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Re: センセイ×セイト ( No.17 )
日時: 2017/01/14 21:06
名前: 鐶 ◆u8YacDeZBU (ID: as61U3WB)

第11話

買い物が終わり帰宅して
母とたわいのない会話をしながら
夕飯を食べリビングでくつろいでいた

「あら。いけない。卵きらしてる」

母は冷蔵庫を開けるなり
ため息を付いた。

「明日のお弁当卵焼きなしかしらね」

母の言葉に私はソファーから
勢いよく立ち上がり母に駆け寄り

「わ、私買ってくる!」

卵焼きのないお弁当なんて私は嫌だ。
と顔で訴えるように必死の表情に
母はクスクス笑いながらお金を渡す。
家を出てコンビニ方面に向かう。

「さ〜むい」

ハーっと白い息を吐きながら私は
歩みを早める。
コンビニが見えてきた。

「あ。」

私は短く声を出した。
コンビニの入口前に知っている人影
首にマフラーをしスウェットにクロックス
手にはタバコが握られていた。

「ん?」

私に気づいたのかその人影は私を見る
タバコの煙を吐きながら
彼はジーっと見てくる

「こんばんは。風間さん」

一礼をし近くで足を止める。
彼も小さく一礼をした。
コンビニに入り頼まれた物を買い
外に出る。まだ彼はたっていた。

「……。」

私は何も言わず前を一回通り過ぎるが
何故か足を止め振り返っていた。

「風間さん…一緒に帰りませんか?」



彼は隣を歩いている。
私の心臓はドキドキと高鳴る

「環ちゃんこの前大丈夫だった?」

ポケットに手を入れ歩く彼は
私を見ることなくたずねてきた。

「はい。あの時はありがとうございます」

ぺこりと軽く頭を下げる。
彼は少し笑ってくれた。
薄暗いが住宅街を2つの影が歩く。

もう少しで家に着く頃だ。
そう遠くない家路をしみじみと
感じながら私は彼を見ていた。

その視線に気づいた彼は私を見る。

「……!?」

私はすぐ顔を逸らした。
ドキドキと胸がうるさいくらい高鳴る。

「修学旅行近いんだよな。気をつけてな」

彼はニッと笑った。
一気に顔が熱くなり赤くなるのが
自分でも分かった。

「風間さんも勉強頑張って下さい。」

頷く彼を横目で見つめる。
不意に頭を掻く仕草
フッと柔らかく笑う笑顔
彼の一つ一つの仕草が堪らなく好き
彼の声、彼の視線感じるだけで
胸がうるさいくらい高鳴る。

(好きなんだな…。風間さんが。)

私はキューッと胸が苦しくなる。
今、何を思い私と歩いてるの?
今、どんな気持ちで私と話してるの?
そればかりが私の頭を駆け巡る。

この後の彼との会話はまあまり
覚えていない。


※因みに風間先生この頃は22歳ね(笑)