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Re: センセイ×セイト ( No.12 )
日時: 2017/01/07 16:59
名前: 鐶 ◆u8YacDeZBU (ID: jFPmKbnp)

第8話

私は風間先生の事を前から知っていた。
中学2年生の夏に私は今、住んでる場所に
引っ越してきた。


「環こんな時期にごめんね。」

母はダンボール箱を開け
食器を床に並べていた。

中2の夏休み
私はこの街にやってきた。
夏休みと言えば友達と遊びに行ったりと
楽しいイメージがある。

「大丈夫よ母さん。」

一緒になってダンボール箱から食器を出す。
私はそうとしか言えなかった。

中1の冬、母と父は離婚した。
大人の事情らしい。
私は詳しく聞くことはしなかった。
父はなかなか家に帰って来ない人だった。
私は父と言ってにいた記憶があまりない。

「綺麗な家だね。」

食器を食器棚に並べながら問う。
母はクスクス笑いながら

「環が好きそうだなって思って」

そう言った。
可愛く笑う母を見て私はフッとほころんだ。
いつも父と居た頃は余り笑わなかった母が
父と離れ少しずつ笑うようになった。
子供ながらその空間に居ずらくて
私は父を避けていた。

「大分片付いたからご近所さんにご挨拶行こ」

母はニコッと笑い数個の箱が入った
紙袋を手に取り玄関に向かった。
私は後ろを着いて行く。

「今日、隣に引っ越して来ました。
倉西です。つまらない物ですが……」

母が挨拶をしながら話をしている。
私はニコニコと笑いながら隣に立つ。
フッと家の中を見ると

(わぁ〜。)

私は目を丸くした。
後ろに整った綺麗な顔をし
同じ顔の子供2人立っていた。
私はその2人に見とれていると

「環ちゃんはおいくつ?」

ハッと我に返り「中2です」と答える。
隣の奥様の顔が一気に華やかになる。

「ならうちの子達と同級生ね!」

後ろにいる2人に手招きをした。
2人はスタスタと歩み寄ってくる。

「あら。双子さん?可愛らしい〜」

母の顔も華やかにほころぶ。
私はペコッと会釈をした。

「笹木実咲です。」
「笹木宏樹です。」

2人も軽く会釈をする。
男女の双子を初めてみた私は
瞬きをしていた。

その顔を見て実咲はフッと笑い出した。
宏樹も何故か笑いをこらえている。

「あ、ご、ごめんなさい!」

私は慌てて謝る。
2人はクスクス笑いながら私に
手を差し伸べた

「「これからよろしく倉西さん」」

綺麗にハモる2人の声
私はちょっと照れくさそうに
その手を握り握手した。


「さて。次が最後ね」

母は最後の1つになった箱を
紙袋から出し手に持ち変え
呼び鈴をならした。