「『誰ですか〜?』じゃない!もう待ち合わせの時間、とっくに過ぎてるよ!」

電話に出ると、スマホからは大きな怒鳴り声が聴こえてきました。
この声は、今日ユリアと一緒に買い物に行く約束をしていた、サクラ・ルビーの声でした。
おっちょこちょいなユリアとは違い、しっかり者で真面目なのですが、毒舌なところもしばしば。

実は、ユリアは友達と買い物に行く際に、近くの公園で待ち合わせをしていたのです。

ユリア「…え!?そ、そんなはずないいよ!だって今日はちゃんと早起きしたし…。」
サクラ「はぁ?なに寝ぼけてんの?今の時間、見てみなよ!もう一時間も遅れてるよ!」

ですが、サクラが言うにはもう待ち合わせから一時間も遅れてると言います。
ユリアは驚きながらも、部屋に飾ってある時計を見ると、もう待ち合わせの時刻から一時間もたっていたのです!


ユリア「え〜!?マジで!?急がないと…!」
サクラ「早くしてよ〜?うちらずっと公園で待ってるんだから…。」

これでも早く起きて準備をしていたユリアでしたが、またいつものように寝坊をしたのでしょう。
ユリアは急いでクローゼットの中身をふたたび漁り、デタラメに服を着て外に飛び出しました。


ユリア「おまたせ〜〜!遅れちゃってごめんね!サクラ、アオイ!」
サクラ「やっと来たの?自分から誘っておいて、遅れるとかなんなの?」

???「まぁまぁ、落ち着けよサクラ。そんなことで騒いでいたって仕方がないだろ?」
サクラ「そ、そうだけどさぁ…。」
ユリア「サクラ、どーどー!」
サクラ「それ動物を大人しくするためにやるやつでしょ!?うちにやったって効かないからね!?」

ユリアはできるだけ早く走り、待ち合わせの公園に来ました。
公園には、さっき電話をかけてきたサクラと、もうひとりの友達のアオイ・サファイヤがベンチに座って待っていました。
アオイはボーイッシュでかっこいいと評判の女の子ですが、ナルシストな性格の子です。


ユリア「よ〜しっ!それじゃあ、みんなでお買い物にしゅっぱーーつ!」
サクラ&アオイ「お〜〜〜!!」

サクラ「…って、さっき人の話聞いてた!?」

Re: ジュエリータウンの平和な日常 ( No.3 )
日時: 2016/09/25 23:07
名前: カノン ◆cjuVBCszjg (ID: niONRc09)

そして、ユリアたちは今日行くデパートへと歩いていきました。
待ち合わせの公園からはそんなに遠くなかったので、すぐに着いたみたいです。

ユリア「着いた着いた!ここがデパートだね!いや〜、こうして友達と来るのは久しぶりだなぁ…。」
サクラ「買いたいものとか色々あるから、今買っちゃおうかな…?」

デパートには大勢の人いて、とても明るくて賑やかでした。
そんなデパートで、ユリアたちはなにから買おうか迷っています。

アオイ「なにを買おうかが悩みどころだな…あ、そういえばユリアとサクラはきちんとおこづかいを持ってきたか?」

サクラ「はーーい!ちゃんと持ってきてまーす!」
ユリア「え?おこづかい?…あ〜〜!!い、家に忘れてしもうた…。」
サクラ「わ、忘れたの!?それじゃあ買い物できないじゃん!なにしてんの!?」

またいつものごとく、サクラはユリアに突き刺さるような言葉を平気で投げかけます。
…と、そんな時。


アオイ「仕方ないな…さすがになにも買えないのは可哀想だし、昨日少しもらったおこづかいをあげよう。」

と言って、アオイは自分のおこづかいをユリアに差し出したのです!

ユリア「えっ!?いいの!?」
アオイ「あぁ。これくらいどうってことないさ!」
ユリア「アオイ、ありがとおおおおぉぉ!!」

サクラ「アオイ、いくらなんでも優しすぎでしょ…うちだったら絶対あげないのに…。」
アオイ「あたしは当たり前のことをしただけだよ。…それにくらべて、サクラは厳しいんだね。」
サクラ「うるさいこのナルシスト野郎ッ!!」
アオイ「ナルシストは今関係ないだろ!?」

こう見えて、アオイは結構優しいところがあるのです。


その後、ユリアたちはのんびりとお買い物を楽しみました。
ユリアはバッグ屋さんで宝石のついているバッグを買ったり、サクラは本屋さんで好きな本を買ったり、アオイは服屋さんで自分好みの服を買ったり…。
ユリアたちは、おこづかいを使い、デパートで楽しくお買い物をしたのでした。


そして、そんな楽しい時間はあっという間に過ぎ、帰り道…。


ユリア「今日は楽しかったね〜!もう何十年も行ったことがなかったからなぁ…。」
サクラ「最後に関してはほんの一ヶ月前にみんなで行ったからね!?」
アオイ「でも楽しかったからいいじゃないか?」
サクラ「アオイに関しては大丈夫なの…?ユリアにあんなおこづかいあげちゃってさぁ…。」

そう話しながら、デパートから家へと帰っていくユリアたち。
ちなみに、アオイの家はお金持ちなので、おこづかいをあげても問題はないのです。
ユリアは、今日買った宝石がついているバッグを、なにも言わず微笑みながら見つめています。


サクラ「なにバッグ見つめてんの?ユリア」
ユリア「ふふふ…このバッグ、いいでしょ?宝石がついてるんだ!きらきらしててかっわい〜♪」

そう言って、ユリアはその宝石のように瞳を輝かせています。
ユリアは、宝石やきらきらしたものが大好きなのです。とくに好きなのは、ダイヤモンド。

サクラ「ほんっと、ユリアは宝石オタクだよね〜!」

ユリア「な、なんだよ宝石オタクって!じゃあサクラは読書オタクだね!」
サクラ「はぁ!?なにそれ、ユリアって屁理屈しか言えないんだね!」
ユリア「なんだとーー!」
アオイ「まぁまぁ、ふたりとも落ち着いて…。」

また口喧嘩になりそうなところを、アオイは苦笑いをしながら必死に止めようとします。
ユリアがサクラのことを読書オタクと言ったのは、きっとサクラがいつもいつも本を読んでいるからでしょう。


3人「アハハハハハハ!」

こうして、またユリアたちにひとつの思い出が出来たのでした。