コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 粉雪[コメ・オリキャラ募集中☆*・:] ( No.130 )
- 日時: 2017/02/12 10:38
- 名前: ましゅ ◆AG5AfKu9Dk (ID: QYM4d7FG)
63.
——
「お願いします!」
私たちの試合は、館内によく響く挨拶の声から始まった。
そのあと、ジャンプボールにゆん先輩が出る。
……相手チームはゆん先輩より身長が低い……。
多分、こちらから攻撃できるはず。
審判の人が高くボールを上げた。
2人が同時に跳ぶ———すると、相手の方がジャンプ力が高いようで…ゆん先輩はボールをとることができなかった。
相手チームの1人がドリブルして、パスして……シュートする。
「あっ……」
反射的に閉じた目を開けると、相手チームの歓声が起こって……ハイタッチを交わしているのが見えた。
「そん、な」
得点ボードを見ても、2対0。得点、入ったんだ……。
「次は絶対得点とる!!」
急にゆん先輩が大声を出す。そうだ、次、頑張らないと。
心奈先輩がエンドラインから投げたボールを私が受け取り、そのまま進んだ。
- Re: 粉雪[コメ・オリキャラ募集中☆*・:] ( No.131 )
- 日時: 2017/02/15 16:46
- 名前: ましゅ ◆AG5AfKu9Dk (ID: QYM4d7FG)
64.
———
ハッ、ハッ、…と息を吐きながら私は低めの位置でドリブルをして進む。
……ゴールだけを目に入れてはいけない。仲間、コートの範囲……色々なことを考えながらプレーしないと。
そう思い、ちらっと横目で見渡すと、敵がいなくて尚かつゴールに近いベストポジションに未沙先輩が居たのが見受けられた。
決心し、私は敵と敵の間をワンバウンドさせてボールを未沙先輩にパスした。
流れるようにはなった未沙先輩のボールは、ボールさえもが入ろうとしているように……軽く、ストンとゴールに入った。
「未沙ちゃん!ありがと〜!」
「次も頑張るよ!」
そしてまた、相手チームから始まる攻撃——。
そのボールを目で追っていくうち、試合終了のホイッスルが鳴り響いた。
- Re: 粉雪[コメ・オリキャラ募集中☆*・:] ( No.132 )
- 日時: 2017/03/02 19:04
- 名前: ましゅ ◆AG5AfKu9Dk (ID: QYM4d7FG)
65.
「ありがとうございました」
かすれるこの言葉。
私は得点板を見る。……20対、14。
負けた。
「……県大会で……」
ぽつりと呟く。県大会で負けるなんて……せめて地方大会までは進めると思っていたのに。
易々と予想は裏切られ、今こうして泣きそうな状況だ。
目を閉じると、何かを感じた。
気がつけば私は一粒、涙を流していた。
「蒼空ちゃん」
羽奏ちゃんに声を掛けられた。
でも私は反応しなかった。…できなかった。
数拍おいて羽奏ちゃんの顔を見ると、涙が乾いたのか——目の周りが少しだけ白くなっている気がした。
やっぱり、悔しい。
羽奏ちゃんに何か言おうとしたが、何も言うことができなかった。
すると突然、
「ゆん!!」
そんな声が後ろから聞こえる。……未沙先輩?
あまり大声を出さない未沙先輩が大きな声を出していると分かった私はその声の方を振り向く。
すると、ゆん先輩が心奈先輩の肩にもたれかかっているのが見えた。
- Re: 粉雪[コメ・オリキャラ募集中☆*・:] ( No.133 )
- 日時: 2017/03/19 12:33
- 名前: ましゅ ◆AG5AfKu9Dk (ID: QYM4d7FG)
66.
「……ゆん、先輩……?」
ぐったりとしている先輩の姿は今まで見たことがなかったからか、衝撃だった。
未沙先輩が必死にゆん先輩の名前を呼ぶ。
「誰か携帯持ってる!?」
普段静かな未沙先輩がここまで焦るのは珍しい。
私は携帯を取り出そうとするけど、中々手が動かなかった。
「あ、私持ってます!」
ユニフォームの上から羽織ったパーカーに入れていたのだろうか、羽奏ちゃんはすぐに携帯を取り出し、「救急車呼びます」と走って会場外に出た。
……私、何も出来なかった。
ゆん先輩は誰よりもバスケが好きだったと思う。
だから……県大会で負けたことに、誰よりも多大なショックを受けた。
5分ほどしたらゆん先輩は病院へと運ばれていった。
——
更新遅くなって&短くて申し訳ないです<(_ _)>