コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 白色の恋。[コメ・オリキャラ募集中☆*・:] ( No.93 )
- 日時: 2017/01/24 23:53
- 名前: ましゅ ◆AG5AfKu9Dk (ID: QYM4d7FG)
『第9章』本心
47.
———
雨が地面に強く打ち付けられる音が外で鳴っている。灰色の空からは大粒の雨が朝からずっと降り続いていた。
時折ゴロゴロという音も聞こえ、一部の人間が怖がっている、そんな教室内。
「雷鳴ってるね」
「だね〜」
波留ちゃんが話しかけてくる。……雷は昔は怖かったけど、今はただただ外に雑音が響いているだけ、と思えるようになった。
「蒼空、危ないよ」
急に波留ちゃんが警告したから、私はぱっと振り向く。
……私のそばにけだるそうな室川が居た。多分、ぶつかりそうになっていたのかな——?
「……」
謝ろうとしたけど、何だか上手く言葉が出せなかった。
……いちいち羽奏ちゃんのことが気になって仕方ない。昨日、羽奏ちゃんが不良であることや……数日前、羽奏ちゃんが室川のことを好きだって知ってから、室川と話したくない、そんな気分になった。
正確には、話したらいけない——羽奏ちゃんや千帆ちゃんを傷つける…そんな思いもあるかもしれない。
本当は、もっと話したいのに……友達のことを考えると、拒否してしまう。
「ふぅ」
溜め込んだ息を吐く。深呼吸をした後、私は自分の席へ戻った。
教室のドアに手をかける室川の姿を見ながら——…。
私はそのとき、ガラスのドアの向こう側にいる……塔子ちゃんを見つけた。彼女は私が気付いたことに分かったらしく、「こっち来てー」とでも言うように手を前後に動かす。
私はそれにつられてドアまで足を運んだ。
/
「あのさ、蒼空ちゃんは絢人と付き合ってたの?」
屋上まで私たちは歩いてきた。そして屋上に着き、お互い座ってから塔子ちゃんは私にそんな言葉を投げかけた。——
———
いつもより少しだけ長いですね。約670文字くらいです。
やっぱり短いですww
フカヒレスープは美味しいです(唐突)
- Re: 白色の恋。[コメ・オリキャラ募集中☆*・:] ( No.94 )
- 日時: 2017/01/22 10:00
- 名前: ましゅ ◆AG5AfKu9Dk (ID: QYM4d7FG)
48.
———
「え、え?なんで?」
「……あたしの友達が、言ってた。宮瀬さんと七島くんは付き合ってたらしいって」
……過去形。ふられたことも伝わってるのか。
しばらく私は口を閉ざす。どう言えばいいのか、分からなかったから。
それに、なるべくもう思い出したくない事実——…。
「付き合ってた、よ」
私は戸惑ったけど、この際はっきり言った。付き合ってたという事実は変わらない。だからもう、はっきりと、聞こえるように。
本当だと思わなかったのか塔子ちゃんは驚いた顔をして口も開きっぱなしだけど……。
「……塔子ちゃん、七島くんのこと好きだよね。だから私……前付き合ってたなんてこと言えなかった……」
「いや!怒ってないよ?そっか、あたしのことちゃんと考えて……あえて言わなかったんだね」
私はうん、と頷く。
「……じゃあさ、絢人が好きなあたしを嫌になったり、しなかったの?」
塔子ちゃんの目は少しだけ潤んでいるように見えた。
私は首を横に振る。
「そんなわけないじゃん!塔子ちゃんが七島くんを好きでも、塔子ちゃんは私の友達」
「……ありがと。あたし友達に蒼空ちゃんと絢人が付き合ってたってこと聞いてかなりショックだったよ。…もちろん絢人に好きな人がいたことじゃなくて、絢人が好きなあたしと……蒼空ちゃんは無理して友達づきあいしてるんじゃないかって」
塔子ちゃんも、そこまで考えてくれていたんだ。……もう別れたんだから、たいしたことないのに。
私たちは屋上のドアを開け、下へと下りていく。
塔子ちゃんは用事があるんだ、と言って職員室へ行った。途中から私一人、教室まで戻っていく。
すると後ろから「宮瀬さん」という声が聞こえた——。