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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 私がヒーローになるまでの話 ( No.1 )
- 日時: 2016/12/11 21:06
- 名前: 薄葉あた丸 (ID: V9u1HFiP)
Prologue
「緊急速報です。無差別大量殺人犯として指名手配されていた『明城林音容疑者、二十六歳』がたった今、逮捕された模様です」
約二十年前、全国のお茶の間に流れたニュースだ。
当時、世の中ではある人種が人々から羨望の眼差しを受けていた。
彼らは「イデント」と呼ばれる特殊体質者。
これは男性のみが発症する病気の一種とされ、現在でも謎が多い。
発症した人間は運動能力が通常の人間の比ではなく、怪我を負った時の回復力も異常である。
一般人は当然イデントの力を羨み、憧れた。
その一方で、科学者達は、イデントの力を借りれば人類の寿命が飛躍的に伸びるとし、多くのイデントを犠牲に彼らの人権を無視するような酷い実験を数々行った。
これにより反乱を起こした特殊体質者達。
そのリーダーとも言えるイデントが、明城林音だった。
「駄目だ! まだやり終えていない! 俺らは科学者のオモチャじゃない……。同じ人間だ!」
明城が捕らえられながらも必死に叫び続ける姿は、多くの人間の心を震わせた。
だがそれもむなしく、明城林音は逮捕されて間も無く科学者組織の餌食となる。
わずか二十六年で生涯を終えた彼は、科学者らの手によって、微量の液体と化した——。
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