コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: ジュエリータウンの平和な日常 ( No.6 )
日時: 2016/09/26 23:50
名前: カノン ◆cjuVBCszjg (ID: 2DtFjIhe)

〜ちょっと騒がしい3人組のお泊まり会〜


スイ「今日は雨、なのかぁ…。」

とくに誰に言うわけでもなく、ぼそっと独り言をつぶやくスイ。
どうやら、今日はあまり機嫌がよくないみたいです。

スイは今日、友達とピクニックに行く予定だったのですが…。
さっきスイが言っていることからわかる通り、雨が降って行けなくなってしまったのです。

スイ「はぁ〜…3人でピクニック行きたかったのに〜〜!天気予報は晴れだって言ってたのに〜〜!」

今日のピクニックのために、せっかく作ったお弁当を見つめながら、スイは1人で愚痴を言い続けます。
…そんな風に愚痴をこぼしていると、こんなことを思い付きました。


スイ「…そうだ!外に行けないのなら、みんなでお泊まり会しよう!」

思い立ったらすぐに実行するスイは、持っていたスマホで友達に電話をかけました。
その友達というのは、シノ・ラピスラズリ。暗くてネガティブな男の子だけど、優しい性格の子です。

スイ「もしもーし?」
シノ「スイ?…なんか用…?ピクニックはこの大雨だから行かないって言ったでしょ?」

電話の向こう側からは、シノの声が聞こえてきます。

スイ「確かに言ったよ。…でも、外に行けないのなら家があるじゃん?」
シノ「…うん。」
スイ「だからさ、今日はピクニックの変わりに、僕んちでお泊まり会しようよ〜♪」

お泊まり会のことを思っているのか、嬉しそうに話すスイと、だるそうに話すシノ。
そう言った会話をしているときも、外は雨がザーザーと降り続いています。

シノ「えぇ?お泊まり会?…いちいち服とか用意しなきゃいけないし、めんどくさいんだけど…。」
スイ「それだけは自分で用意しといてよ〜…っというわけで!!このあとはサヤも誘って、僕んちに泊まりに来てね〜!」
シノ「…まったく…仕方ないな。荷物持って、あんたの家に行けばいいんでしょ。」

呆れつつも、スイのわがままに付き合ってあげるシノ。そこで、電話はプツリと切れました。
ちなみに会話の途中で出てきた「サヤ」という子は2人の友達、サヤ・オパール。いつも笑顔の耐えない子だけど、ちょっと食いしん坊な男の子です。


あれから数分後…。
シノはサヤの家に行って事情を伝え、荷物をまとめてスイの家に来ました。

ピンポーン♪

サヤ「スイちゃーん!遊びにき…いや、泊まりにきたよ〜〜!!」
シノ「はぁ…サヤ呼びにいくの疲れたわぁ…傘と荷物も重いっす…。」

サヤは微笑んだまま、スイの家のインターホンを、指で押しました。相変わらず、サヤは元気そうです。
ですが、まるでシノはその正反対で、とても疲れている様子。理由はきっと、シノの家とサヤの家は遠いので、体力のないシノは呼びにいくのが大変だったのでしょう。

…こうして2人がスイの家に来たのはいいのですが…。
さっきサヤが家にインターホンを押したのですが、スイは五分たってもなかなか出てきません。
仕方なく、勝手にスイの家にお邪魔することに。


シノ「お邪魔します…あれ?スイ、なんであんなところで寝てんの?」
サヤ「お泊まり会だ〜!わ〜〜い!!」
シノ「サヤ、うるさいから少し黙っててよ…。」

鍵は開けっぱなしだったのか、家には簡単に入れました。
玄関から家の中を見ると、奥の方にはスイの寝ている姿と、ついたままのゲーム機が、無造作に置いてあります。

ぐっすりと寝ているスイでしたが、サヤの大きな声で起きたのか、眠そうな目で話しました。

スイ「ん〜…?なんだよ、うるさいなぁ…ってあれ?なんでシノとサヤいんの?」

シノ「あんたが家に呼んだから来てやったんでしょ…なのに寝てるってどゆこと?」
スイ「あ、そうだっけ?」
シノ「そうだよ。そんなことも忘れたの?…。」
スイ「そういえばそうだったね!じゃあ、遠慮なくあがって〜!…ってあれ?…さっきやってたゲーム機もつけっぱなしじゃん…!」

スイはつけたままのゲーム機の電源を切り、シノとサヤは雨ですっかり濡れた傘を、傘立ての中に入れました。

そして、スイたちはリビングに来て、みんなで仲良くおしゃべりをすることにしました。


シノ「それにしても、スイの家は綺麗だね〜…。」
スイ「そうでしょ〜?これでも綺麗好きだかんね!」

綺麗好きなスイは、リビングをとても綺麗にしていました。
言われてリビングを見てみれば、汚いところなど一つも見当たりません。

サヤ「ショートケーキ美味し〜い!!もぐもぐもぐ…。」

食いしん坊なサヤは、スイに出されたショートケーキを美味しそうに食べていました。
サヤの一口は大きいので、数分もかからずにショートケーキを食べてしまいそうな勢いです。

