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30.


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「え…珍しいね」
「……なんだよ。6月の初めに中間テストあるだろ？それで300点以上取れなかったら塾行かされる」

……塾か。


私の心が少しだけ、曇った気がした。


まぁ、貸してあげても良いか——


「分かった、じゃあ由麻ちゃん——いや、園生さんに今ノート貸してるから、それ終わったら…机の上に置いておくよ」
「ん」

「ありがとう」とも何とも言わない、短い返事。
まあそんなものか……。軽々礼言う人もあまり見ない。


私は次の国語の準備をして、席を立った。




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放課後。…今日は部長の、ゆん先輩が休みらしく——部活も休みになった。
私は、同じように部活が休みで今から帰る……香里ちゃんを誘う。




「そういえば蒼空…なんで数学の授業の前、私に『理科好き？』って聞いてきたの？」


……あ、そんなことも言ったっけ。


「会話の題材が見つからなかったから、かな」


私は自分から、何かの話題を作って話すことがあまり得意ではない。
……から、私から話しかけるときは会話が続くことがほとんど無い……。





「じゃ、また明日」
「ばいばーい！」


私はしばらく歩いてから香里ちゃんに手を振り、私は下を向きながら歩いていった。——