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32.


———



私はさっき室川に軽く叩かれた所に触れる。

その瞬間また——同じように、胸が高鳴った。


私はその気持ちを吹き飛ばすように、深く深呼吸をして……今教室に入ってきた、波留ちゃんと来美ちゃんの方へと向かう。


「お二人さんおはよ〜」
「おはよ。どうしたの？何か顔赤い」



———顔赤い。

私はその言葉に一気に、赤い顔をさらに紅潮させる。


そんな顔見られたくない……だから私は「ちょっと3組行ってくる！！」と言い、そのまま教室を出た——…。





七島くん……と一瞬私は考える。

『楽しいって思う方を選ぶ』……中々その通りにはいかない。
本心と行動は、いつも違う……。


私はまだ、七島くんのことが諦めきれていない。


考えずに生活……本心はそう思っているのに、行動に移せない。


考えちゃ駄目。そう思うのに、なぜか考えてしまう。






『みやせ、そら……だよ』

『ふぅん……おれは、………る』





いっそ七島くんに本心を全部ぶつけたら、

諦められたりするのかな——？










——


第6章終了。