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Re: 粉雪[コメ・オリキャラ募集中☆*・:] ( No.98 )
日時: 2017/01/22 16:11
名前: ましゅ ◆AG5AfKu9Dk (ID: QYM4d7FG)

49.


———



私は聞き覚えのある声にハッと振り返った。

そこには、……七島くんが居た。真っ直ぐ私を見つめている。
何——そう問おうとしたけど、上手く呂律が回らない。私は口をぱくぱくとすることしかできなかった。
そんな私の様子を見て、七島くんが話し出す。

「俺とお前が付き合ってたってこと、言いふらした?」

……と言った。

私は脳が追いつかず、数拍おいてからようやく理解できた。
言いふらした?……まさか。

「言いふらしてなんか無いよ」
「じゃあ俺の友達に知れ渡ってるのは何で?」
間髪入れずに聞いてきた彼はもの凄く真剣そうだった。……私が告白されたときもこんな表情をしていたっけ。
でも今は別れた後。

「知らないよ。勘づかれたんじゃないの?」
「俺らそんなにいつも行動してたわけじゃないのに勘づかれるわけねーよ」
「心でそう思っていても案外気付かれるものでしょ。私、知らない」

その言葉に納得したのか、七島くんは黙った。
この場から立ち去ろう、そう思ったとき——ふと私が前に思い浮かんだ、「七島くんに思いを全部ぶつける」ということが脳裏をよぎる。


たまには自分から行動しても良い。

たまには、本心をぶつけよう。


「七島くん」

最初気付かなかったのか、間が空いてから彼は聞き返した。
一度開いた口はもう閉じない。

「私、七島くんと出会ってからずっと七島くんのことが好きだったよ。……今じゃもうふられたけど……まだ諦められないって感情が残ってる」

七島くんは私からの言葉にただ呆然としていた。

そして七島くんはハッと目を見開き、私に言い放った。
「お前がどう言おうと俺の気持ちは変わんねーよ」


その言葉に対抗して私は叫ぶ。
「別にもう一回付き合ってって言うことじゃないよ!ただ本音をぶつけたら……もう諦められると思って……!」

もう何を言っているのかも分からないくらい高い声で叫んだ。

「七島くんに付き合ってって言われたとき嬉しかったよ!それと同じで別れてって言われたとき悲しかった……あの後泣きじゃくった……」


もうこれ以上言っても無意味だ。

短いけど、私は伝えたいことを全部伝えた。ずっと好きだったこと、今も少し諦められないこと。別れて、と言われたとき悲しかったこと。
ずっと涙が止まらなかったこと。



「……ありがと」

ぼそっと呟き、私は七島くんの元から去った。——


こんな私と付き合ってくれて。

こんな私に優しくしてくれて。


今は好きじゃなくても、一度でも好きになってくれたことが嬉しい。








——


七島&宮瀬は一旦終了ですかね、多分(

今回久しぶりに1000字超えました。