スイ「サヤは相変わらずいっぱい食べるね〜!」
サヤ「なんかこう、食べる物があると、ついつい食べたくて我慢できなくなっちゃう!」
スイ「この食いしん坊め〜!」

スイ「…あ、言い忘れてたけど、このショートケーキ賞味期限切れてるから!」
サヤ「ええぇっ!?そんなぁ…僕、ただでさえお腹壊しやすいのに…。」
シノ「俺まだ食べてなくてよかった…てかなんでこんなの出したの!?」

Re: ジュエリータウンの平和な日常 ( No.7 )
日時: 2016/09/27 07:48
名前: カノン ◆cjuVBCszjg (ID: eetvNq3l)

さっきまで明るい笑顔だったはずのサヤは、スイの言葉を聞いたとたん、すぐ暗い笑顔になってしまいました!
ショートケーキは、スイがちょうどその言葉を言う前に、すでにサヤが食べてしまっていたようです。

ちなみに、紹介の時でも言ったとおり、サヤはいつでも笑顔ですが…。
落ち込んだときは、暗い笑顔になるのです。

スイ「ちょうど賞味期限切れてて食べれなかったからさ〜…僕のかわりに、シノとサヤが食べといてね♪」
シノ「こんなの食べれないから!食べたらお腹壊すよ…。」
サヤ「ううぅ…もし僕がお腹壊しちゃったら、スイちゃんのせいだからねぇ?」

シノの分のケーキは、まだ一口も食べていないので、ショートケーキがぽつりと寂しげに残っています。
見た目は美味しそうなので、賞味期限が切れているということを除けば、食べれそうです。

その後も、スイたちはリビングでのんびりと会話を続けていました。


スイ「ねぇねぇ!2人は好きなアニメってある?僕は『魔法つかいプリキュア』が好きだよ〜!」
シノ「好きなアニメ…?基本、アニメはあんま見てないから知らないんだけど…。」

サヤ「魔法つかいプリキュアかぁ〜!略してまほプリだね!僕もよく見てるよ!面白いよね〜!」
シノ「ちょ…勝手に話進めないでくれる…!?」
スイ「よね〜!あっ!他にもプリキュアシリーズは大好きなんだ!ハピネスチャージプリキュアとか、Go!プリンセスプリキュアとか…。」

シノ「…話ついていけないのって俺だけ?(ってか、なんでサヤは女の子向けのアニメ見てんの!?)」

今のように、好きなアニメのことについて語ったり、女子力をあげることについて話し合ったり…。
今日ピクニックには行けませんでしたが、3人でとても楽しい時間を過ごせたようです。

そんな会話を続けていると、もう夕方になっていました。


スイ「あっ!もうこんな時間…!」
サヤ「時間がたつのは早いね〜!」
シノ「サヤはのんきだね…とりあえず、もうお風呂入っちゃう?」
サヤ「え〜!でも、ちょっと早くない?」

スイ「でも、そうすれば早く終わってのんびり出来るじゃん?私は夜ごはん作るから、シノたちは先にお風呂入っちゃってよ!」

サヤ「そうだね!そうしようか!」
シノ「結局はスイが全部決めちゃうんだね…ま、いいや。風呂入っちゃおっと。」

こうして、スイが夜ごはんを作り、シノとサヤの2人は先にお風呂に入ることに決定しました。

サヤ「…スイちゃん、お風呂覗かないでね?」
スイ「それはこっちのセリフだよ!!」


そして、そのお泊まり会の夜…。
スイたちは、寝る部屋でまくら投げをすることにしました。

スイ「さぁ!今夜はせっかくのお泊まり会ということで!まくら投げをするよ〜!!」
サヤ「イエ〜〜イ!!」

シノ「面白そうだけど…なんでこんなことしなきゃいけな…うわ!」

シノが話していた途中、顔にスイが投げたと思われるまくらが当てられました。

シノ「スイ、いきなりまくら投げてこないでくれる…?痛いんだけど。」

当てられたまくらを手に持ちながら、シノは話しました。
本当はまくらを投げられて痛くはなかったですが、やめてもらうようにわざとそう言ったのです。

スイ「よっしゃあ!シノの顔に命中!…ってか、まくらって投げられると痛いの!?」
サヤ「あっはは!おもしろ〜〜い!!シノも一緒にまくら投げやろうよ〜!楽しいよ〜!」

2人はシノを巻き込むように、まくらを次々と投げていきます。

シノ「はぁ…仕方ないから参加してやるよ。今回だけだからな?…どーせ俺が入ったって、楽しくないだろうけど。」
サヤ「やったやった〜〜!!これでシノも参戦だね!」


スイ「うん!それじゃあ、今夜はみんなでお泊まり会のまくら投げを楽しみましょ〜〜!」

ピクニックには行けない3人でしたが、スイが提案したお泊まり会は、とても楽しいものとなりました。